Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

CD化された長岡ディスクを聴く

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2020年05月14日

なんとなくトンネルの出口が見えてきたような気もしますが・・・。幻想じゃないと良いのだけれどなぁ。昨日も今日もテレワークで、Zoom会議ばっかり。鬱々としているのも嫌なので、こういうときこそ長岡ディスクに我が家のD58ESRをズバッと鳴らしてもらって、スッキリしよう、と最近集めたのをまとめて聴いてみました。しかし、CD化すると玉石混交になっちゃいますねぇ。やっぱり、全部が「A級」とはいかないや、こりゃ。


バッハ ゴルドベルク変奏曲
アンドラーシュ・シフ
1982年12月 キングズウェイ・ホール
E:Simon Eadon
Decca/タワレコ PROC-1545

デジタル最初期の録音。シフのゴルドベルクは、外盤A級の中でも変わり種で、音がいいという理由で選ばれているわけではない。音が図抜けて変なのだ。「このシフ盤は音色のユニークさでマニア必聴盤と言えるもの。(中略)弦の直接音は皆無である。オフマイク録音でしかもピアノのふたは閉じてあるのではないか」と書いてある。

この演奏は、かつてFM放送などで頻繁に取り上げられていたが、学生だった当時は演奏が単に地味な感じがして購入には至らなかった。タワレコ1200円盤で出ているので買ってみたのだが、確かに長岡先生が指摘された音の変な特徴はCDでもそのまま残っている。その意味では真っ当な復刻と言えるだろう(そもそもリマスターしていないかも)。

しかし、このボワーンとした音、「蓋を閉じたグランドピアノ」というのは、いったいどうした事だろうか。しばらく聴いていて謎が解けた気がした。思い当たるところをネットで調べてみたら、ビンゴ。シフの愛用ピアノはベーゼンドルファー280vcだった。以前の日記でベアトリス・べリュのKenYoshida録音盤を紹介したことがあるが(https://community.phileweb.com/mypage/entry/4063/20190127/61604/)、これがベーゼンのmodel290インペリアル(最低音拡張モデル)を使っており、優秀録音ながら独特のブワッとした低音の再生に大いに苦しめられたので記憶に残っていた。曲は違えど、よく似たタイプの音なので、KenYoshida録音のべリュ盤は音質面でこのシフ盤の傾向をより激しくした現代版と言えなくもないだろう。オーディオマニア(と録音エンジニア)への挑戦状のような音だ。特に長岡バックロードには厳しい修業。先生の天国からの課題と思いたい。

このDiskの「バックロー度」:★★★



オネゲル
ムーブマン・サンフォニック第1番(パシフィック231 )、第2番(ラグビー)、第3番、交響曲第2番、モノパルティータ、夏の牧歌
ジンマン(cond.) チューリッヒ・トーンハレo.
1996年5月 チューリッヒ・トーンハレ
E:Simon Eadon, Martin Atkinson
Decca/タワレコ PROC-1906

代表作であるムーヴマン・サンフォニック(交響的運動)第1番から第3番が収録されている貴重な一枚。この蒸気機関車の男らしさ溢れるジャケ写が堪らない。まさにこういう感じの曲なのだから期待も膨らむ。しかし・・・演奏の切れ味は抜群でさすがジンマンだが、音については残念ながらデジタル期のデッカ録音の限界を聴いている感じもする。元の演奏のDレンジの巨大さをエンジニアが音にまとめ切れなかった感じで、迫力はあるが音の線が痩せていて質感に乏しく肝心のフォルテッシモもリミッターを効かせているのか吹け切らない。これは恐らくデッカから送られてきたマスターのクオリティの問題で、いかに優秀なタワレコ盤製造チームでも十分な仕事ができなかったのではないか。

このDiskの「バックロー度」:★★★

パシフィック231 だけを聴くなら現状のオススメ盤は、もう一方の雄、アンセルメ盤。



フランス管弦楽曲集
ラヴェル ボレロ
オネゲル パシフィック231
デュカス 魔法使いの弟子
シャブリエ 狂詩曲<スペイン>、田園組曲、楽しい行進曲
アンセルメ(cond.) スイス・ロマンドo.
1963-1964年 ジュネーヴ・ヴィクトリアホール
E: Roy Wallace, James Lock
Decca/タワレコ PROC-2268

