パグ太郎
パグ太郎
クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
パグ太郎の部屋
持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6) 10数年愛用したアンプが逝ってしまったので、久々の機器更新をしました(2017/6)。
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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日記

CENYA邸訪問記:クラシック声楽入門のはずが、オーディオ実験大会に!

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2018年07月03日

フィンランド・パーチの白木の小箱に妖精を住まわせているという噂のCENYAさんからオフ会のお誘いを頂きました。普段、余りお聴きにならないクラッシック系にご関心がおありだということで、入門ガイド役としてお声掛けいただいたようです。

クラシック系といっても、完全に王道から離れた特殊ジャンルに好みが偏っている自分では、初めに変な先入観を植え付けてしまうことが懸念されました。でも、女声ヴォーカル特化で、特に可憐な歌声がお得意ということでしたので、それなら当方の趣味と一致する部分もあるかと思い、お邪魔させて頂くことにいたしました。一方で、CENYAさんの直近のテーマはゴリマッチョ系というご様子ですので、可憐な歌声とゴリマッチョの両立がどうなっているのかも気になります。 クラシックの女性ヴォーカルのゴリマッチョ系もお持ちしなければいけませんね。

お部屋にご案内いただくと、先ず目に付くのは、木目の積層が美しいペナウディオのキャビネットです。その佇まいを眺めるだけでもシステムについては大満足で、お邪魔した意義があります。縦使いの部屋のほぼ半分ほどの位置にスピーカーを置かれ、後方空間が広々と取られています。これは面白そう。


当方には電化製品は買って来たらネジ一本たりとも外さず素直に置いて使うべしという家訓がありますが、CENYAさんはご存知のとおりの豊富なアイディアと実行力・製作力、そしてデータに基づく検証力に裏打ちされた「改造派・自作派」の突撃隊長のような方です。ご説明頂いても、沢山ある箱と線がどこでどうつながっていて何をしているのかのさっぱり理解できません。天井・部屋のコーナーのチューニング材も自作、さらにすべての機器は自ら開発・設計・製造されたフローティング機構を持つ台の上に設置されています。当方は目を丸くして魔法を眺めるばかりで(したがって、機器とセッティングツールについては説明できませんので以上とさせていただきます)。


早速、いつもCENYAさんが聴いておられる音楽をお聞かせ願いました。ポップスでゴリマッチョ系ということで、個々の音がくっきり明確で、勢いよく前に飛び出してくるという当方の予想とは真逆でした。きわめて自然で柔らく、繊細な歌声が、広いスピーカー後方の空間に浮かんでいます。バックバンドもその中に自然なまとまりで過度な主張をすることはありません。これは自分の好みと丸被りです。そしてメインの女性ヴォーカルは、強くて迫力のあるドラマティックな声ではなく、ソフトで情緒たっぷりで耳に優しい細やか声で、それが美しく素直に伸びていく、メロディアスで静かな曲が続きます。

魅力はやはり、澄んだ透明感のある歌声の中にある、適度な温もりとほのかな甘さが同居しているその心地よさでしょうか。この音楽のこのポイントを聴くために、システムは完璧にチューニングされています。小箱に妖精を棲まわせていると仰るのは、まさしくその通りです。一方で、ゴリマッチョは何処?とお尋ねしたところ、この状態で、声を張った時の厚みを増すとか、ベースやバスドラなどのインパクトをしっかり出していきたいとのこと。確かに、この声の可憐な姿を優先しているとそういう要素は犠牲になっているのかもしれません。沢山お持ちしたCDの中でお聴きいただく曲が定まってきました。

先ずは、声の表現の幅がどこまであるのか。軽くて可憐な方はわかりましたが、重くて暗い方はどう出てくるのでしょう。その観点で聴いていただいたのが、クレスパンのこの録音。
ベルリオーズ『夏の夜』「薔薇の精」でクレスパンは、軽く繊細な声の転がり、強くて張りのある高音の伸びと輝かしさ、低音の重く沈んだ表情、この3つを一つの曲の中で歌い分けています。その様子が、どこまでバランス良く再現できるかが確認ポイントです。軽い繊細さはお手の物、張りのある高音の輝きもしっかりカバー。でも、終盤の重たい低音の沈みこみは、今一つ迫力を出してくれると嬉しいかも。

