日記
2008年07月14日
伝説を身近に置きたくて
実はきっかけは、そねさんさんのお部屋に伺ったことでした。そこに、それはあったのです。
「ああ、これが......。」
そうRogers LS3/5Aです。うわさには聴いていたし、いろいろなところで言及されてはいるけれど、実物を見たのは初めてでした。音は聴かなかったのですが、その姿は心に残りました。
さて、時は流れて昨日。いつものように某店6FのAさんとお話しているとLS3/5Aの話になりました。各インピーダンスでの音の違い、背面のターミナルの違い、定番スタンドとして使われたKAN2のことなどなど。お聞きしていて思い出しました。たしか、隣のお店の5FのこちらもAさんのところに中古が出ていることを。行ってきます! と告げてお隣へ。
「お! いらっしゃい!」と声をかけていただき、軽く挨拶をしてから、LS3/5Aをしげしげ眺めていました。
「LS3/5Aは聴いたことあるでしょ?」
「実はないんですよ」
「ああ、それじゃあ」
といって、ホイホイという感じで、アンプをつなげていただきました。プリアンプはアンブロジア、パワーはボルダーの850だったかな? そして流れてきた音は......や、やばいです。まず浮かんだのは、以前ここで聴かせていただた、アルテックのカーメルのこと。上も下も出てるはずがない。なのになんでこんなに説得力があるの? なんでこんなに聴いていて楽しいの? そして、いったい今のハイファイってどういう意味があるの? と考えさせられたスピーカーでした。自分の手元におきたいなぁと思いはしたのですが、結構大型であるため諦めました。もちろん、LS3/5Aはカーメルとまったく同じ音であるわけではないのですが、その説得力では比類するものを感じました。そして、まずいことにこの大きさなら、手元に置くことが可能なのです......。
しばらく、聴き入って、振り向いてAさんに向かってこういいました。
「これ、買います......」
もう抵抗出来ませんでした。自分の部屋にある姿が脳裏に浮かんじゃったんですもの。
「え?! そういうつもりで聴いてもらったわけじゃないんだけど、ありがとうございます。」なんていわれちゃいました(笑)。そして、雑談をしつつ、梱包していただき、お店の入り口まで見送っていただくと、今度は元のお店の6Fへ。
「LS3/5A、買っちゃいました!」と報告すると、そこにはビンテージに一言ある常連のFさんもいらして、じゃあ、ここでも聴いてみようという話に。とりあえず、近くにあった、アンプにつないでみると。「なかなかだねぇ」という感想。ここで、もっと背面の壁から離したほうがいい、というFさんの助言があり、実際離してみると......「いいねぇ!!」と3人顔を見合わせる音が。この小ささ、そして古いスピーカーとは思えないスケール感と伸び伸びとした音が出てきました。
次はウエスギのパワーアンプにつないでみようということになりました。7Wの真空管パワーアンプに、15オーム、能率82.5dBのスピーカー。果たしてどうなるかと思っていると......朗々となります。もちろん、上が凄く伸びているわけでもないし、地響きがする低音もありません。しかし、これでいいと思わせる歌心みたいなものがあります。Queenとかかけると歌声が迫ってきます。Fさんが、元々つながれていた大型スピーカーを指差して「これ、要らないね」と笑っていました。僕は要らないとは言えませんでしたが、賛成できなくもないジョークでした。
と、ひとしきり楽しんで、持ち帰ってきました。さっそく、今まで使っていたサブシステム用スピーカーをはずして、つないでみたのですが......え......なにこれ......。なんか紙っぽいぺらぺらした音です。明らかにウーハーがなってません。球の種類は違えど、真空管で、それもこちらの方がウエスギのものよりも出力が大きいのにどうして......考えてみて気がつきました。ウエスギのアンプには16オーム負荷の接続がありましたが、このアンプには8オームと4オームの接続しかなく、8オーム負荷でつないでいたのです。これが原因かもしれません。
