パグ太郎
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クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6) 10数年愛用したアンプが逝ってしまったので、久々の機器更新をしました(2017/6)。
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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日記

思いがけない取り合わせに驚いて、和洋の歌姫の名人芸を考える

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2018年06月09日

音楽聴く時の私の悪癖の一つに、「珍しい組み合わせを見ると、つい手を出したくなる」というのがあります。どういうことかというと、普段、この演奏家はこういう人とは組まないとか、こういう曲は演奏しないと思っているようなものが目の前に出てくると、つい好奇心に負けてしまうのです。

そういう機会が多い演奏家の一人がシュワルツコップです。元々好きなソプラノ歌手で、この日記にも度々登場しています。彼女の通常のレパートリーは、やはりモーツァルトのオペラや歌曲、マーラーの交響曲や歌曲、R.シュトラウスのオペラや歌曲、シューベルトの歌曲、どれも気品があって色っぽい、そして華やか。歌詞の表現と歌いぶりとの絶妙な合わせ方は抜群。上に挙げたドイツ・オーストリアのオペラ・声楽曲は、彼女の声を通じて、その美しさ、楽しみ方を知ったようなものです。

逆に、イタリア・フランス物を演じている印象が殆ど無いのですが、その領域で、時々で先ほどの悪癖・好奇心を煽るような相手との録音を残しているのです。

先ずは有名な所か例から。

マリア・カラスと協演したプッチーニのオペラ「トゥーランドット」の全曲盤。

先ず、シュワルツコップがプッチーニというのも意外ですが、それより驚くのがカラスと協演。声質も演奏スタイル真逆、方や暗く重い声に激情を込めた演技、方や華やかな声で上品で貴族的な演技、これで二重唱が成り立つのか????

同じ『トゥーランドット』ではもっと驚く組み合わせの演奏があるのです。

「氷のような姫君の心も」のアリアを、何とベーム指揮のウィーン・フィル(VPO)の伴奏でスタジオ録音しているのです。
VPOでもカラヤンやジュリーニであればイタリア・オペラの録音は沢山ありますが、何とベーム爺さんです。まったくプッチーニの甘い旋律のイメージとはかけ離れています。その伴奏で、これまたプッチーニを歌うことなど無いと思われるシュワルツコップです。見つけたときには印刷の間違いではないかと、にわかに信じられませんでしたが、好奇心に負けて・・・。

これに比べれば、カラヤン・VPO伴奏での、『ジャンニスキッキ』の「私のお父さん」が普通に見えてしまいます。それ以外にも、数は少ないですが、『椿姫』、『ラ・ボエーム』、『蝶々夫人』などイタリア・オペラのアリアの録音が残っています。


さて、イタリアから離れてフランス物でも、フルトヴェングラーという意外な相手とベルリオーズの『ファウストの劫罰』を演奏しています。
先ほどと同じ構造です。シュワルツコップの声とベルリオーズの妖艶な音楽と、どのような化学反応を見せるのか、それだけでもそそるものがあります。更に、指揮しているのが、なんとフルトヴェングラーです。ベームとプッチーニ、フルトヴェングラーとベルリオーズ、どちらが距離感が大きいのか、甲乙付け難い所です。

こういうマニア受けしかしない録音を紹介するのは、本コミュニティの主旨ではないのは承知しております。でも、どのような曲でも、そこにシュワルツコップならではの歌い口があって、彼女がそこに居ることを強く感じます。でも、全てがドイツ歌曲風に染められているわけではなく、原曲の世界観が見事に表現されていて、その上手さは、個々のレパートリーを専門とする歌手以上ではないかとも思えることもあります。一芸に秀でた達人が、普段とは違う領域に越境した時の独特の個性と、それでもそのジャンルの持つ枠を外さない巧みな表現、そういったものに接した際の驚きは、名人の音楽を聴く時の大きな楽しみの一つだと思います。

先に挙げさせていただいた録音は、どれもマニアックな好奇心を満足させるという要素が多すぎです。彼女の本来のレパートリーの名演と、普段取り上げない曲の越境的名人芸が、程よく混じっている録音として、お奨めできるのはこれでしょうか。
ダニー・ボーイなどのアイルランド民謡やら、マルティーニやアーンのフランス歌曲、ドボールザークやチャイコフスキーの歌曲、どれもシュワルツコップの幅広い味わいを堪能できるかと思います。

で、最後に、自分も普段の偏狭な領域の壁を越えてみようということで、おまけです。

もう一つ、これと似たような体験をしたと言えば、美空ひばりです。彼女がジャズやポップスのスタンダードを英語で、それもライブで歌っている録音を聴いたことがあります。聴いた瞬間、その歌と表現の巧みさに驚かされました。それ以上に、単なる洋物のコピーではない彼女自身の個性・独自性があふれていることにも圧倒され、そうであっても、オリジナルのスゥイング感、ポップな明るさは適格に捉えて外していないことにも驚かされました(演歌もジャズも全くの門外漢の感想ですが)。あの録音が何であったのか、未だにわからないのですが・・・。

シュワルツコップと美空ひばり、この二人を聴くと、名人芸とはいかなるものか、それは洋の東西、ジャンルの枠を超えて共通な部分があるのだなと、改めて思ったのでありました。

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  1. パグ太郎さん

    こんにちは。相変わらずの引き出しの多さに感服です。
    Songs You Love、良いですねえ。Tidalで見つけて最後まで聴いてしまいました。シュワルツコップがこのような録音を残していたとは意外です。やれレンジだSNだと気にするのを一休みして楽しみました。

    byのびー at2018-06-10 06:05

  2. いつも面白い話題ありがとうございます。

    美空ひばりで印象に残っているのは トスカのアリアで題名のない音楽会で黛敏郎さん司会岩城宏之さん指揮指揮と思います。番組の永久保存演奏として 再放送されたものを録画していますが、すごいです。YouTube でも 出てますね。

    シュワルツコップはモーツアルト、ベートーベン、リヒャルトシュトラウスなど愛聴していますが イタリアオペラは 聞いたことがありません。
    カラスとのトゥーランドットも面白そうですね。Apple Music では聞けず残念。

    byKE2 at2018-06-10 07:10

  3. 前言訂正
    Apple Music で マリア カラスで検索すると セラフィン指揮のスカラ座版全曲出てますね。今聴いています。

    私の好みは リューにバーバラ フリットリ のメーター指揮、フィレンツェ祝祭が 紫禁城で撮影したDVDです。

    byKE2 at2018-06-10 07:32

  4. のびーさん

    レスありがとうございます。

    >引き出し

    そろそろ限界でございます(笑)。後半の展開など、今回は相当苦し紛れと自分でも思います。

    Songs You Love、気にいって頂いたのこと、嬉しいです。当方は、「やれレンジだSNだと気にするのは一休み」になる体験をどうしても求めてしまいます(オーディオ的な詰めの甘さの言い訳ですが)。

    byパグ太郎 at2018-06-10 08:08

  5. KE2さん

    おはようございます。

    美空ひばりのトスカ、YouTubeで早速、視ました。
    やはり、凄いですね。どこをとっても彼女の声と唄ですが、プッチーニが表現している情感の本質を見事に再現しています。普通のオペラ歌手でも、トスカの悲しみ、口惜しさ、助けを求める祈りの入り混じった複雑な心境を、このレベルで歌に込められる人は、ほとんど居ないと思いました。

    ご紹介、ありがとうございました。

    byパグ太郎 at2018-06-10 08:18

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