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オーディオに興味を持ってからいつの間にか35年。 波はありましたが、細々と続けています。 この趣味って奥が深くて本当に面白いですね。 <現有システム> CDプレイヤー:PRIMARE CD…

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オープンバッフル2wayプロジェクト②(ウーハーの選定)

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2019年02月17日

海外の自作スピーカー関連の掲示板で「オープンバッフルに慣れてしまうと、普通のスピーカーに戻れなくなる」という人をよく見かけます。
その理由として、低音の質を挙げる人が多いようです。

・真横、上方向において低音のキャンセルが起こるため、低域が早く収束し、部屋の癖が出にくい。
・ボックスによる癖が少ない。
・空気バネによる制動が殆どない。

等の理由があるようです。
空気バネについては、浮き輪やボールを思い浮かべてみれば良いでしょう。小容量に閉じ込められた空気の持つバネの力はかなり強力です。

以上の要因から、最終的な結果である聴感においては、「速く、ドライな低音」と聴こえる人が多いようです。

私は3ヶ月前くらいから、LX521のトップバッフルのみを使用して、22W4534と10F8414の2wayで普通に聴けるオープンバッフルスピーカーが作れないか実験を続けて来ました。

で、その実験でわかったオープンバッフルの大きな弱点は、最低域の物足りなさでした。
そう、22w4534のように、バスレフ用に設計された普通のユニットをオープンバッフルに使用すると、電気的補正でもどうにもならない明らかな低域(60Hz未満)の減少が見られるのです。

私はせめて35Hzまでははっきり聴き取りたいのでこのレンジでは全く満足出来ません。
(ただ、それさえ除けばかなり見どころのある、軽く、速く、空気と親和したような独特の質感の低音が聴くことが出来ましたが)

今回のプロジェクトのように、単一アンプで、イコライザ不要のオープンバッフルスピーカーを作成しようとするとき、上記の宿命的な低域の問題を回避しなければなりません。
その為に、22W4534は諦めて、他のウーハーを選択する必要があります。
この場合、デザイン、音色、質感なんて二の次です。まずはスペックです。

************************************************

少しだけずれますが、圧倒的CPで人気となっている新進気鋭のガレージメーカー、tekton designのOB sigmaを紹介します。



このスピーカー、オープンバッフルの背後にバスレフスピーカーを配置しています。この背後のバスレフスピーカーの目的はオープンバッフルに設置したウーハーの背面の低音を、近接したウーハーの前面の音でキャンセルし(cardioid特性の実現)、同時に前面に開口したバスレフで最低域を補償するというものです。オープンバッフルの欠点を巧みに解消した、シンプルかつ素晴らしいアイディアと思います。
※ユニットもseasの割と廉価なものだったので今回こいつのレプリカを作ることを真剣に悩みました。

************************************************

話を戻します。

オープンバッフルスピーカーにまともに鳴ってもらうために必要となる理論は下記の2つのサイトに詳しいです。

Linkwitz Lab(http://www.linkwitzlab.com/models.htm
Music and design(http://musicanddesign.com/tech.html

私みたいに純粋文系で数学が苦手な人は数式はすっ飛ばして、手法だけ理解頂ければ十分です。



これは、Linkwitz博士手書きによる低域補償の概念図です。
オープンバッフルは最低域に向けて音圧が-6dB/Octでどんどん減っていく特性となります(落ち始める周波数はバッフルのサイズと形状に依存)。
であるならば逆特性の信号をウーハーに突っ込めば、フラットになるじゃん?という考え方です。

LCネットワークでこの問題を回避するためには、(ブーストは不可能なので)、反対に上の帯域の音圧-6dB/Octで落とすという事になります。
つまり、実際にはかなり大きな値のコイルを1つウーハーにかませて、一次ローパスフィルタを作るということになります。コイルの値は例えば8オームのユニットならば20mH前後、4オームのユニットならば10mH前後という値です。(これで約100Hzクロスになる)

ところが、そもそもユニットに最低域を出す力がないと、無い袖は振れません。それには最低共振周波数(f0)が十分低いことと、その最低共振周波数における音圧が高いこと、悪くいえば“最低共振周波数における制動(Qts)がきいていない”ことが必要となります。箱の工夫で最低域を持ち上げることはしないので、ユニット以前でなんとかしなさいという考え方とも言えます。