タワレコによるSACD復刻盤。2020年に24/192リマスタリング(英Classic Sounnd社)を行いDSD変換している。パシフィック231はバランス、解像度ともジンマン盤より上。作曲者からこの曲の献呈を受けたアンセルメ&スイス・ロマンドの見事に引き締まった鋼を思わせる演奏がリマスタリングによってスーパーアナログと遜色ないレベルに復刻されている。Dレンジ、fレンジとも十分で、質感にはアナログ的な滑らかさがある。アナログマスターからのハイレゾ復刻の伸び代の大きさを感じる一枚。オーディオに電源投入して、アンプは暖まったがスピーカーが目覚めていないときにこれを一曲かけるとスピーカーエッジと自分の耳の準備運動が一気に進み、5分以内に準備完了するという効能もある。オススメ盤。こういう時だからこそ、ボリュームを上げて漢らしく痛快爆裂サウンドを楽しみたい。どうなっても後のことは知らない。

このDiskの「バックロー度」:★★★★★



バッハ リュート組曲 第4番、第5番、第6番
ホプキンソン スミス
1980年6月 Saint-Lambert-des-Bois, France(5番)
1992年10月 Beinwil Abbey (Switzeland)(4番、6番)
E:Dr. Benjamin Bernfeld(5番)、Pere Casulleras(4番、6番)
Astree-Audivis/Naive E8938

リュートでバッハのチェロ組曲を弾いた先駆的な録音の一つだと思う。第4番、第6番はホプキンソン・スミスの編曲、第5番のみバッハ自身の編曲。録音年代もアナログ末期とデジタル初期でずれており、エンジニアもホールも違う。収録された三曲の中ではAstreeのLP末期に録音された第5番が長岡先生の絶賛されていた音(CDではLPとは組み合わせが変わっている)で、先生はこのLPの音を「特大のサーロインステーキ」と表現した。しかし、Astreeのアナログ時代の独特の脂肪分豊かなトロミのある音はCDには乗りにくいのだろうか。それとも、アンビエンスマイクだけ個性のある柔らかい音でCD用マスタリングでバランスを崩したのだろうか。この盤もCDになるとビフテキのとろみと言うより天津飯の餡のような感じになって本体ととろみが分離してしまった。優れたリュート録音が続々と登場している現在の基準では、残念ながら解像度も甘く、音楽的な充実度が音質で削がれてしまっているように感じる。naiveは新録では音のいいレーベルだが、Astree時代のアナログ録音のCD化については執着が足りない感じだ。

このDiskの「バックロー度」:★★



ルベル 四大元素
デトゥーシュ 四大元素
ホグウッド(cond.) AAM
1978年7月 St Paul’s Arnos Grove
P: Peter Wadland
E: John Dunnkerley
オワゾリール 475 9100

この曲も、パシフィック231 同様、日本では長岡先生の紹介でオーディオマニアを中心に人気に火がついたところがあると思う。冒頭の不協和音に象徴されるバロックらしからぬアヴァンギャルドさが魅力的な曲で、100年後のベルリオーズの登場を暗示しているようにすら思える。現在はゲーベル、ミンコフスキなどかなりの数の録音が出ているが、長岡先生が外盤A級で取り上げられたのは、この1978年ホグウッド盤。オワゾリールの音がいちばん良い時期の録音だ。2007年にデジタルリマスターされたCDが発売されたが(本盤)、その後廃盤。CDもこれだけ聴けば悪くない。ただ、1978年という録音年代を考えると、アナログマスターにはもっと情報が入っていただろうと更に多くを望みたくなる音でもある。改めてDSDリマスタリングとSACD復刻を是非タワレコに求めたい。

このDiskの「バックロー度」:★★★★



イランの古典音楽
ファラマルズ・パイヴァール&アンサンブル
1973年 アン・アルボア(ミシガン)
ワーナー/ノンサッチ(国内盤)WPCS-16045

10年ほど前に再発された廉価版「ノンサッチ・エクスプローラ50」シリーズの在庫をタワレコで発見したので、聴いたことのなかった「イラン」をポチってみた。大正琴のような音のサントゥールと、ザルブという太鼓、カマンチェという三弦ヴァイオリンが主役で登場するが、この掛け合いが実に楽しい。音は全く古くなっていない。レンジが広くスーパーアナログ的に中味の詰まったリアルで太い音。現在の基準でも優秀録音。フォーマットはCDで全く不足なし。この見事なマスタリングはワーナージャパンの仕事ではないだろうか。以前に紹介した「名器の響き」SACD盤に通じる極めてニュートラルな音調。全部こうなら「Wの悲劇」は起こらないだろうに、とすら思う。何度も繰り返し発売されてきたシリーズではあるけれども、これで900円とは・・・。恐るべし、ノンサッチ。

