Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

Ken Yoshida録音を聴く 【7】

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2019年02月16日

Little Tribecaが大量に保有するDPAのマイクは、近年音質の優秀さで録音エンジニアの注目の的になっており、日本のトップエンジニアにもDPA信奉者は多いようです。それを見事に使いこなしCDフォーマットに詰め込んだKenYoshidaの音は、アパルテやアルファの他のエンジニアにも波及効果を及ぼし始めた模様です。最近は音色だけでなく音場感や音像の大きさまで似た録音が出てきています。

まずは、本家、KenYoshidaの録音から一枚。


Black is the Colour
ベリオ:フォークソング集(全11曲)
ラヴェル:序奏とアレグロ、博物誌
ファリャ:プシューケー

アンナ・ステファニー(MS)
ラビュリント・アンサンブル
2017年6月 スイス放送(SRF)、チューリッヒ
P & E: Ken Yoshida
Alpha384

現時点でのKen Yoshida最新作。アンナ・ステファニーは、イギリス人のオペラ歌手で、ロンドンで学びチューリッヒのオペラハウスを中心に活躍している人らしい。30代前半くらいだろうか?エクサンプロバンス音楽祭に参加して賞を獲ったあたりから、前回の日記で取り上げたフランスの「業界ぐるみの若手発掘」の波に乗ったらしい。

実体感たっぷりでナチュラルなボーカル。美声ではなく、破壊力のあるダミ声系。冒頭のベリオはアメリカ民謡から始まり5曲目の激しいパーカッションから一気にヒートアップ。イタリア、アルメニア、フランス、シシリー、オーヴェルニュ、アゼルバイジャンの民謡を現地語で繋いでいく。曲に合わせたステファニーの声の七変化に圧倒される。かなりの芸達者。

ラビュリント(ラビリンス)・アンサンブルは、ライナーノートによれば2013年に結成された若い団体で、「曲に合わせて形態をフレキシブルに変える」とある。チューリッヒオペラハウスとの関係が深いらしい。本盤ではヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、クラリネット、オーボエ、ハープ、フルート各1、パーカッション2の編成で、いわゆるワンパート・ワンプレーヤー。このCDがデビューアルバムとなるが、キレ味の良いアンサンブルが魅力的。個々の奏者の能力はかなり高いと思う。

オーディオ的には12曲目のラヴェルの序奏とアレグロのハープとストリングスの絡みの妖艶さが最大の聴きもの。ハープはボーカルと同等のこの盤の主役。低音の伸びが凄い。ラヴェルの秘曲、博物誌はヴォーカルとオケのバランスの良さと明晰さ、立体的な定位が素晴らしい。歌に絡んでくる様々な楽器の質感も楽しい。音が近く、シャープにピントが合っていながら煩くなく、帯域バランスも弱いピラミッド型で安定。音離れの良いスピーカーならば、スピーカーの存在が完全に消え、音場は三次元的に広がる。これは、典型的なKen Yoshidaの世界で、彼がやりたいことを邪魔されずに表現できている気がする。トータルでは文句無しの優秀録音。やはり、Ken Yoshida録音はアルファとアパルテの盤が良い。

このDiskの「バックロー度」:★★★★★


KenYoshidaの技術伝承?その1


ハイドン 交響曲第83番
モーツァルトピアノ協奏曲第17番
マリー・アレクサンドロ・ゲナン 交響曲第3番

ラ・コンソート・デ・ラ・ロゥジ
ジュリアン・チャービン(Vn、Cond)
ジュスタン・テイラー(フォルテピアノ)

2016年10月録音 Little Tribeca Auditorium(ハイドン)
2017年2月録音 JeanーBaptiste Lully音楽院(ゲナン、モーツァルト)
E: Maximilien Ciup, Florent Ollivier, Ignace Hauville, Timothee Langlois, Clement Rousset
Aparte AP157

ジュスタン・テイラーのフォルテピアノがAparteから出ているというので、これはKenYoshidaだろうと反射的にポチったところ大間違え。本盤は録音場所が2箇所に別れていて、エンジニア総勢5名の不思議な録音体制。KenYoshidaとバルトロメ以外のLittle Tribecaが総出でやったのではないだろうか。ハイドンの録音時期は、バルトロメとYoshidaがミシェル・ルグランのピアノ協奏曲を録っていた時期とかぶるので、こちらがワリを食った感じなのかも。しかし、子飼いのテイラーをわざわざAlphaから借りてきておいて、KenYoshida自身が録らなかったというのは、どうなのだろう。テイラー君が可哀想ではないか(同情)。