もう一つ聴いていただいたのが、この録音からネトレプコとガランチャが歌うメロディアスな二重唱、オッヘンバック作曲の「ホフマンの舟歌」。
この二人声質が似ているのですが、声域がソプラノとメゾソプラノで異なる上に、ソプラノは女性役でメゾは男性役という役柄が違います。この違いを明確に再現できるかどうかを聴いていただきました。定位と声域の差はクリアですが、ガランチャが深みのあるメゾの声で男性を演じている性格表現はもう一歩。

やはり、この辺りがゴリマッチョの深みと迫力が欲しいと思われるポイントなのでしょう。厚みを増すためのスピーカー位置の談議をしていると、実行力抜群のCENYAさんです。あっというまにスピーカーを大胆に動かしはじめられて、こちらがドキドキしてしまう程です。声に厚みが増して来て、先ほどの2枚も随分と表情が変わってきました。この辺りでさらにチェックしていきましょうということになりました。

セッティングを大きく変えたことによる影響が色々あるはずです。CENYAさんのお好みに合いそうな曲を、色々なタイプの歌手で聴き比べて、声の質と表情の差が出せているかという遊びで、影響の有無の再確認をしてみました。歌曲といえば、やはりシューベルト。劇的な激しい曲もありますが、今日は、静かで情緒的な、可憐に歌うものを選んでみました。
大人の色気のシュワルツコップ、清純派のアメリンク、深みのあるオッター 、硬質なカサロヴァ、可憐なボニー。やはりCENYA邸は可憐なボニーが最高でした。ちょっと鳥肌が立つほどの「可愛さ」です。

では、本当にゴリマッチョの声を聴くとどうなるかということで、合唱と本当に重いメゾソプラノの女声ということで、聴いていただいたのがこれ。鍛冶屋の金床を叩く音程とその残響と合唱のバランスとか、コッソットのジプシー女の呪いの歌声の暗く威力のある重量級の声を聴くと、やはりまだいけるはず。
CENYAさんも心当たりはおありのようで、次の構想をお話しいただきました。

と、ここでCENYAさんが大きく動きます。今のレイアウトでは視覚的も圧迫感が高く、生活導線的にも問題ありということで、今度はスタンドを変えてしまって、再度レイアウトの再変更、その大胆さには唖然。

再度変更されたレイアウトで、声の厚み強みは維持されていますが、元々の自然な空間表現に変化が出たような気がしました。ソロのセンター定位だけでは見えきれない部分もありますので、オペラの合唱曲での空間表現とパートごとの動きや分離を確認してみました。聴いていただいたのはイタリアの第二の国歌ともいわれるヴェルディのナブッコ。
CENYAさんはここでも何やら課題に気づかれたとのこと。

それ以外にも、軽く明るめのメゾソプラノのガランチャの本領発揮のサン・サーンス『サムソンとデリラ』とか、フランス系の可憐な歌声ということでアーンの歌曲とか、スピーカー位置以外にも、どこかに問題があるとスピーカーに音が張り付いてしまう録音とか、エヴァンゲリオンに登場したヴェルディの合唱曲とか、書き切れない程の話題で大いに盛り上がりました。


ご自身の好きな音楽の聴きどころのツボを押さえたシステムチューニングの明確な目的意識と、それを実現しつつ極めて自然な再生音にも本当に驚きました。それ以上に、クラシックという普段は慣れておられない領域に踏み込んで、これまで作り上げてこられたものを大胆に動かしながら、新たな課題をあぶりだしていくその姿勢には、本当に圧倒されてしまいました。そして、それを改善していくためのアイディアがどんどん湧いてきている様子は本当に楽しそうで、羨ましい限りです。

当方のオフ会は単なる音楽鑑賞会になることが通例なのですが、CENYAさんの情熱に圧倒され、ご報告の通り、「クラシック音源によるオーディオチェック実験会」となったのであります。そのあとは可憐な妖精とは真逆の風情の居酒屋での感想戦と情報交換でも大いに楽しい時間を過ごすことができました。

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  1. パグ太郎さん、こんばんは!

