パグ太郎
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クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6)。所有製品はHRS130ですが、製品DBに登録がないので、一番近いもので代替しています。 10数年愛用したアン…
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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日記

2台ピアノの描くセピア色の世界の魅力を並べてみると

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2018年06月17日

先日の日記で2台ピアノの演奏の魅力を書いてみたのですが(2台ピアノの描く極彩色の世界の魅力を並べてみると)、その半分まで行った所で息切れしてしまいましたので、今日はその後半戦です。

前半では、ストラビンスキーやプロコフィエフ、ラベルの絢爛な管絃楽曲、チャイコフスキーの三大バレエなどオーケストラの楽曲を、その煌びやかな豪華さや、迫力をそのままにピアノの世界に持ち込むような演奏の魅力を書いてみたつもりです。

でも、そのような超絶技巧の巨匠がコンサートホールを沸かせる演奏だけが、ピアノの連弾や重奏の魅力ではありません。それ以外にも、家庭の団欒で、あるいはお客を招待した際の余興として素人が弾く、それを少人数の内輪で楽しむという側面もあるのです。

蓄音機やラヂオの登場以来、家庭内の音楽にもプロの演奏家が侵入(?)したことにより「聴く人と弾く人の分離」が進んだり、千人のオーケストラの演奏が居間で手軽に楽しめるのでれば、無理してピアノ連弾に圧縮する必要がなくなったりという、19世紀末以降、音楽の聴き方には歴史的な変化がありました(オーディオでハイレゾ配信はその変化の延長線にあるのでしょう)。その変化のせいもあってか、素人愛好家が内輪で楽しむという音楽の楽しみ方も、音楽の創られ方も、今ではなくなってしまっています。

でも、その歴史的変化の前の作曲家たちは、家庭的、あるいは社交上の機会に演奏されることを念頭に置いた作品や、自らの作品の編曲を残していて、それはそれで魅力的な世界なのです。一つ目の世界が極彩色だとすると、二つ目は古きよき時代の温かみのあるセピア色の世界とでもいえるのかも知れません。

その世界の代表曲といえば、やはりシューベルトです。ピアノ連弾の名曲を幾つも残しています。中でも『ヘ短調の幻想曲(D.940)』は、心の奥まで降りていくような深みと、情緒的な旋律の美しさ、そして語り合う二人の親しみと安らぎが全て盛り込まれたシューベルトらしい、最晩年の傑作です。作曲の経緯も、伯爵令嬢姉妹のピアノレッスン用という、いかにもという設定で、前回日記で取り上げた作品とは全く異なる世界。

さて、この曲の録音ですが、昔からの愛聴盤はギレリスが娘のエレーナと演じているこれ。
親子の情愛と信頼感、温かみを感じさせる名演です。今回、改めてネット配信を含めて色々聴いて見ました。ヘブラー・ホフマン(61年)、ブレンデル・クロシェ(64年)、ブリテン・リヒテル (65年)、スコダ・デムス(65年)、ケフェレック・クーパー(78年)、ペライア・ルプー(84年)、キーシン・レヴァイン(05年)、シュタイアー・メルニコフ(15年)。それぞれ大家の演奏でいいのですが、どこか肩に力が入っていて大ホール向けと感じるものが多い中、とことん甘く優しい情感を、ゆっくりと穏やかに歌い上げていたのがペライア・ルプーのこれ。
二人の特性が良い方向に回った、この曲の理想の姿かもしれません。

こうやって並べてみると、1980年くらいまでは有名ピアニストが録音していたのに、その後、取り上げられることが激減しています。近年の新録なんてシュタイアー・メルニコフくらいです。やはり地味で人気がない?


シューベルト並んで、このジャンルの名曲のブラームスの『ハンガリア舞曲』。こちらは聴いているのは、ラベック姉妹のこれ(81年)か
コンタルスキー兄弟のこれ(76)。
奇しくも、こちらも家庭内デュオですね。今回、日記にするに当たり、最近の録音にはどんなものがあるかと探してみたのですが、オーケストラ編曲版などは多いのですが、オリジナルのピアノ連弾版はほとんど出てきません。やはり、セピア色系は人気なし?

このジャンルでドイツ系作曲家と並んで名曲が多いのは、フランスの音楽家です。フォーレの『ドリー』、ラヴェルの『マ・メール・ロア』、ドビュッシーの『小組曲』。いずれもサロンの社交の場を前提として作曲されています。例えば、『ドリー』は作曲家の知人(愛人?)の娘の誕生祝、『マ・メール・ロア(マザー・グース)』は知人の子供達のサロン演奏会デビュー用。そのためでしょうか、親しみやすさと、楽しさ、遊び心に比重がおかれているように感じられます。これらの曲はオーケストラ用に編曲されることも多いですが、オリジナルの軽やかな親しみやすさは、やはりピアノ連弾の方が良いですね。

ここでも、よく聴くのは、カザドッシュ夫妻のこれ(59)か、ラベック姉妹。
またまた、家族デュオですね。ラベック姉妹はデビュー以来、最近も多くの楽曲を残してくれておりこのジャンルの魅力を余すところなく伝えてくれています。
(左上から、ビゼー、ドビュッシー、ラベル、サティ)
でも彼女たちは例外的で、こちらも最近のピアニストでの録音は少く、セピア色系ピアノデュオはオールドネームしか出てこないというのはフランスも同じようです。

そのことは、前回の日記にレス頂いた皆さん挙げられた演奏家が、今回ご紹介した人たちと同じだったことからも伺うことができます。実は、今回紹介する演奏家が皆さんから出てきてしまったのに驚き、最近の演奏はないのかとネットを調べてみたのです。そこで分かったことが、もう一つありました。