ハイドンは、KenYoshidaサウンドにそっくりのシャープでダイナミックかつ高域がしなやかな音。音色が似るのは同じLittleTribecaスタジオで同じ機材なので当然としても、マイク配置やマスタリングはYoshidaの技術をコピーしないとここまで似ないのではないか。裏でこっそり監修しているのかも知れない。モーツァルトは、フォルテピアノとオケのバランスが難しいと思うが、フォルテピアノがオケに埋没する一歩手前のところで持ちこたえている感じ。音像はYoshida録音より締まっており、やや引いたマイキング。

驚くべきは、ハイドンやモーツァルトと同時代を生きたフランスの作曲家ゲナンの交響曲。これは、モーツァルトの25番あたりと似たイメージの秀作。これを再発見したのは、指揮者のチャービンらしい。緩徐楽章が明るいのでモーツァルトのような悲しみやデモーニッシュさにかける感はあるにせよ、両端楽章は引けを取らない立派さとシリアスさ。こういう人が歴史の中に埋もれていることを示しただけでも、この盤の功績は大きい。

このDiskの「バックロー度」:★★★★


KenYoshidaの技術伝承?その2


雪に隠れた足跡
ジョエル・グラール(作曲・パーカッション)他5名

2018年 La Chapelle Profane Studio
E: Alban Sautour
Alpha436

Alphaレーベルの立役者、ル・ポエム・アルモニーク(古楽の隠れ蓑をまとった前衛芸術集団と言って良いと思う)のパーカッション奏者であり、作曲者でもあるジョエル・グラールが自作曲でソロアルバムを作った。当然、普通の音楽であろうはずがなく、怪しい打楽器と笛が大量に登場し、叩きまくり、吹きまくる。典型的なコンテンポラリー音楽だが巧妙に作られており、飽きるところは一切ない。

冒頭のカウベルを数珠繋ぎにした謎の楽器の音がいきなり凄い。音像は超シャープで実物大。叩かれた場所が、目の前をリアルに動き廻る。2曲目からは太鼓やら人声やら梵鐘やらチェンバロやらサウンドマシーンやらが入ったコンテンポラリー音楽となり、大迫力。音場は3次元に広がり、FレンジとDレンジは身の危険を感じるほど広い。音色はDPAマイクの典型的な音(で間違えないと思う)。ナチュラルな音で大入力でも反応がリニアで飽和しない。音像の大きさ、音の近さもKenYoshidaサウンドを参考にした形跡が認められる。

これは、完全に「外盤A級セレクション」のレベルに到達している。D58ES、モア、ネッシーなど大型BHや共鳴管を使っている長岡派に自信を持ってお薦めする一枚。市販スピーカーで鳴るかどうかは保証できないし、機械が壊れても責任は取れない。大音量で鳴らせば痛快至極だが怪しさも100点満点なので、警察や救急車を呼ばれないように楽しみたい。

このDiskの「バックロー度」★★★★★

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レス一覧

  1. おはようございます。

    black is ...以外はあまり気にしておりませんでしたが、既にKenさんの技術伝承が始まっているというのは、また凄いことですね。レーベル全体要ウォッチということでしょうね。

    若手、特に東欧の才能の発掘、フランスの隠れた名曲の再評価、古楽の皮を被った前衛をレーベルコンセプトにしている構図を体現するような3枚で、そういう意味でも、目が離せません、

    byパグ太郎 at2019-02-17 06:04

  2. おはようございます

    ハイドンの盤は、直前までKenさんが録音する予定で全て組まれていたものが都合がつかなくなって、LT総出でフォローしたようなドタバタ感があります。伝承というよりは偶然なのかも知れませんが、LTの中にはある程度Yoshidaサウンドの技術的共有は出来ている感じがします。

    グラールの方は、機材が似ているので音も似たという結果論のような気もしますが、音は新鮮で方向性はKenさん寄り、といった感じです。

    AlphaというかOuthere系のレーベルは、とにかく目が離せないですね。

    byOrisuke at2019-02-17 10:52

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