Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

最近の新譜から

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2020年09月28日

このところ、バックロードホーンからの高域漏れを退治するために、ホーンに吸音材を少しづつ増やしてきたのですが、これが高音よりも低音の質を大きく改善していることに気づきました。結果、チェロが良く鳴るようになったもので、今回はその成果が反映された(?)アルバムをご紹介します。



The Russian Album

ラフマニノフ チェロソナタop.19
ショスタコーヴィチ チェロソナタop.40
シチェドリン アルベニス風
プロコフィエフ 3つのオレンジの恋より March
デメンガ New York Honk

クリストフ ・クロワぜ(vc)
アレクサンダー・パンフィロフ(pf)
2017年10月 スイス放送スタジオ(チューリッヒ)
E: ジョエル・コルマー
AVIE AV2410

無差別格闘技の試合でもおっ始めそうな、むくつけき男性二人による、いかにも男くさそうなアルバム。題名も直球でThe Russian Album ときた。チェロのクロワぜは27歳のスイス人(名前からするとギリシャ系か?)、ピアノのパンフィロフは31歳のロシア人。いずれも新進気鋭のソリスト。

ラフマニノフとショスタコのソナタが素晴らしい。力任せに弾くのかと思いきや、風貌とは真逆の実に繊細でロマンティックな演奏。パワフルさも当然兼ね備えていて、これは恐らく、男性奏者でないと出せないタイプのロマンチシズムだ。現代的で柔軟かつ相当にテクニカルな演奏でありながら情熱的で歌に溢れている。客観性とか構築性というのはどこかにしまっておいて、「100%パッションで弾きましたが、なにか」と正面切って言っているようで、こういうのは最近珍しいと思う。

アンコール・ピースの3曲も良い。最後に入っているNew York Honkという曲が、ニューヨークの喧騒をチェロの音で描写した、とても楽しい曲。多分、世界初録音。

録音はオンマイク気味で音像は大き目、定位はマイクの指向性を広く取って、敢えて少しボカしている感じ。音のエッジは柔らかく点描的で、最強奏でも煩くないベルベット・サウンド。CDなのにオープン・リールの様な音がする。Dレンジが広く、Fレンジは標準的だが低域側の量は多い。チェロの倍音が美しく、トータルでは耳馴染みの良い優秀録音。録音、マスタリングの貢献も大きそうな音だ。オーディオ的聴きどころは、ショスタコの最終楽章。大口径のフルレンジやスコーカーがチェロの帯域をカバー出来るタイプの3wayに特に好適な音源。Avieというレーベルを買ったのは初めてだけれども、この音はアナログ的で面白い。

このDiskの「バックロー度」:★★★★★




女傑の生涯

Kolophonistinnen (チェロ四重奏団)
ハンナ・アーマン、マルレーネ・フェルステル、エリザベート・ヘルマン、テレサ・ラウン(チェロ)

2019年10-11月 ウェーブガーデン・スタジオ(オーストリア)
E: Franz Schaden
Granola 99218

一見、日本でもありそうなアイドル系クラシックっぽいジャケット。チェロを持った笑顔のうら若き女性奏者のクワルテットによる小品集。Kolophonistinnen というユニット名は「松ヤニ」から取ったという。アイドルユニットにしては変な名前を付けたもんだ、と冒頭のヨハン・シュトラウスをかけてのけ反った。どうせイージーリスニング系の緩い演奏になるのだろうと舐めていたが、なんだ、このアレンジは?ウィンナ・ワルツを原曲と真逆の陰気な音楽に変換する魔変曲。中盤からは現代曲攻撃が炸裂。かと思えば、ショスタコーヴィチ のジャズ組曲のブンチャッチャのワルツを入れてみたり、ミッション・インポッシブルのテーマが流れてきたり、もうやりたい放題。最後に「英雄の生涯」を魔編曲した「女傑の生涯」(これもエンディングが抱腹絶倒)ときた。変態プロデューサーの確信犯か、それとも、彼女たち自身がぶっ飛んでいるのか。テクニック的にはやたら上手いのだから始末に負えない。ここまでやってしまって、この人達、このあとどうするんだろう。

曲と演奏も挑発的だが、この音は、オーディオマニアへの挑戦状以外の何物でもない。グループ名は、「松ヤニが飛び散るが如き演奏」という意味だったのだろうが、本気で再生するとボイスコイルが飛び散る。以前にもベルリンフィルのチェリスト10人並べた盤とか、チェロ絡みの低音ソフトは色々あったけれど、既存の「その手」のソフトを凌駕する実にえげつない爆音ソフト。スペアナを見ると80Hzから12.5kHzまでまるでピンクノイズの様に一様に音圧が高く、80Hzと100Hzは曲によっては強烈なピークを作っている。チェロなので80Hz以下のレベルは低いが、持続性の高い低音なので38cmウーファー4発で大音量再生したら聴き手がくたばると思う。他の人がなんと言おうが個人的には高く評価したい。

