パグ太郎
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クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
10数年愛用したアンプが逝ってしまったので、久々の機器更新をしました。
所有製品
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル
  • 電源ケーブル
    KIMBER KABLE PK-10Gold

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日記

2台ピアノの描く極彩色の世界の魅力を並べてみると

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2018年06月13日

名の知れた管弦楽曲を、ピアノの連弾、あるいは2台のピアノで演奏するために編曲したものを見るとつい手を出してしまいます。先ず、ピアノという楽器の音が好きだということがあるのですが、管絃楽曲をピアノ編曲にすることで、音楽の骨格が綺麗に透けて見えてくる気がするのです。でも一台のピアノでは、表現の多様性やダイナミックさがどうしても失われてしまうこともあり、それが2台・連弾だとカバーできる幅が格段に向上します。それ以上に、複数の人間の合奏によってもたらされる、緊張感というのか間合いというのか、言葉にするのが難しい感覚が面白く、更にその相互作用から生まれる意外な展開や親密な語りなど、ピアノ独奏では得がたい類の音楽の楽しさが見えてくるのも魅力です。

そういうピアニストの代表格といえばアルゲリッチでしょうか。この日記でも良く登場するように、プレトニュフ、ババヤン、レスチェンコ、ラビノヴィッチ、キーシン......挙げていくときりが無いほど色々な演奏家と連弾・2台ピアノの演奏を楽しんでいます。ルガーノ音楽祭はそういう色々な組み合わせを披露する格好の場だったのでしょうね。でも、やりすぎて、ソロの録音を殆どしてくれないのは、逆に寂しい気がするというのは我が侭でしょうか。
(ルガーノの豪華なお友達、そして沢山ある2台ピアノの録音の一つ)

アルゲリッチは色々な意味で別格としても、それ以外にも2台ピアノの録音は多くあります。その中で、お気に入りをご紹介します。

沙良・オットーとトリスターノのこれ。
『春の祭典』、『シェエラザード』、『ラ・ヴァルス』など華やかな管絃楽曲が並んでいます。中でも『春の祭典』。初演当時は余りに前衛的過ぎて大騒ぎになった曲ですが、今では、既に古典、アマチュア・オーケストラのレパートリーにもなって「当たり前」と感じられるくらいです。でも、彼らの2台ピアノ演奏からは、それがスキャンダルだった時のエネルギーが、逆に見えてくるから不思議です。アルバムタイトルの「スキャンダル」は明確にそれを意図しているようです。

カツァリス・広瀬 ロシア・バレエ音楽の華やかな演奏。
こちらにも、ストラヴィンスキーは入っていますが、より親しみやすくメロディアスな『火の鳥』。そしてチャイコフスキーの、『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、『眠りの森の美女』の三大バレエ。こちらはスキャンダルのエネルギーというよりもエンターテイメントとして楽しめることに集中。もともとエンタテイナーの資質十分のカツァリスが若いパートナーとの親密な協演を楽しいでいることが、聴き手に伝染するような演奏。

アムランとアンスネスのストラヴィンスキー作品集。
これは前衛的エネルギーへの回帰でも仲間内のエンターテイメントでもない、既に古典となった作品を現在の視点で正面からとりあげる真っ向勝負の演奏です。精緻で機能性の高い現代のオーケストラ以上に、この難曲の構造をあからさまにしながら、曲芸的に技巧を披露するのとは別次元の堂々とした音楽がここにはあります。

上の3つのどれとも違うのが、リュブモフ・ポプルニギンの二人のストラヴィンスキーとサティの曲集。
20世紀初頭のパリのサブカルチャーの楽しみ。二人の作曲家の作品が交互に並ぶことで、二人の個性も際立ちますが、猥雑で何でもあり、権威に反抗しつつ小洒落た軽さを失わない時代の空気が共通だということが良く判る演奏です。

