パグ太郎
パグ太郎
クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
パグ太郎の部屋
持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
10数年愛用したアンプが逝ってしまったので、久々の機器更新をしました。
所有製品
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル
  • 電源ケーブル
    KIMBER KABLE PK-10Gold

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日記

一枚のチェロを弾く男の写真

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2017年08月11日

一枚の白黒写真があります。

男性が椅子に座り、こちらに背を向けています。よく見ると左肩からチェロのヘッドがのぞいていますので、右ひじを張っているのは弓を構えているのだなということが想像できます。この写真の印象を言うと、「喧騒には背を向け、一人孤独に、光に向かう、力強さ」というようなことばになるでしょうか。

これは、トルコ生まれのアルメニア系カナダの写真家、ユーサフ カーシュが撮ったパブロ カザルスのポートレートです。こんなポートレートは見たことが無いです。なにせモデルが背を向けていて誰だかも明示していない、でもモデルの本質を突いている。好きな写真作品の一つです。

何を弾いているのかといえば、絶対にこれでしょうね。

この演奏や録音については、私がここに書き加えることは何もありませんが、この写真を見ているとこの演奏が聞こえてきそうではありませんか?

写真家は、そのモデルの一般的・社会的なイメージをポートレートに投影し、その人らしさを「演出」するのか、それとも対象となる人から、その人の内面の本質を引っ張り出して来て、ポートレートに焼き付けるのか? 後者のほうが、アーティストとして格好が良いのですが、彼の肖像写真は、各モデルのイメージに余りに嵌っているので前者ではないかと疑いたくなるほどなのです。

カーシュは、他にも音楽関係では、シベリウス、コルトー等などの有名な写真を残しています。それ以外にも、画家・彫刻家・映画、政治家、作家、科学者、スポーツ選手・・・著名人の肖像写真を数多く撮っており、カーシュとは知らずに、どれか一枚は目にしたことがあるはず。


さて、カザルスというと「鳥の唄」。鳥の声を描写する音楽の西の横綱は田園と、以前書きましたが、東の横綱はこれですね。

ホワイトハウスにケネディ大統領に招待された演奏会の記録。「私の生まれ故郷カタルーニャの鳥は、ピース、ピース(英語の平和)と鳴くのです」という彼の言葉はこの時のものではないですが、その心を伝える味わい深い演奏。互いに共感していたと思われる、ホストの若き大統領がダラスで暗殺されたのはその丁度2年後。今、この理想主義の対極の考えの持ち主が同じ建物の主になり、国の内外で対立を煽っています。あの世のカザルスはどう思っているのかしら。

それはさておき、この曲をヨーヨーマがコンセルトヘボウ管弦楽団のチェロパート5人と協奏しているのを、NHK BS放送で観たことがあります(コンセルトヘボウ管弦楽団 2015オープニング・コンサート)。これは良かったです。アンコールピースで、オケメンバーと伴に演奏するというのも良いし、メンバーのソロに合わせて歌おうと言う、一人ひとりの表情も良いですね。

ヨーヨーマのバッハ無伴奏組曲。

演奏する楽しさ、幸福感が漲っていまする。そして、この曲の本来の姿である舞曲としての軽やかさ、リズミカルさが、全曲を通じて感じ取れます。そういう演奏の印象が強いので、音まで軽いと思いがちですが、このCDは低弦の沈み込みが再現できるかどうか、弦のうなるような響きと舞曲としてのリズムの切れが共存できているかチェックするのに最適なソースでもあります。

平和への希求が鳥の唄なら、幸福感漲るヨーヨーマの無伴奏チェロは、人間性への信頼回復の希望が歌われていると感じます。そういう信頼感なんて、もはや力を持たない空論だと思いたくなるようなニュースが世界中から飛び込んでくる日々にこそ、この曲の幾つもある名盤の中でも、この録音を選んで聴きたくなるのです。

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レス一覧

  1. パグ太郎さん、こんにちわ~♪
    素敵な写真に反応してしまいました(笑)
    チェロを弾く後姿は何ともいえない風情がありますね。
    私的にはこんなジャケット写真も好きです。

    https://www.etcetera-records.com/media/filer_public_thumbnails/filer_public/07/fc/07fc5b34-6872-4d15-aaec-6f71869a41e0/ktc_2006-2.jpg__1080x980_q85_crop_subsampling-2.jpg

    >低弦の沈み込みが再現できるかどうか、弦のうなるような響きと舞曲としてのリズムの切れが共存できているか

    ウチはメインSPが8cmフルレンジなので無理そうですね。
    どうりでマ~さんやカザルス親分のチェロが思うようなイメージで鳴ってくれないわけです。
    8cmでも低域が多めな音源は結構いけますよ。
    たとえば、、、
    ビルスマ、ガイヤール、クニャーゼフ、フィリピーニなんかはバッチリです(^^)v

    byspcjpnorg at2017-08-11 11:07

  2. spcjpnorgさん

    はじめまして。レス有難うございます。

    構成がそっくりな写真ですね。
    アレキサンダー ベイリーというチェリストは始めて知りました。
    YouTubeで見つけたので聴いてみます。

    チェロは帯域が広いので、当家ではなかなか思い通りにならないです。

    byパグ太郎 at2017-08-11 13:06

  3. パグ太郎さん

    この写真は有名なんでしょうね。私もどこかで見た覚えがあります。後ろ姿なのにすぐにカザルスとわかる…不思議な写真。カザルスの持つある種のオーラをよく伝えています。

    「私の生まれ故郷カタルーニャの鳥は、ピース、ピース(英語の平和)と鳴くのです」という彼の言葉が、JFKの面前で語られたかのように誤解している人も多いようです。一度、その誤りを指摘したところ逆ギレされて困ったことがあります。