このDiskの「バックロー度」:★★★★★

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レス一覧

  1. Orisukeさん、こんばんは。

    「最近の新譜から」楽しみにしています。今はチェロに凝っているのですね。今回紹介されている音源を両方とも聴いてみました。

    最初の”The Russian Album”見られているかもですが、マイクアレンジがわかるYouTubeがありましたので貼っておきます。
    https://www.youtube.com/watch?v=G98rk06HACg

    次の”女傑の生涯”は、チェロ四重奏団のお嬢様方の紹介YouTubeがありました。
    https://www.youtube.com/watch?v=XOM6c6k5sYY
    オーディオマニアへの挑戦状と聞くと興味津々です。

    byヒジヤン at2020-09-28 20:01

  2. Orisukeさん、今晩は

    Orisukeさんならではのセレクションのチェロですね。まず配信で聞いてみましたが、夏の疲れがでてきて、ちょっとけだるい感じだったわが身に元気をもらった感じがあり、気に入ってしまいました。でもどことなくユーモラスな雰囲気もあって。。。2枚とも録音も良いし、ハイレゾ版を入手しました。

    The Russian Albumの演奏は、確かにパワフルで情熱的な歌いっぷりも感じられましたが「繊細でロマンティック」な感じの方が私は印象として強く残りました。
    女傑の生涯の演奏は、まさに「松ヤニが飛び散るが如き演奏」でした。でも愉しい感じも横溢していて、聞いていて飽きない印象でした。

    ご紹介ありがとうございました!

    byゲオルグ at2020-09-28 21:51

  3. ヒジヤンさん、今晩は
     
    Youtube動画のURL、有り難うございました。
    いま、見てみました。

    The Russian Album のマイクセッティングは、音からも感じましたが結構独特ですね。遠目に置かれているペアマイクの数が前後合わせて3組くらいあって、オンで直接音を拾っているのはチェロの前に置かれた銀色の一本(ヴィンテージマイクかな?)とピアノ横の2本です。この直接音を拾うマイク達も、Ken Yoshidaなどと比べると遠目です。これはミキシングが大変なんじゃ、と素人目に思いました。

    「松ヤニ女子」4名のYoutubeは、ドイツ語が全く理解できませんが(汗)、なんか愉しそうに会話していますね。あの過激な音の予兆は、Youtubeではかけらも感じられないですね。この盤、低音再生が上手く行き始めると、俄然、凶暴さを増してくる怖さがあります。お気を付け下さい。

    byOrisuke at2020-09-28 23:12

  4. ゲオルグさん、今晩は

    The Russian Albumの冒頭のラフマニノフは本当に繊細で良いですね。凄く感情が入った弾き方だと思うのですが、too muchにはなっていないと思いました。この辺、録音エンジニアの腕にも寄ると思うのですが絶妙だと思います。

    女傑の生涯は・・・実は我が家ではこれを大音量再生した翌日にサブウーファー駆動用のチャンネルデバイダーとパワーアンプが本当に壊れまして(涙)。もの凄い雑音がでてウーファーのボイスコイルも飛ぶ寸前まで行ったんですよ。まあ、2台ともそろそろ限界が近づいていたので、偶然かも知れないのですが・・・。

    いま、我が家の女傑(嫁さん)に見つからないように、コソコソと後継機調達作業をしています(大汗)。

    byOrisuke at2020-09-28 23:29

  5. Orisukeさん、こんばんわ。
    レビューの御礼のためログインしました。

    女傑の生涯/Kolophonistinnen、我が家でヘビロテしています。
    Spotifyから移行しつつあるDeezerのストリーミング音源で鳴らしていますが、意外にも女房子供も気に入ったようです。
    こんな荒っぽいクラシックは聞いたことがないと思いましたが、昔、Led Zeppelinというハードロックバンドがありました。彼らの音楽性に一番近いと思います。
    素晴らしい音楽を教えていただき、誠にありがとうございました。

    byflyingnote at2020-09-30 21:19

  6. flyingnoteさん、今晩は

    女傑の生涯、ご家族で気に入って頂けたとのこと。とても嬉しいです。ツェッペリンに近いというご指摘、ハッとしました。感覚的にはそういうところがあるのかも知れません。ハードロック的ですね、これは。

    十全のテクニックと柔軟な音楽性をもって、クラシックの「型」をぶち壊していくような流れ、思いっきり応援したいです。

    けれど、くれぐれもJBLのウーファーを飛ばされませんように。

    byOrisuke at2020-09-30 21:59

  7. Orisukeさん

    ダイナミックな緩急と陰影、ノイズを手玉に取り崩れそうで崩れないサーカスのようなバランス感覚、聞き手を翻弄するユーモア、そういうスピリットがツェッペリンのようだと思いました。なかなか無いと思います。魂を揺さぶられる気がするような音でした。

    そちらのシステムも、どうぞお大事にしてください。

    byflyingnote at2020-09-30 23:01

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