それは使われている楽器にも端的に現れていて、1920年製プレイエルと1906年製ガヴォーという、その時代の空気を吸っていた楽器を選ぶというこだわりです。技巧の披露や、現代オーケストラの機動力に対抗する気などまったく無いことは明らかです。それが明確なのは、サティの「シネマ ~『本日休演』のための幕間音楽」で使われたプリペード・ピアノ(ピアノの絃にゴム、金属、木など色々なものをはさんで打楽器的な響きにする効果があります)です。このドンチャン騒ぎの楽しい曲を聴いても、この演奏の独自性が感じられます
(こういうことを楽しむ精神、それを2台ピアノに持ちこむ感性に乾杯!)

ここまで書き連ねてきた演奏を振り返ると、これだけの多様性があることに改めて驚くと同時に、皆、全てロシアからフランスと繋がっている極彩色のバレエ音楽ばかりなのには、びっくりです。冷静に考えてみれば、管弦楽曲の2台ピアノというテーマ設定をしたから、当たり前なのかもしれません。が、2台ピアノ・ピアノ連弾には、これでは語りつく出ていないもう一つの側面、家庭内で音楽を楽しむための編曲という姿があります。その視点では、また別の楽曲が並ぶのですが、それはまた次の機会に取上げてみたいと思います。

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レス一覧

  1. パグ太郎さん、

    こんにちは。

    ピアノ・デュオの音源、ずいぶんあるものですね。
    先日、初めて2台のピアノでのコンサートを生で聴いてその楽しさを改めて感じました。

    2台のピアノでの演奏は弦楽ソナタなどと違って二人の演奏者との距離がありますし、お互いほとんど顔しか見えない…さらに譜面台を立てた場合には(ほとんどの場合はそうだと思います)互いの目しか見えないような状況なのでコミュニケーションはかなり難しいのではないかと思います。
    その状況の中でラヴェル、プロコフィエフ、ラフマニノフなどの複雑な曲を構築するのはよほど二人の息があってないとできないのでほとんど神業のような気がします。(まあ、ソロのピアノ曲も神業なのですが…(笑))
    実際の演奏を目の当たりにしてそんな風に思いました。

    だから、アルゲリッチとババヤンの録音のあの変則的なピアノ配置は演奏者同士のコミュニケーションのためなのかと思っています。
    すごい演奏だと思いますが、生で聴くピアノの音の位置関係とはかなり違って聴こえるのでちょっと違和感があります。
    ラビノヴィッチとのラフマニノフも表紙写真で見る限りかなり変則的なピアノ配置に見えますが、これもコミュニケーション重視のためなのではないでしょうか?
    このような配置はアルゲリッチの希望なのかどうか…
    こちらの方は録音で聴く限り、ピアノの位置関係の違和感はないのですが。

    アリス・サラ・オットとトリスターノの録音は収録曲が私の好きなモノばかりなので購入することになりそうです。(^^;)
    その他は…パグ太郎さんの紹介記事は罪作りです。(泣・笑)

    byK&K at2018-06-13 13:30

  2. パグ太郎さん

    ピアノ連弾というと、私にとってはカザドシュ夫妻のドビュッシーが出発点です。

    ドビュッシーのなかでも「小組曲」が大好きでしたが、カザドシュ夫妻のLPには入っておらず、かなり後になってラベック姉妹のCDを買ってこれがお気に入りになりました。以来、私にとってのケンタウルス座アルファ星(つまり、二連星)は、ずっとラベック姉妹でした。

    最近、連弾のアルバムや演奏が盛んになってきたのは喜ばしいことですが、オーディオ的にも音楽的にもちょっとこれ見よがしのものが多くて「春の祭典」とか「ラ・ヴァルス」とかチャイコフスキー三大バレエばかりなのが残念です。我々のジジイ世代では「ハンガリー舞曲」だったのであまり代わり映えはしませんが…(笑)。