通常、曲名で検索すると上位には必ず、CDが並ぶのですが、今回はほとんどの曲で違って、楽譜が上位に並びます。さらに検索サイトがお勧めしてくる、検索ワードが「難易度」などアマチュアの演奏に関わる言葉が見受けられたことです。

ということは、冒頭に書いた、弾く人と聴く人の分離という19世紀後半以降の潮流から外れた、昔ながらの音楽の楽しみ方が残っている貴重な領域がここにあるのかもしれません。残念ながら、人様のお宅にお呼ばれてして、そこでお嬢さんがフランス音楽のピアノ連弾を披露してくれたなんていう経験をしたことはありません。でも、自分の知らない所に、未だにそういう深窓の令嬢たちが生きている世界があるのかもと妄想してしまうのでありました。

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レス一覧

  1. パグ太郎さん
    日記の内容とは少しだけ関係するのですが、現代において家庭内で音楽演奏を楽しむ習慣は、天皇御一家のようなハイソサイエティな御家庭でなくても、学生オケやアマオケのメンバーならコンサート曲目の練習と称して何処かメンバーの家に集まって演奏したり室内楽の楽譜を手に入れて楽しんだりしている人は意外と多いと思いますよ。

    金管楽器でも最近はサイレントブラスという家庭内での演奏に適した機器も出ていますし。

    by椀方 at2018-06-17 18:51

  2. 椀方さん

    早速のレス、ありがとうございます。
    アマオケの人たちが練習で集まっているのは確かに見かけますね。

    楽譜屋さんの知り合いに、ピアノ連弾楽譜のターゲット層を尋ねてみたら、ピアノ発表会で連弾もあり、その需要が大きいと、当たり前のように答えられました。深窓の令嬢の妄想はあえなく破れました。

    byパグ太郎 at2018-06-17 19:50

  3. パグ太郎さん

    ちょうどラベック姉妹のストラヴィンスキー集を聴き終えたところです。

    連弾、特に一台のピアノで弾く4手連弾は、なんとなくほんのりとした家庭的な幸福感を醸し出すところがありますね。かたわらで聴いている側もそういう和やかな気分にさせてくれます。

    もう数年前になりますが、サンフランシスコ響とユジャ・ワンの競演をサントリーホールで聴いたことがあります。アンコールは、何と指揮者のマイケル・ティルソン・トーマス(MTT)との連弾というサプライズ。

    実は、この時の、ユジャはとてもマナーが悪くて拍手にきちんとお辞儀もせずさっさと引き上げ鳴り止まぬ拍手にもかかわらず出て来ない。自分の演奏の不出来を恥じたのか、そもそもそういう行儀の悪いところがあったのか、あるいは折からの尖閣問題で最悪の日中関係が背景にあったのか、よくわかりません。いずれにせよ感じが悪かったことは確かです。

    それをMTTが手を引いてステージに引っ張り出し、頭を押してお辞儀をさせたうえに強引にピアノの前に座らせ、自分も同じ椅子に座って弾きだしたのがプーランクの連弾ソナタの第三楽章というサプライズでした。

    ピアノ二台連弾でも弾けるようになっているこの曲を4手で弾くとかなり二人の手が交差するんです。ちょっとセクハラ(笑)気味ですが、それが会場の笑いを誘ってとたんに会場が和やかな雰囲気になりました。とっさの即興でプーランクをアンコールに弾けないとは思いますが、ちょっとした演出だったのでしょうか。

    指揮者がピアノをよく弾く人の場合、希にこういう連弾をアンコールに弾きますね。よく覚えていませんが、レヴァインとかサヴァリッシュとか、そういうシーンを見た覚えがあります。

    byベルウッド at2018-06-18 00:36

  4. パグ太郎さん、

    連弾まで含めたセピア色の世界が広がりましたね。

    ラベック姉妹のハンガリー舞曲懐かしいです。1981年ですか…確かにこれももうセピア色なのでしょうか。
    連弾曲はノリノリで弾く曲が多いので演奏者も楽しみながら弾く感じが聴いていて伝わってきます。

    マ・メール・ロアも童話が題材でやはり楽しい曲ですし、最後にグリッサンドもあって生だと視覚的にも楽しませてくれます。

    ホームコンサートで聴けたら最高かもしれませんね。

    byK&K at2018-06-18 01:07

  5. ベルウッドさん

    指揮者とピアニストの連弾アンコールは楽しいですよね。
    放送で見ただけですが、エッシェンバッハ 指揮ウィーンフィル来日で、協奏曲をランランと演じた後のアンコールで二人が連弾していたのが、素晴らしかったのが印象に残っています。確かドビュッシーの小組曲からだった様な。元々エッシェンバッハ はピアニストですし、この二人で連弾のCD出してくれれば良いのにと思います。

    byパグ太郎 at2018-06-18 12:20

  6. K&Kさん

    返信日記を書いて頂いた上に、併せてこちらにもレス頂き有り難うございます。

    セピア色と申し上げたのは、ストラビンスキーやプロコフィエフ などの大掛かりでプロ演奏家の凄腕を楽しむのとは別の、より親密でアットホームな世界観の演奏です。ラベックは両方の側面を持っていると感じています。ブラームスは後者かと。

    最近、シューベルトやブラームス、ドビュッシーなどのインティメイトな演奏をするデュオが少ない様な気がします。意外だったのはブニアティシビリが姉と連弾演奏を森に中でしていたライブ録画です。曲も子供の時からの思い出の曲ばかりとのこと。これはセピア色系でした。ブニアティシビリ とイメージ合いませんが。

    byパグ太郎 at2018-06-18 12:34

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