    日記のアップありがとうございます。
    クラシック勉強会のはずだったのですが、結果いつもの実験会になってしまいました。
    ゴメンなさい。
    いつも聴く女性ボーカルモノに次いでクラシック鑑賞に移った途端、優しいパグ太郎さんが豹変!
    楽器の響きから声の深さとかのチェックレベルの高い事!
    私と言えばクラシックに耳が付いていかないので、違いがいまいち理解できずに戸惑いました。
    同じ曲を何度か比較試聴してやっとわかる始末。
    この時のパグ太郎さんは音の格闘家「掌拳太郎さん」でした。。。
    パグ太郎さんの熱で私に火が点いて、ついついスピーカーセッティングの実験会へと流れてしまったのだと、言い訳させて下さい(笑)

    好きな女性ボーカルの繊細さと心地良さと喉の震えを追求し過ぎた結果、重みが足りなくなっていますが、パグ太郎さんが書かれているようにボーカル自体をゴリマッチョにしたいとは思っていないのですよね。
    だってサラオレインの声がニューハーフみたいなのは嫌じゃないですか。
    ただ、腹から出す声が表現出来ていないのは嫌なのと、ベースや打ち込みのインパクトと密度感を出したいのが望みです。

    クラシックで実験をする事によって、欠点や課題が露わになったので、1つ1つ楽しみながら自分の理想に向かって調整していきたいと思います。

    とても楽しかったです!これからも宜しくお願い致します。

    byCENYA at2018-07-03 21:40

  2. CENYAさん

    先日は楽しい時間ありがとうございました。

    勝手に盛り上がってしまってすみませんでした。 でも、そんなに過激でした?

    確かに、色んなタイプの女声を並べて聴くことが多いので、その全部の特徴がバランスして出てこないとすごく気になってしまうのです。我が家でも、此方が良くても彼方が崩れるということの繰り返しで、日々ああいう風に取っ替え引っ換えして微調整することの繰り返しなのです。

    CENYA邸の女性ヴォーカルの響きが好みのど真ん中だったものですから、持ち込み音源かけ始めたら、自宅モードになってしまったのかもしれません。確かに人様のお宅でやることではなかったですね。

    失礼、お許しください!

    byパグ太郎 at2018-07-03 23:01

  3. おはようございます。

    レスの文章は面白く大げさに書いています(笑)
    私にとって今回のような問題解決型のオフ会は真に望むところですし、
    パグ太郎さんとの距離が一気に近くなった様に感じてとても嬉しかったです。
    同好の士がお互いにもっと良くしようと考えて、あれこれ言い合って、実際に試してみてって最高ですよね〜。

    ポップスは音が加工されているので何が正解かは解りにくいのですが、クラシックの生音の録音版はオーディオチェック用としてなかなかにハードルが高い事が体験できました。
    全てを完璧になんて今の環境では到底無理なので、自分好みのウェルバランスを目指します。

    アレやりたいコレもやりたいがいっぱいですが、時間が足りないです。。。

    byCENYA at2018-07-04 07:23

  4. パグ太郎さん

    ボーカルというのはオーディオにとってけっこうハードルが高いですね。

    歌謡曲やポップス系は、人それぞれの好ましさ、気持ちのよい鳴らしかたがあるかもしれません。それでも、解像度の高さやキレのよさ、低域の質感などを求めるとなかなか両立が難しいところがあります。クラシックは、独特の発声法や声域の広さと声質の多様性も加わりとてもハードルが高い。どちらかというと器楽系を基準にしている私も声楽をかけると「むむむー」と思わずため息をつくことが多いです。

    バーバラ・ボニーのような可憐系は、叙情的な透明感のほうが本領なので鳴らしやすいかもしれません。CENYAさんの方向は、そういう北欧系が本籍ですからそちらは合うのでしょうね。オットーもそういうレパートリーがありますし、エリー・アメリンクやルチア・ポップもそっち傾向かもしれません。

    それがメゾになるととたんに難しくなります。ジャズもほぼ同じ傾向がありますね。難しさで言えばクラシックほどではないけど歌謡曲ほど易しくない。多分に録音のせいもあるかもしれません。


    シビアな試聴と実験になったのではないでしょうか。

    byベルウッド at2018-07-04 17:02

  5. CENYAさん

    >レスの文章は面白く大げさに書いています(笑)

    はい、承知しております!

    >ポップスは音が加工されているので何が正解かは解りにくい

    そうですね。こう聴いてもらいたいという製作者側の意図が入っていることが多いと思います。それをどう聴きたいかという受け手の思いも入ってくるので、更に難しさがあると感じています。「ホッチキス」の表現がこんなに違うのかと、本当にびっくりしました。製作者の意図はどちらなんでしょうね?