    とはいえ、けっこう気になってしまうのは罪深いところですね(笑)。

    リュブモフ/ポプルニギンのアルバムは、かなり魅力的ですね。そもそも「ダンバートン・オークス」は大好きな曲ですし、ストラヴィンスキー自身の編曲版があるとは知りませんでした。サティ/ダリウス・ミヨー編曲だなんて、しかも、プリペアードピアノでの演奏だなんて、連弾のそもそもの低俗・猥雑さが大爆発みたいな話しで蠱惑的です。たまらずポチってしまいました。

    byベルウッド at2018-06-13 14:20

  3. K&Kさん

    レス有り難うございます。今日の記事はK&Kさんの先日の記事への返信の積もりで書かせて頂きましたので(笑)、大変嬉しいです。

    やはり、物理的な間合いの取り方の難しさが独特の緊張感と丁々発止の展開を産むのでしょうか。それが感じられる演奏(単なる曲芸師ではなく)を並べて見ました。

    byパグ太郎 at2018-06-13 19:03

  4. ベルウッドさん

    レス有り難うございます。

    書いている内に、派手派手バージョンで一杯になってしまい、シューベルトやブラームス等の本来の?家庭的な連弾の世界が書き切れなくなってしまいました。

    ラベック姉妹はそちらで登場する予定です^_^。、
    最後に押し込んだ(どうしても押し込みたかった?)ブリペアドに反応頂けるとは嬉しいです。

    byパグ太郎 at2018-06-13 19:16

  5. こんばんわ~♪

    ピアノデュオ、連弾というと真っ先にアンドレ・プレヴィン&ラス・フリーマンが思い浮かびます(ジャズですが、、、笑)

    クラシックだとコンタルスキー兄弟、ラベック姉妹、ダグ・アシャツ&永井幸枝あたりはよく聴いてました(過去形、、、笑)

    最近のデュオ、連弾事情はとんとわかりませんが、チック&ヒロミのデュオは良かったですね。といっても10年前の演奏ですが。

    byspcjpnorg at2018-06-13 20:39

  6. spcjpnorgさん

    今晩は。レス有難うございます。

    皆さま、ピアノ デュオは極彩色パートではなく、後半に残しておいたセピア色パートの方が印象に残っておられる様ですね。コンタルスキ、ラベック、アシャツ/永井などなど、そちらが得意なデュオですね。

    春の祭典のピアノ二重奏が流行ったのは、99年のファジル サイの衝撃の多重録音以降の様ですね。2台ピアノといえば誰を思い浮かべるかは、年齢当ての基準になるかもです。

    byパグ太郎 at2018-06-14 22:12

  7. パグ太郎さん、

    ついに話がファジル・サイの自己完結4手版の春の祭典にまで及びましたね。
    実は昨夜それを聴いてました。2台ピアノからの連想で何となく聴きたくなって…(笑)

    自分で4手は練習場所とか息を合わせる苦労とかの心配はないので2台ピアノよりも楽なのかと思ったのですが…
    まてよ、2回目の録音上乗せはヘッドホンで1回目録音を聴きながら演奏するから流れに乗っていけばいいのかもしれないけれど、何も音のないところで演奏する1回目の録音って自分の頭の中だけで他の2手を想像しながら弾くことになるのでこれもかなり大変そう。
    春の祭典じゃ伴奏と主旋律みたいに別れているわけではないですから…

    やっぱりピアニストってすごいと思います。

    byK&K at2018-06-15 00:29

  8. K&Kさん

    お早うございます。
    春の祭典のデュオの話になれば、どなたかサイについてコメントされるのではと思っていました。

    が、貴レスのように1回目どう弾いたのかなんて、考えもしませんでした。確かに2人でやるより難しそうですね。でも、4手とか2台の練習は2人揃ってしかできないものなんでしょうか、それともある程度、それぞれが練習してパートを弾ける様になってから合わせる?

    本文で落としたテーマがレスで思わぬ方向に広がるのは楽しいですね。
    有難うございます!

    byパグ太郎 at2018-06-16 04:42

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