悩んでいてもしょうがないので、他のアンプをつなぐことにしました。といっても選択肢はあまりないので、しばらくテレビ用に使用していたPRIMAREのI21をつなぐことにしました。
と簡単に書いてますが、アンプ3台(モノラルなので2台ある)を移動って、もう汗だくですわ。これで報われなかったら、どうしようと思えてくるぐらいでして。
接続を終え、ウォームアップを30分くらい。その後、音を出してみると......おお! これです! この音です! もちろん、6Fで聴いて音とも、5Fで聴いた音とも比べうる音とは言えないかもしれませんが、あの説得力が戻ってきました! やった、汗だくになった甲斐があった。
そういうわけで、GT-2000につづいて、語り継がれるオーディオ機器が手元にやってきてくれました。大事に使っていきたいと思います。
レス一覧
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こんばんわ、ファウです。
ご購入おめでとうございます。昔聴いたときは仰られているように説得力、声の質感が非常に良かったと記憶しています。昔のイギリス製の良い面(と言っていいのかしら)が滲みでているようです。
気持ちよく音楽に浸れるものが加わったようでなによりです。読んでいてこちらもうれしくなっちゃいました。
byファウ at2008-07-14 23:41
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先生、ヴィンティージの世界へいってしまうのですね。(笑)
「現代の洗練」と「アンティーク」の狭間で右往左往している先生の姿が〜(笑〜)
先生と比べるべくもない、貧相な経験しかありませんが。。。
小生も今のSP使う前はDIATONEフルレンジ一発で鳴らしてました。
JAZZもROCKも。。。特に不便は感じませんでした。
特に50〜60年代のJAZZとかは今のSPより良かった気がします。
。。。ご免なさい。Rogers LS3/5Aもフルレンジ一発なんですか?(笑)
byウラキンスカイウォーカー at2008-07-14 23:49
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おおお!いいスピーカーを買われましたね!
中古で出ているの、僕もみました(笑)。
新たな楽しみを手に入れて、羨ましい限りです。
しかしどんどん増えますねw
実は僕も、おそらく来年になると思うんですがアンティークの(というにはごつずぎる)スピーカーを譲って頂く事になっているんです。
おそらくとんでもなく使いこなすのが(置くのが?)大変なスピーカーなので、今からどうしようかと思ったりしているのですが。
明日からいい音楽が聴けるといいですね!黒川さんの喜び(と汗)が伝わってくるようでとても微笑ましいですね!
by7 at2008-07-15 00:09
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Rogers LS3/5Aですかー。
なつかしいですねー。昔は高くてとても手が出ませんでしたが、適切な音量で試聴すると何とも言えないいい音がするんですよね。
こいつでサブシステムを組んでじっくり音楽に浸れたらいいでしょうねぇー。
byMac_cel at2008-07-15 01:04
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LS3/5Aかぁ。素晴らしい選択ですね。
やはりKefでもハーベスでもなくRogersなんでしょうねぇ。
かっこいい!!