    スピーカー位置をほんのちょっと動かしてみるくらいしか、出来ることがない人間からすると、CENYAさんは、発想が豊富で、やるべきことが次々に出てくるのが、羨ましいですね。

    byパグ太郎 at2018-07-04 17:45

  6. ベルウッドさん

    レス、有難うございます。

    CENYA邸のバーバラ・ボニーは最高でした。最初に何曲かお好みの曲を掛けて頂いた時点で予測はできていたのですが、その想定を上回るものだったと思います。透明感のあるリリコ・レッジェーロで、ドイツ・オーストリア系のロマンティックで静かな曲であれば、どれも完璧に応えてくれると思います。

    その妖精の小箱に、クレスパンの七変化の声や、コッソットのジプシー老婆の恨み節を放り込むのは、やはり暴挙だったのだと反省しております。(その誘惑に負けてしまうほどの、ボニーの良さだったのです)

    >シビアな試聴と実験になったのではないでしょうか。

    日記文章だけでも、小理屈の多い気難し屋と思われ居る所に、更なる悪印象です。まずいですね・・・・。自分の趣味に走り過ぎないよう注意します。

    byパグ太郎 at2018-07-04 18:19

  7. パグ太郎さん、こんばんは。

    クラシック入門というには容赦なく偏った音源達ににいい意味で笑わせていただきました(笑
    また、これまでの日記から一変し、オーディオ的な感想のゴリゴリっぷりにもニヤニヤが止まりませんでした(笑
    偶にはこの路線も楽しみにしています。

    bykanata at2018-07-04 23:40

  8. CENYAさんへのレスになってしまいますが…

    女性ボーカルを楽しみつつゴリゴリとかマッチョな低域をチェックしようというソフトを思いつくままに挙げてみると


    リッキー・リー・ジョーンズ:POP POP (1tr. Spring Can Really Hang You Up The Most) *チャーリー・ヘイデンのベースが半端ない

    ダイアナ・クラール:TURN UP THE QUIET (Tr.9 月とてもなく) *最近の私の定番チェックソフト

    宇多田ヒカル:Fantôme (Tr.5 人魚)*マッチョというよりドスのきいた低域


    ウィリアムス浩子:MY ROOM side4 (Tr.1 Both Sides Now(青春の光と影) *このベーシストのボーイングが上手い

    byベルウッド at2018-07-05 11:22

  9. Kanataさん

    >クラシック入門というには

    正しくはクラシック「声楽」入門です! と言って見たところで、「容赦なく偏った」ことには変わりはないですね(苦笑)。

    言い訳させていただくと、持ち込んだCDはお聴き頂いたCDの3倍くらいありまして、最初のお好みの女性ヴォーカルの印象から、その中から取捨選択しました。そのためにフィルターがかかって更に濃縮が進んだのかもしれません。

    見かねて、ベルウッドさんから助け舟のリストを頂いてしまったようです。ベルウッドさん、有難うございます。

    >オーディオ的な感想のゴリゴリっぷり

    こういうコミュニケーションも出来るのですというのをお見せするために、柄にも無く張り切りすぎました。

    byパグ太郎 at2018-07-05 12:14

  10. ベルウッドさん、こんにちは!

    オススメの半端ないベースは挑戦してみたいですね。
    2曲目のダイアナクラールは私も課題曲でして、冒頭のベースの沈み込みを何とかしたいです。
    改善の構想は色々浮かんでいますが、果たして私のシステムには伸び代があるのでしょうか。

    byCENYA at2018-07-06 19:18

  11. kanata さん、こんにちは!

    なかなかに白熱しましたよ。

    ソプラノとメゾソプラノがちゃんと分離するか。
    金床の金属音がするか
    魔女の声が深く怖く聞こえるか
    ヴァイオリンとギターの二重奏がスピーカーに張り付かないか
    ヴァイオリンの定位が正確か
    中抜けなく厚みが均一か
    エッジの表現は緩くなっていないか
    サブウーファーの有無で高音域の表現はどうなるか

    他にも有ったと思います。。。

    体験ゼミに参加してみたら選抜クラスの講義を受講することになった様な感じでした(笑)

    掌拳太郎塾長おそるべし

    byCENYA at2018-07-06 19:31

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