このDiskの「バックロー度」:★★★★★



Invisible Connections
ヴァンゲリス
1985年録音
Universal UK 574064-2

本盤はドイツ・グラモフォン というクラシックの総本山とも言えるレーベルが、実はバブル期にシンセサイザーをフルに使ったインストゥルメンタル・アルバムを出していたという「黒歴史(?)」。それにしっかり目をつけた長岡先生、流石です。ヴァンゲリス自身によるリマスタリングが2017年に行われており、買ったのはリマスター盤の方。炎のランナーや南極物語、ブレードランナー、2002年の日韓W杯アンセムなどを担当した世界的大物なので、かなり需要があるのだろう。これ自体は特に何かの映画のサントラでもなく、純粋に彼の創作の世界。全曲シンセサイザーによるインストゥルメンタルなので、音質的にはなんの問題もなくCDに適応しており、当時のシンセの音の見本市のような状態が眼前に展開して飛び交う。これを優秀録音と言って良いのかどうか分からないけれども、長岡スピーカーで聴くと長岡先生とあの時代のオーディオが思い出され、なんとも言えない懐かしさに浸れる。

このDiskの「バックロー度」:★★★★★

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  1. Orisukeさん こんばんは

    長岡さんですか、なつかしいですね
    今でも彼が使っていたアンプは高値で取引されているようで
    人気は衰えていません
    >バッハ リュート組曲 第4番、第5番、第6番
    >ホプキンソン スミス
    この録音には興味があるので聞いてみたいと思います
    良いCDをご紹介していただきありがとうございます

    byプリマ at2020-05-14 01:40

  2. プリマさん

    おはようございます

    長岡さんのアンプ、HMA9500mkIIなんかは高いですよね。一度使ってみたいとは思いつつも、MOS-FETが飛んだら直すあてもないですし、なによりコスパを重視されていた長岡先生の合理的な発想とは逆方向の様な気がして、中古でリーズナブルな値段になっていたLuxmanのM10を使っています。

    ホプキンソン・スミスはバッハの組曲1−3番がnaiveで2013年に新録音されて、それに合わせて紹介させていただいた旧録音の4-6番が再発になったようです。

    byOrisuke at2020-05-14 09:24

  3. Orisukeさん

    工作が大の苦手な私は、長岡先生ご推奨リストは全然フォロー出来ていないのですが、シフのゴールドベルク旧録盤が入っていたのですね。そもそも82年当時は前年に出たグールドのステレオ録音に大いにハマっていて、それ以外何を聴いて物足りないという、今思えば大変浅はかな状態でした。その後シフのゴールドベルクも良いなと思えるようになったのは、01年のECM盤を聴いた頃でした。が、これはこれでECMらしい人工的な響きですので、本当のシフのベーゼンの音を正しく残しているのかどうか(そもそもライブ録音で、ピアノメーカーのクレジットが出ておらず)、Orisukeさんの日記を拝見して、もう一度聴き直して見たくなりました。

    byパグ太郎 at2020-05-14 17:57

  4. パグ太郎さん

    こんばんは
    私、グールド新盤の衝撃と彼の死のニュースを聴いて、さらにそのしばらくあとにシフ盤を聴いたと記憶しています(多分、高校生の頃だと思います)。その時のFM放送の音調が穏やかすぎて、グールド旧盤が好きで経験値ゼロの私には全然ピンとこなかったのを覚えています。ただ、今聴いてみればとてもよく考えられた演奏ですし、あのボワーッとした音が再生できさえすれば、録音のDレンジや音の質は十分確保されていて基本はしっかりした録音なのだと思います。むしろ、あのピアノの場合、きちんと録ると「ボワーッ」となるんですね、多分。

    ベーゼンについては、この盤もピアノ番号が直接ライナーノートに書いてあった訳でなく、まずは音そのものがベリュ盤にそっくりであること、次にシフの出ているホームページを片っ端から読んでみると、ピアノについて触れているところにはベーゼンの名前があって、スタインウェイやヤマハの文字は発見できなかったということ(ベーゼンドルファー日本支社のHPには、彼のかなり長いPRビデオがあがっています)からの類推です。恐らく彼はベーゼンのサポートを受けた看板アーティストとして長年やってきているのだろうと見ています。

    ECMはシフは持っていませんが、クレーメルの盤などで硬質で刺さる音が多いですし、いじった感も強くてどうも苦手です。

    byOrisuke at2020-05-14 23:53

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