これがサブとはすごい環境ができそうですね。
次はサブ用の真空管アンプ。
やはりウエスタンの300Bですかな。。。。
byタイガーマス君 at2008-07-15 01:43
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おおっ。羨ましい。
サンバレーからコピーモデルのキットが出ていたんですが、最近廃盤になりました。残念。理由は本家から復刻版が出るから。復刻版はぼったくり価格。キットは一度注文してキャンセルしたんですよ。ゲットしておけばよかったかな~。
結構鳴りにくいスピーカーらしく、サンバレーの店長日記でもプッシュプルのアンプを推奨されていました。黒川さんがシングルと接続されてうまく鳴らなかったのと同じ経験をされた方が大勢いらっしゃったみたいですね。
実は自分もイギリス製ビンテージものが手元に・・・。これはヤフオクで安かったのでゲット。これ聴いちゃうとハイエンドなんて・・・と思ってしまう。ヤバイです。
>タイガーマス君さん
ウエスタンの日本への入荷は長いことストップ状態らしいですよ。もう当分出てこないらしい。自分は中国球で十分ですけど。
byfreestyle at2008-07-15 02:18
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黒川さん こんばんわ。
うたた寝してしまい目覚めてフッと拝見したところで自分の名前が
ムッムッ…。「語り継がれるオーディオ機器」、フ~ん…。
あの時、黒川さん、そんな素振は微塵もお見せになりませんでしたよね~。
何十年?か前にたまたま購入し単に持っているだけ、という無自覚者ですが、
日記を拝見しチョット良い気分になりました。
byそねさん at2008-07-15 02:57
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Rogers LS3/5Aですかー。
なつかしい・・・
このSP、私がオーディオ店で初めてバイトした頃、お店に中古が置いてあって、毎日聴いていました。
このSPでのギターサウンドは、秀逸ですよぉ・・・。
コイツはアンプによってすっごく鳴り方が変わるSPですよねー。
私も何個かのアンプを切り替えて聴いたことがありますが、薄ーいぺらい音になるときも有るし、凄い迫力で鳴る時も有りました。
説得感のある音というのは正鵠だと思います。
パッと見、めちゃくちゃフツーの作りですもんねぇ・・・
そういえば、その時も私の一番のお気に入りセットだったのは、上杉(モノ真空管)だった気がします。
とても高くて買えず、忘れていましたが、色々思い出しました・・・。
もうアレから10年も経つのかぁ・・・。
by凛吏 at2008-07-15 09:29
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RopgersのLS3/5Aですね!!
導入おめでとうございます。m(__)m
LS3/5A、持ってはいないですが、好きなSPの一つです。
これでイイ!!と思わせる説得力もありますし、小型SPとしては外せない一品の一つですよね~~。
それにしても、小型SPへ合わせるアンプってホント難しいと思います。^^;
大事にお使い下さいませ~~。(^^)v
byさもえど at2008-07-15 12:51
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少し前にAS相模原で今度Rogers LS3/5Aが入荷するんですと
うれしそうに話してました。
新しいのは高いですね。
bymori at2008-07-15 14:55
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うわ! こんなにレスをいただいてしまった。皆さんのお気持ちがうれしいです。本当にありがとうございます。どうぞ、今後もよろしくお願いいたします。
>Powariさん
拙文から、少しでもよさが伝わったとしたら、幸いです。本文中でも書いていますが、あの時、カーメルを聴いて以降、オーディオに対しての意識が、かなり変わりました。人の心を動かすのは、スペックではなくて、音楽に対しての製作者、そして聞き手のありようなのではないかと思っています。
>ファウさん
以前、読んだ「風の男 白洲次郎」という本にこんな文章がありました。
「白洲が親しい人々に英国人というものを語るときに度々披露したエピソードに次のようなものがある。約十年間の戦争をはさみ、訪ねることができなかったロンドンの「ワイツ」というクラブのバーに入ると、店のたたずまいも雰囲気も大戦前とまったく変わっていない。ボーイ達も同じ顔ぶれである。しかし、彼らは白洲が店に入ってなつかしそうに顔を見ても、白洲を忘れたかのように立ち働いている。椅子座って白洲が溜息をついていると、ボーイが昔いつも白洲が注文していたウィスキーをテーブルに置き、白洲の顔をのぞき込み、初めてニッコリ笑って片目をつぶってみせた。」
これみよがしでない、でも、心に染み入ってくる。これが英国のよさでありますよね(笑)。
>ウラキンスカイウォーカー師
このスピーカーは2wayです。今よくある、2wayのスピーカーとの違いは、密閉型であることと、インピーダンスの高さ、能率の低さでしょうかね。
ビンテージであるか、最新鋭であるかにこだわる気はないんです。このスピーカーが導入されたサブシステムも、音源がPCであったりするんですよ。問題は、やっぱり、それをどう聴くか、なんでしょうね。作者と対話出来そうなスピーカーは、やっぱり持っていてうれしいです。
>7さん
本当ですね、増えすぎですよね。おかげで財布の中身は減りすぎです(笑)。
お? ごついスピーカー? ウエストレイクかな? JBLかな? それともエクスクルーシブ? いずれであっても、手ごわいと思います。使いこなすべく、お互い精進いたしましょう!
