Orisuke
Orisuke
バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

マイルーム

D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
所有製品

カレンダー

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

お気に入り製品

日記

Ken Yoshida録音を聴く 【5】

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年01月27日

大坂なおみ選手の全豪初優勝と世界ランキング首位に大いに沸く中で、ひっそりとミシェル・ルグラン逝去のニュースが流れました。一ヶ月前に、自作自演の協奏曲集をご紹介したばかりだったのですが、奇しくも最後の録音となってしまいました。ご冥福をお祈り致します(http://community.phileweb.com/mypage/entry/4063/20181227/61363/)。遺作となったピアノ協奏曲を聴いているうちに、やはりこれは彼の人生の回想録だったんだろうなと思うようになりました。大巨匠の最後の録音を担当したKen Yoshidaは、今頃、何を思っているのでしょうか。

さて、今回はピアノソロが2枚です。


ルクス・エテルナ~バッハの幻影
ベアトリス・ベリュ(Pf.)

J.S.バッハ/ケンプ編曲:シチリアーノ(フルート・ソナタ第2番より)
J.S.バッハ/ジロティ編曲:アリア(管弦楽組曲第3番より)
J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:シャコンヌ (無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より)
J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:オルガンによるコラール前奏曲(全10曲)
エスケシュ:3つのバロック・エチュード
エスケシュ:二重の遊び

2014年7月録音 フラジェ Studio4(ブリュッセル)
P:Nicolas Bartholomee
E:Ken Yoshida

Aparte AP100

中核になるのは、バッハの原曲をブゾーニがピアノ用に編曲した曲で「オルガンによるコラール前奏曲」。10曲全部入っているところが素晴らしい。最後にちょぼっと入っているティエリ-・エスケシュは現存の作曲家で、バッハにインスパイアされた曲を書く人(こういう組み合わせ、多いなぁ、最近)。弾くのは、ベアトリス・ベリュというスイス生まれの女流ピアニストで現在33歳。「女優のように美しい」というのがタワレコの宣伝文句ではあるけれど・・・はて・・・大姉御系かも。

聴き所は、ベーゼンドルファーの重低音。ライナーノートには「ベーゼンドルファー・コンサート・グランド」としか書いていないけれど、おそらく、model290インペリアルというモデル(最低域に追加の黒い鍵盤がついている97鍵のもの)。もともと、model290自体がブゾーニの依頼によってコラール前奏曲を弾くためにわざわざ低域を拡張して作られたという成り立ちなので、これで「曲と楽器の親密な関係をお楽しみ下さい」というのがこの盤の隠れた主旨だと思う。

ベーゼンドルファーはFレンジが広いだけでなく、スタインウェイやヤマハに比べて中低音以下に独特の分厚い響きがあって、弾く人も、録る人も、聴く人もコントロールに苦労する楽器だと思う。そういえば、スピーカーを製造していたときもピアノの反射板を模した板を付けて、あの「ブワッ」とした低音を再現していた。ベーゼン弾きで有名なバックハウスのデッカ録音には、この分厚い低音の響きは意図的に抑えられてさほど入っていないけれども、この盤はここぞとばかりこの「ブワッ」が入っている。というか、この盤はほとんどが「ブワッ」で出来ていて、これが再生できないと満足に鑑賞できない。これはバルトロメとKenさんからの挑戦状と受け取った。

さて、挑戦状の意味は解読したのだけれど、悲しいかな、我が家のD58ES-Rは軽低音と中高音のトランジェントで勝負するスピーカーなので、この手の音が本当に苦手。なかなか、まともな音にならない。ケーブルやらアンプの脚まわりやらを散々いじくって、3日がかりでようやくそれらしい音に到達。シャコンヌの後半部やコラール前奏曲のBWV705(11トラック目)で深々とした響きが濁りなく収録された優秀録音であることを確認。音像は実物大でリアル。

凄い録音だと思うけれども、かなり機材を選ぶタイプだと思う。セッティングが決まってから他のYoshida録音を聴いてみると、みんな良く鳴るようになっているので、我が家の音の傾向がLTスタジオのモニター環境と少し似てきたのかも知れない。

このDiskの「バックロー度」★★★★


スクリャービン ピアノソナタ全集
バルドゥヒ・エリツィアン(Pf)

2015年3月録音 テアトル・インペリアル(コンピエーニュ)
P: Bruno Procopio
E: Ken Yoshida

Paraty 915136(2枚組)