    このスピーチは、ホワイトハウスコンサートの10年後にカザルスが国連デーに招かれ記念演奏会でなされたもので、当時、TVで録画放送をリアルタイムで見た私にとっては忘れがたいものでした。

    https://www.youtube.com/watch?v=3umVAHJNUKE

    このホワイトハウスコンサートの録音が日本でリリースされたのは、そのさらに2年後にカザルス死去の際にメモリアル盤として発売されたのが初めてだったはずです。それでそういう誤解も生じたのだと思います。

    カザルスのバッハ無伴奏組曲はSP時代の録音なので再生は難しいですね。我が家のレコードは、1950年代にEMIから「偉大な演奏」シリーズとして復刻されたLP盤です。子供の頃から、つい最近まで古い録音で盤質もよくないと決めつけていたのですが、数年ほど前から真面目にオーディオに取り組み始め、LPクリーニングなども試してみると、エネルギー感に満ちた素晴らしい音で鳴りだしてびっくり。一気にその演奏の本質が伝わるようになり、聴くたびに感動するようになりました。

    オーディオの不思議さ、秘めた力のようなものを知った録音のひとつです。

    byベルウッド at2017-08-11 13:30

  4. ベルウッドさん

    こちらもレス有難うございます。

    カーシュの写真で、有名なのは、やはり写真集のカバーを飾っているヘミングウェイや、口にくわえた葉巻を口からつまみとったカメラマンを睨み付けているチャーチル、最高に美しいオードリ・ヘップバーンあたりでしょうか。

    1908年生まれの彼も、アルメニア人弾圧のトルコの地から10代半ばで親戚を頼ってカナダに移住してきたという経歴の持ち主ですから、フランコ政権下で厳しい立場にあったカザルスと通じる所があったのだと思います。

    ピースと鳴くという台詞が語られた場所を記憶違いしている人は確かに多いですね。人間の記憶というのは、一回刷り込まれてしまうと、修正が難しいもので・・・・。

    カザルスの録音は私も、歴史的価値はあっても、音的には厳しいと思っていましたが、そうではないのですね。それは驚きです。機会があれば、是非聞かせていただきたいです。

    byパグ太郎 at2017-08-11 14:39

  5. パグ太郎さん

    いい写真ですね。演奏の緊張感が伝わってきますよ

    バッハの無伴奏を発見し広げた史上偉大な演奏家では
    ホワイトハウスコンサート CBSソニーの復刻盤で、いつ聴いても最後のカタロニア民謡で感動します。

    byいなかのクラング at2017-08-11 17:38

  6. いなかのクラングさん

    この写真に音楽を聴く人は、少なからずいるようで、こういう逸話があります。

    写真がボストン美術館に展示されたが、ある初老の紳士が毎日通ってきてはその前に立っていた。キュレーターが尋ねた。「なぜ常にこの写真の前に立っていらっしゃるのですか?」 彼はじろりと怖い目を向けて、こう注意した。「静かにして、お若い方、静かに--- 私は音楽を聞いているのですぞ」

    byパグ太郎 at2017-08-11 18:59

  7. 写真の撮影は現実をどう切り取って何を伝えるか、撮影者が知恵を絞って表現するものだと考えています。

    一枚の写真は高名な芸術家の絵画作品より重いものを表現している物があると思います。これはそういうものだと思います。

    今はアップルミュージックなどがあり、便利になりましたが、そういうものが無い時期は私は雑誌の評論やジャケットデザインで購入するソフトを決めていました。失敗も多かったのですが、いい思い出となっています。なかなか中身の音楽を買わない前に聴くのが昔は難しかったですね。せいぜいラジオがあった程度です。

    だからこそ、ジャケットに使われるアートワークは重要でした。ネットワークオーディオが中心となった今の自分のライブラリでもアートワークなしでは使用していません。時代は変わったようで変わっていないといったところですね。

    音楽は音楽データーだけで表現されるものではないと思います。もっと総合的な表現ではないかと今は考えています。

    byうつみくん at2017-08-11 20:50

  8. うつみんくん さん

    アーティストならではのレス有難うございます。

    そうですね、カーシュは、やはり本質を掴み取ることが出来る写真家だったのですね。今日一日、写真集の色々な作品を見直してみて、そう思いました。

    いくつかの日記にも書きましたが、やはり一つのレコードは、内容(曲の組み合わせや、その順番も含め)・ジャケットアート・解説冊子を合わせて総合的作品で、アルバムという言葉が自分としては一番しっくり来ます。そして今でも、この曲にこのジャケットが組み合わせた意図はなんなだろうと考えてしまいます。

    それは書籍でも、その内容そのものに加えて、活字書体・紙質・段組・装丁・カバーまで含めて一つの世界を作っているように思えます。

    ネットはそれが切り刻まれているのは、一抹の寂しさを感じてしまいます。また、書店やレコードショップで、それを手にとって、沢山の失敗を経ながら、当たり外れを直感的に見抜けるようになる、その感覚はネットの世界では希薄になっていますね。

    でもネットでの作品提供の形、選び取るためのスキルのあり方は、きっと新しい形ででてくるのでしょうね。

    そうは言ってもジャケ買いに美しい女性が登場するのは、何時の世も同じかもしれませんね(笑)

    byパグ太郎 at2017-08-11 21:43

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