>Mac_celさん
大音量派には向かないスピーカーだと思います。でも、この精緻さと、バランスの良さには夢中になれる魅力がありますね。この製品を手元に置けて幸せです。
>タイガーマス君さん
いやぁ、選択というか向こう見ずというか、勢いで導入しちゃいました(笑)。実は、サブ用のスピーカーにはハーベスも検討していたのです。あるところで、密閉のスピーカーを聴いて、その良さも感じていたものですから。
球のアンプですか? このスピーカーを鳴らすとなると、かなり上質なものじゃないとつらそうな気がします。30万円台になっちゃうんじゃないかなぁ。とりあえず、プライマーとの相性は良いようなので、これで推し進めてみたいと思っています。
>freestyleさん
復刻の価格はどうなんでしょうね。今、イギリスで、ロット数に見合った価格にしようとすると、あの価格になるのかもしれないですね。実物を聴いていないのでなんとも言えませんが、見た目はずいぶん現代的になったように思えます。
つないでみた真空管アンプはKT88のプッシュプルなのですが、それでもダメでした。このスピーカーのアンプ喰いさを思い知るとともに、上杉のアンプの駆動力の高さも思い知らされました。Signature Diamondなんかも平然と鳴らしちゃいますしね。
>そねさんさん
だって、ピエガのメーンシステムを差し置いて、夢中になるわけ行かないじゃないですか(笑)。でも、あの体験があったから、今回にいたったのだと思います。なので、そねさんさんには感謝とともに恨み節も(笑)。
>凛吏さん
ギター、ボーカル、意外と弦も凄く良いですね。そして、フルートなども泣けてくるくらい心に響きます。
プライマーのアンプは電源が充実しているので、やってくれるのではないかと思ったのですが、思ったとおり、やってくれました。もともと、トールボーイを鳴らすために購入したアンプだったのですが、まるで、このために入手したように思えています。
すでに書きましたが、上杉のアンプは凄いですね。さすがというしかないアンプだと思います。
>さもえどさん
ええ、本当にこれでいいんじゃないかと思えてきます。これだけでも、通常はこまらないでしょうし、上質なサブウーハーなどを導入できれば、生半可なシステムでは太刀打ちできないと思います。
ああ、こうなると、同じく密閉、低能率のSL700がぜひ聴きたい。
>moriさん
新生LS3/5Aも、ぜひ聴きたいですね。近場だと、茂木さんのところにあるらしいので、聴いてこようかなぁとおもっています。
価格については、う~ん、やっぱりしょうがないのかもしれませんね。
by黒川鍵司 at2008-07-15 20:29
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先日から、醜態さらしまくってるので、お恥ずかしい音ですが、関西にお越しの際には是非。m(__)m
中心地の大阪からは、多少距離があるトコなので、上手くタイミングが合うと良いなぁ~~。
こればっかりは、持って出かけるワケにもいきませんし。ww
byさもえど at2008-07-15 22:19
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そうですね、持ち歩くわけにはいかないですものね(笑)。なんとか、都合を作って、お聴かせいただくことにしたいと思います。その際はよろしくお願いいたします。
by黒川鍵司 at2008-07-15 23:37
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お気に入り登録ありがとうございました。私は機器に関して全くといって良いほどオンチなもので、このSPがいかほど凄いものなのか分かりませんが、伝説的名機?なんでしょうね。
それにしても過去記事含めて黒川さんの文章力は見習いたいものがあります。今後ともよろしくお願いします。
byのりぞー at2008-07-20 10:13
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こちらこそ、ありがとうございます。
このスピーカーはいまだに人気があるスピーカーなんです。The Unofficial LS3/5a Support Site(http://www.ls35a.com/)なんてサイトがあったりするくらいでして。もちろん、数値上は最新のスピーカーたちに負けると思いますが、これでしかえられない音というのがあるようです。まだ、それに到達できるほど鳴らしきっていないのでなんともですが......。
by黒川鍵司 at2008-07-20 11:54
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