ウーハーに求められるスペックは、おおよその数値では、f0が35Hz以下、Qtsが0.6以上ということになります。

また、最終的なシステムとしての能率が75〜80dB等になってしまうこともあるので、もともと低すぎる能率のものも適合しません。

Loudspeaker Databaseという、スピーカーユニット検索のための優れたホームページがあります。
ここでf0が35Hz以下、Qtsが0.6以上でスペックを絞り込むと、かなりのユニットが削ぎ落とされます。有名かつ非常に優秀なseasやscanspeakのユニットは全滅してしまいます。

駆動力の高さはQtsの低さに結びつくので、一般的な良いスピーカーユニットの条件である、磁石が強力で振動板の軽いユニットはここではじかれてしまうのです。
検索に残ったユニットも純粋なサブウーハーであれば今度は仕上がりの能率が下がり過ぎて2wayには使えません。

つまり、力がないのに重い物を動かそうとしてヘロヘロするような、でも中域のレベルもそんなに低くない、そんなウーハーがオープンバッフル向きなのです。
(ブーストが自由にかけられるアクティブ駆動方式では話が別です)

ユニットフェチの人は、“こんなスペックのユニットからまともな低音を聴くことは出来ない”と思うでしょう。
しかし、強力な空気バネが存在しない分、共振や共鳴を使わない分、結果的には腰砕けにならずクリーンな低音が放射される仕組みなのです。

では色々調査した上での私なりに考えたウーハーのオススメを幾つかあげておきます。

VisatonのWS17E、20E、25E
→日本で安く購入可能です。Visaton自身が設計したオープンバッフルスピーカー(NoboxBB、Nobox170、GrandOrgue等)もかなり参考になります


Nobox170は低能率ながら22Hz(-10dB)を出力可能です

・Goldwood 1858
→有名なM.J.King氏がHフレーム式オープンバッフル(バッフルの前後に翼があるタイプ)でJX92とこのウーハーを組み合わせました。
http://www.quarter-wave.com/Project08/Project08.html
46cmウーハーが置ける部屋ならば良いかも。安いですし。

・Eminence Alpha15A
→これを使用したKing氏の作例はもっとも作成者が多いオープンバッフルスピーカーテンプレートかもしれません。
http://www.quarter-wave.com/OBs/OB_Theory.html



fostexとの組み合わせが嬉しいです。

・GRS 15PF-8
→manzanita audio にて使用。
https://manzanita-audio.com/manzanita-cv
とにかく安い38cmウーハー。日本では一本8000円ですが、パーツエクスプレスだと一本3000円くらいです。

・Carver AWP-1220
ケンさんから教えて頂きました。12インチながら、Qtsが高く、f0が低く、能率も低過ぎず、xmaxも十分で、値段も安いという、なかなかオープンバッフル向きのユニットです。



(現時点ではOut of Stockです)

・PureAudioProject OB-A15neo
→エミネンスがAlpha15Aを改良してPureAudioProjectに提供したオープンバッフル用ユニットです。
http://www.pureaudioproject.com/product/15inch-open-baffle-bass-woofers/
ネオジウム使用。二本で400ドル。



・Acoustic Elegance Dipoleシリーズ
→オープンバッフル用ウーハーとしては最高峰。
http://aespeakers.com/product-category/dipole/
美しく、かつ豊富なユニット群。各種オプションが付けられます。



Kryron Audioのデザインも凄いです

・SB Acoustics SB34NRX75-16
→今最も勢いのあるユニットメーカーが、最近突然発表したオープンバッフル用34cmユニットです。
http://www.sbacoustics.com/index.php/products/woofers/nrx/12-sb34nrx75-16/



妥協が悪だと考える人ならば、オープンバッフル専用設計で造りも頑丈な最後の3つうちのどれかが良いと思います。特にSB 34はサイズも少し小さいですし使い易そうです。

私は、コンセプトを守って兎に角安く作りたいのでGRSを使用する予定です。GRSについては本当に安いので、音を出さずにオブジェ的に購入する人もいるそうで。
安物買いの銭失いになりそうでもありますが、あんまり気にしないことにします。

