パグ太郎
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クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

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パグ太郎の部屋
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6)。所有製品はHRS130ですが、製品DBに登録がないので、一番近いもので代替しています。 10数年愛用したアン…
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  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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ケルテスの「モーツァルト・オペラ・フェスティバル」、あるいは、お釈迦様の掌の上の名演奏について

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2017年12月16日

これまで何度か書いてきましたが、最近はまっているケルテス指揮の再リリース盤ですが、今回、モーツァルトのオペラ名場面集、それもルチア・ポップが登場という、絶対に見逃せない2枚組みCDが出ましたので、飛びついてしまいました。結論は、単純ですが、「タワーレコードさん、有難うございます」です。

先ず嬉しいのが、選曲。5大オペラ(フィガロの結婚、魔笛、コシ・ファン・トゥッテ、ドン・ジョバンニ、後宮からの逃走)の聴き所が、しっかりと揃って入っており、これらの全曲録音が残っていないケルテスのモーツアルト・オペラを聴いてみたかったという飢餓感を満たしてくれます。逆に、これを聴くと、なんで全曲録音させてやらなかったのだと、当時のデッカのプロデューサーに文句を言いたくなるのですが、それは無理な注文なのでしょう。

また、歌手陣が素晴らしい。録音時(1971年)32歳のルチア・ポップの若い、瑞々しい歌声、それもリリック・ソプラノ役どころが聴けるのが嬉しいです。有名アリアも当然、良いのですが、それにもまして、『フィガロ』のスザンナと伯爵の2重唱、『魔笛』のパミーナとパパゲーノの2重唱、『ドン・ジョバンニ』の「お手をどうぞ」の2重唱、『コシ』の「さわやかに風よ吹け」の3重唱など、単なるアリア集でなく「オペラ・フェスティバル」と銘打っているだけのことはある名場面の連続。モーツァルト オペラの真髄はアリアよりも、多声部の畳み込むようなアンサンブルだと信じている私には、非常に楽しめる内容です。欲を言えば、『フィガロ』の2幕のフィナーレの7重唱まで挑戦してくれても良かったのでは・・・・。

で、重唱が良いということは、他の歌手陣も充実しているわけですが、メゾソプラノはファスベンダー(32歳)、テノールはヴェルナー・クレン(28歳)、バリトンはトム・クラウゼ(37歳)、バスのユングヴィルトだけはベテランですが、その後、70年代・80年代にデッカを中心に活躍した歌手陣のデビュー当時の声を聞くことができる貴重な録音でもあります。

そしてケルテスの指揮。後期交響曲集でもモーツァルトの、歯切れの良い、生き生きとしたリズムで老練なウィーンフィルから、瑞々しい音楽を引き出していましたが、更に今回は、将来期待の伸び盛りというの若手歌手をそろえて、多少荒削りになるところはあっても、演ずることの楽しみ、勢いが聴き手にも伝わってきて、嬉しくなってしまう作品になっていると感じました。

ただ、落ち着いて考えて見ると、ケルテスがモーツアルト オペラの全曲録音を残せなかった理由が、この歌手の顔ぶれからも透けて見える様な気がしないでもありません。デッカのモーツアルト オペラと言えば、LPレコードの最初期、1950年のクリップス/ウィーンフィル(VPO)の『後宮』に始まり、その後、生誕200周年に向けて、前年の1955年に立て続けに録音された、E.クライバーの『フィガロ』、ベームの『魔笛』『コシ』、クリップスの『ドン・ジョバンニ』(いずれもオーケストラはVPO)という、とんでもない豪華ラインアップがあります。(1950年代の豪華ラインアップ)

それを70年前後に再録音する企画があっても、当時40歳になったばかりの若手指揮者を選べたか? 答えは否で、その大役を任されたのは、同じハンガリー出身指揮者のショルティで、『魔笛』(69年)、『コシ』 (73年)、『ドン・ジョバンニ』 (78年)、『フィガロ』 (81年)、『後宮』(85年)という遠大な計画が既に有ったのかもしれません。これに割り込めるのはカラヤンの『フィガロ』 (78年)くらいだったというのも、大人の事情が垣間見えるような気がしてなりません。(16年越しの大プロジェクト)

となると、ケルテスに残されたのは、新人歌手で元気の良さそうな連中と、オーケストラもウィーン・ハイドン管弦楽団(すみません、これは初めて聴きました)で、5大オペラのハイライトを2枚組みに圧縮して出すという選択肢だけだったのかもしれません。この録音が、そういう難しい事情をかいくぐって、世に出ることが出来たのだとすると、演奏できる事そのものに純粋な喜びを感じているような若々しい一途さが、更に切実に感じられて、感無量の思いがします。

という所で、この録音を世に出したプロデューサーはだれだろうと、確認したところ、デッカのオペラ録音を半世紀にわたって牛耳ってきたクリストファー レイバーンでした。(全てを差配したのは?)

彼こそ、世界初の『ニーベルグの指輪』スタジオ録音であるショルティ盤の製作スタッフの一員であり、先に列記したショルティの5大オペラも、カラヤンの『フィガロ』も、その全てをプロデュースした張本人です。この名前を見て、先ほどの「大人の事情」の想像は、全てはお釈迦様の掌の上という確信に変ったのであります。

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  1. ご紹介ありがとうございます。
    デッカのシリーズの中では、特にフィガロ 未だに エーリッヒ クライバーのCD が息のあったアンサンブルで 好きです。。 ヒルデ ギューデンも好きですが、ルチア ポップも聞いてみたくなりました。
    最近は クルレンティスなんてものもありますが、昔のウィーン国立歌劇場のものも 良いですね、
    映像ものでは ベーム フレーニ プライ などが出ているものも好みです。

    byKE2 at2017-12-16 19:04

  2. KE2さん

    レス有難うございます。

    > 未だに エーリッヒ クライバー

    そうですね。今でも、現役版としての地位を維持しているといえば、この録音ですね。私も大好きです。ベームは、マティスとヤノビッツの、「そよ風の2重唱:やさしい西風が今宵さやかに松の木陰に吹くことでしょう…」が絶品だったDGの録音が好きですね。映画「ショーシャンク」で使われたものです。

    byパグ太郎 at2017-12-17 02:12

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