Paratyというレーベルを買ったのは、これがはじめて。カタログを見てみると、これもAparteやAlphaに負けず劣らず、尖った盤が多くて面白そう。Bruno Procopioという人が2006年に設立したレーベルで、若い人に活躍の場を与えたり、新しいプロジェクトをやりたい人にサポートしたりという活動を重視したレーベルらしい。販売面ではハルモニア・ムンディと提携しているらしく、バルトロメのLTとも繋がりがありそうで、さらに、録音場所のテアトル・インペリアルという劇場も若手の掘り起こしに熱心のよう。テアトル・インペリアルの今年のスケジュールを見ると、ジュスタン・テイラーなどAparte所属のアーティストが何人か出ている。なんだ、こりゃ、みんなグルだな。

こちらはスタインウェイのコンサートグランドを使った録音だけれども、他の人のスタインウェイの録音とは随分音が違う。中高音に独特の堅い響きがあり、低音の伸びはさほど無いので、トータルでは高域バイアスの耳にキツい響きがする。多分、録音場所のテアトル・インペリアルが多目的の劇場で、必ずしも響きの良い場所ではないのだと思う。AparteやAlphaのピアノ録音とは、エンジニアが同じでも音は別物といって良い。

エキゾチックな顔立ちのバルドゥヒ・エリツィアンはアルメニア生まれでロシアで音楽教育を受けた後に20歳でフランスに移住、ロシア音楽とフランス音楽の双方をレパートリーとする人。年齢は書いていないが、見たところ、ベリュと同年代。スクリャービンの曲の性質もあるけれど、基本的にガンガン弾くヴィルトゥオーゾタイプの人だと思う。イメージカラーは赤なのだろうか。ジャケットを開けると赤い服と真っ赤な口紅をつけたバルドゥヒの写真と、真っ赤な「Scriabin」と書いた飾り扉が出てくる。CDも真っ赤に塗ってある徹底ぶり。演奏もジャケットのイメージ通りで情熱的で激しい。

スクリャービンのピアノソナタは、我が家にはリヒテルの5番しかなく、全曲聴くのは初めて。CD1枚目は「白ミサ」、2枚目は「黒ミサ」と副題がついていて、これはピアノソナタ7番と9番の表題そのもの。1番から4番までは複数楽章構成で、後期ロマン派的な曲の作りのものが、5番あたりから1楽章構成になって神秘主義的な方向に走り始め、ついには「黒ミサ」では得体の知れない音楽に成長していく様が面白い。

このDiskの「バックロー度」★★★

次回の日記→

←前回の日記

レス一覧

  1. Ken氏の作品探求お待ちしていました。

    Lux aeternaの方は配信でチェックしてパスしてしまったのですが、成る程、ベーゼンドルファーの重低音が再現できないと真価は理解できなかったということですか、スマホとイヤフォンじゃ駄目ですね。これは後継SPのブロードマンのあるお宅に持ち込むしか無いかもですね。

    スクリャービンのピアノソナタは完全に未知の世界です。真紅のドレスに白ミサと黒ミサって、また凄いですね。姉御系を通り越して巫女、霊媒、依り代系を想像してしまいます。彼女とKenさんの作品でもう一つ、Letters from Armeniaというこれまた、マニアックな録音があるのですね。**シビリのジョージア、コパチンスカヤ のモルドバ、また黒海周辺から新しい才能でしょうか。

    byパグ太郎 at2019-01-27 17:42

  2. こんばんわ~♪

    低音ビシバシなバッハですか、、、ぅ~ん気になりますね~(^^)

    スクリャービンはロバート・タウブ(米HARMONIA-MUNDI)を愛聴しておりますがバルドゥヒ・エリツィアンさんも気になりますね~(笑)

    タウブ盤はヨシダ録音に比べるとソフトタッチですが、音像、音場は近い物があります。
    最近聴いた米ムンディだとアル・ガロドロ(as)のガーシュイン/サマータイムなどはヨシダ録音にかなり近い感じがします。
    バックロー度は★★★★★(笑)

    https://www.youtube.com/watch?v=oED9-Uibky0

    byspcjpnorg at2019-01-27 20:14

  3. パグ太郎さん

    ベーゼンの響きは、オーディオ的に本当に難物です。特に我が家では、スピーカーが「こんなのかけるなよ、もう」と文句を言いそうなくらい。ただ、上手く再生できると妙に嬉しいもので、今日は我が家のBGMはずっとこのCDでした(汗)。

    Letters from Armeniaは入手できましたので、次回にでもレビューしたいと思います。

    byOrisuke at2019-01-27 20:34

  4. spcjpnorgさん

    こんばんは
    低音ビシバシのバッハは、意外に良いですよ。ブゾーニのシャコンヌも、子供だましと思っていましたが、凄く良いですね。ただ、この低音と音の響きは長岡BHには鬼門です。

    タウブ盤、米HMなら面白そうですね。探してみます。
    アムランも良いみたいですね、録音がどうかは分かりませんが。

    byOrisuke at2019-01-27 20:40

レスを書く

レスを書くにはログインする必要があります
ログインする