※すでにお気付きの方もほんの僅かいらっしゃるかもしれませんが、このスピーカーを構築していくうえでの基本的手法は、とある掲示板のスレッドを踏襲したものです。
正確に表現するならば、スタンド使用のオープンバッフルを探していたところ、このスレッドに辿り着き、私の理想と方向性がほぼ同じだったので、その成果をフォローさせて頂こうと考えました。実はGRSもそのスレッドで知ったユニットです。

掲示板:DIYAUDIO
スレッド:Fast, fun, Inexpensive OB project

10年以上続いたスレッドですので、その叡智を寸分違わずコピーするというのは1番失敗がないとは思います。
しかし、私はデッドコピーはしたくない性分なので、失敗は覚悟の上で、それなりに手を加えていく予定です。

次は中高域用ユニットについてです。

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レス一覧

  1. こんにちは

    貴重な情報、有り難うございます。

    Kryron Audio、格好いいですね。
    金属フレームがマグネット裏を押さえ込む作りが素晴らしいです。

    アコースティックエレガンスは、「ウーファー屋」ですか。ダイポール専用ユニットがこんなに豊富なメーカーは見たことありません。

    我が家の低音は、LPF+専用パワーアンプで各チャンネルFW208Nx2のスリットバスレフ箱で鳴らしています。これはこれで、可も無く不可も無くと言ったところなのですが、一度、きちんとしたオープンバッフルの低域というのを聴いてみたくなりました。

    byOrisuke at2019-02-17 13:29

  2. taketさん、こんにちは。

     色々調べられましたね。結構メーカ製でもオープンバッフルはあるものですね。

     私も10年ほど前「raspberry色の日記」のraspyさんの所で聞いたことがあります。多分国内でも古い方だと思いますが、一時オーディオはお休みだったのですが、ちょっとだけ再開されているようです。

     GRSの出来具合楽しみです。

    byケン at2019-02-17 14:42

  3. orisukeさん、こんにちは。

    私、オープンバッフルの低音て、長岡系だと思ってるんです。長岡氏がよく言われていた軽くて速い低音なので。
    AEのユニットなんてスキャンスピークの高級品より安いので是非。
    別アンプ駆動にしないと208ESRとは繋がりませんが、レベルさえ合えば良い組み合わせな気がします。

    bytaket at2019-02-17 23:52

  4. ケンさん、こんにちは。

    お金も行動力もないのでずっと調査だけしてました。妄想しているのが一番楽しいですね。
    GRS はフレームが弱過ぎて、よく歪んでしまうと聞きました。到着するまで結構不安ですね〜。

    bytaket at2019-02-18 00:01

  5. 平蔵さん、こんにちは。もしかして初めましてですかね。レスありがとうございます。
    平蔵さんの使用機器や環境など羨ましい限りです。
    その平蔵さんから、永久保存版という言葉を頂き、心より嬉しく思います。有難うございます。

    平蔵さんが、ムラムラを通り越して、実際に作りたくなるようなものを目標として、記事を続けたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

    bytaket at2019-02-18 00:18

  6. 平蔵さん、おはようございます。
    私はテイクティ社とは無関係ですよ。このメーカー、なかなか面白いアクセサリを開発しているので使ってみたいです。平蔵さんが沢山お待ちということは価格に見合った効果があるということですよね。
    ややこしいし読みにくいので、HN変えようかなと思ってから数年が経ちました(笑)

    bytaket at2019-02-18 11:04

  7. バットピュアさん、もといtaketさん、こんばんは。
    本当に読み方がわからんですよ。
    タケティー?
    テイケット?
    ハッキリしてください!(笑)

    どんどんマニアック路線に入り込んできて更に楽しくなってきました!
    シリーズ物日記は後からまとめて検索がしやすいようにする目的で私はタグを付けています。
    taketさんも是非タグを付けてくださいませ。

    byCENYA at2019-02-18 22:27

  8. CENYAさん、遅レスすいません。
    本当にHN変えますね。でも思いつかないんですよ~。
    タグは存在そのものを全くスルーしていました。
    早速つけさせて頂きました。有難うございます。

    bytaket at2019-02-26 20:36

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