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オーディオに興味を持ってからいつの間にか35年。 波はありましたが、細々と続けています。 この趣味って奥が深くて本当に面白いですね。 <現有システム> CDプレイヤー:PRIMARE CD…

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オープンバッフル2wayプロジェクト⑧(ネットワーク<1>)

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2020年02月15日

※例によって長いです。申し訳ありません。

以前に申し上げたように、当プロジェクトは自作オーディオ系巨大掲示板DIYAUDIO内で10年以上続くスレッド「Fast, fun, Inexpensive OB project」
https://www.diyaudio.com/forums/multi-way/110583-fast-fun-inexpensive-ob-project.html
に触発されたものです。

当初、このスレッドでは、ウーハーに Peerless SLS-P830669、トゥイーターにSEAS 27TDFCが使用されていました。現在ではクオリティを落とさず、より低コストを実現するため、各ユニットはGRS 15PF-8とPeerless TC9FD18-8に変更されています。 



オリジナルの回路図です。

この中で特殊なのはL2とR1でしょう。通常この回路はBSC(Baffle Step Correction)回路と呼ばれています(長岡氏はPST回路なんて名付けられていましたね)。
本来の目的はバッフル効果の望めないような小さなスピーカーに対する低域補償回路です。
このBSC回路を、中高域用のユニットに採用するのですから特殊な使い方といえます。

私は誰かの設計したもののデッドコピーは面白くないと思っていて、まずは、VifaをMark Audio Alpair5V3に交換することにしました。

当初は上述のVifa TC9用ネットワークをAlpair5用に変更するだけでうまくいくと高をくくっていました。要は8オーム用に設計されたネットワークを4オーム用に組み替えて少し微調整すれば簡単にゴールに辿りつけるものと考えていたのです。

ところが簡単ではありませんでした。低域と中高域がうまく混ざらず、常に違和感がつきまとうような印象を受けたのです。もしかしたらダイヤフラムの素材の違いが出ていたのかもしれませんし、スピーカーの大きさに比して近すぎるリスニングポジションも影響していたのかもしれません。

そこで全部白紙にして1から考えることにしました。
試行錯誤の全てをここで綴っても誰の役にも立たないので項目だけ列挙します。
・両ユニットへのインピーダンス補正の有無
・クロスオーバーを約200Hz~1kHzで可変(レベル可変も含む)
・電気的クロスオーバーを1次と2次で比較。或いは1次と2次の組み合わせ。
・極性



ポイントはウーハーの中高域の扱いでした。
この測定結果をみると1.2kHzから3kHzにある山(恐らくウーハーの分割振動)は忌むべき存在に思えます。まず、これを切らないと話にならないと判断しました。
この山を潰す方法として、直列のLCRをウーハーに並列に接続する方法(Parallel Notch Circuit)、インピーダンス補正(Zobel)をかけてコイルの効きを高める方法、素直に2次を使う方法、ローパス用のコイルにコンデンサと抵抗を並列に繋げる方法(troels gravesenさんがよく使うやつです)などがあります。
これらを全部試してみました。

ところが状況は変わりませんでした。周波数特性的には大きな問題は起こりません。むしろ好ましい方向に変わりました。しかし、音の方が悪化しました。音色が暗く、重く、音離れが悪くなってしまいます。特性がよくても音が悪くては意味がありません。

そこで、逆の方向でネットワークを再構築することにしました。クロスオーバーを高めにとり、ウーハーから出る中高域をあまり潰さないことにしたのです。
この過程で、GRS 15PF-8の中域の質が、期待していたよりも良いことに気付いたのです。
“15インチウーハーの中域なんて汚くて聴けたもんじゃない、ましてや一本35ドルの安物ユニットだし“という先入観がチューニングの邪魔をしていたのでした。

ウーハーだけを鳴らして、それなりに聴けるバランスを作ることから調整し直すことにしました。そこで、最終的に採用したローパス用コイルの値は13.3mH(10mHと3.3mHの直列)になりました。オリジナルの設計では20mHが推奨されていましたから随分とローパスを緩くしたわけです。

そこにAlpair5V3の中高域を乗せていきます。
(Alpair5V3は、ワイドレンジTWとして考えた場合、手持ちのScanspeak 10F/8414よりも数段優秀でした。何より音場の解放感が心地よいです。高域の質感にはフルレンジユニットの限界を感じますが)

ここも様々なネットワークを試してみましたが、結論だけ言うと抵抗一本、コンデンサ一本だけでバランスがとれることが分かりました。JantzenのSuperior Z-Cap 8.20μFというAlpir5V3とほとんど同価格のコンデンサが遊んでいたので、これをなんとか使えないかと考えた苦肉の策でした。レベルを落とすための抵抗は6.8オーム一本です。

こうしてようやく音がまとまって来ました。
スピーカーが眼前にあるにも拘わらず、存在感が消えて、音がその向こうの空間で鳴っているかのような、現代オーディオのようやくスタートラインに立つ状態になりました。



これが一旦落ち着いた状況での周波数特性です。音響的クロスオーバーは約600Hzです。電気的には1次フィルタですが、音響的には2次フィルタであると言えます。
周波数特性で音の良し悪しなんてよく分かりませんが、少なくともいびつな設計ではないことが証明できたとは思います。



これが回路図です。
オーソドックスな2WAYのクロスオーバーに見覚えのある人であれば、8Ωのウーハーに13.3mH、10.8Ω(ユニット4Ω+抵抗6.8Ω)のトゥイーターに8.2μFで繋がるわけはないと思われるかもしれませんね。ちなみに両ユニットの電気的クロスオーバーが離れているので中域におけるインピーダンス上昇が半端ないです。DFが低いアンプでは中域が持ち上がると予想します。

回路図のようにAlpair5V3は逆相で繋げています。正相にするとクロス付近が落ち込み、音も良くないです。ウーハーとトゥイーターのアライメントには約15cmの開きがあります。Step responceでも16cmくらいの距離差が観測できました。
ただ、聴感上、低域の遅れが気になることはありません。まぁ、私はもともと各帯域のタイムアライメントを揃えることにはそんなに拘らなくて良いと考えてはいますが。

次回は、直列型ネットワーク2種の実験です。

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