パグ太郎
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クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6)。所有製品はHRS130ですが、製品DBに登録がないので、一番近いもので代替しています。 10数年愛用したアン…
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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日記

隠れた名曲をたずねて、贔屓の歌手の今と昔を知る楽しみについて

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2018年12月09日

先日、好きな声をうまく鳴らしたいと四苦八苦しているという日記を書いたところ、ゴンザエモンさんからレス頂きました。ゴンザエモンさんの課題曲はウーテ・ゼルビッヒというドレスデン国立歌劇場で活躍しているソプラノ歌手が登場する、この録音だそうです。サン=サーンス作曲の『クリスマス・オラトリオ』という曲自体、聴いたこともありません。ゼルビッヒさんも初めて耳にしました。

(ゴンザエモンさん ご紹介のサンサーンスのクリスマス オラトリオ)

聴いてみると、サン=サーンスの弟子フォーレが作曲した『レクイエム』が好きな方であれば、きっと気に入ると思われる作品です。透明感と温かみが共存する美しい旋律を合唱とソロが歌いあげていく、所々に登場する厚めの管弦楽と合唱とオルガンも決して圧迫感がない、それでいて宗教曲としての精神性も備えている。こう書いてしまうと、まるでフォーレの作品について述べているようです。作曲年代でいうと、こちらが30-40年先輩の1855年。違いは、やはり同じ宗教曲でも死者のためのミサ曲とクリスマスという演奏されるシーンの差でしょうか。基本的におめでたくて明るい、深刻な要素はありません、が、過度に賑やかになることもなく、落ち着いて救世主の降誕を感謝する、そういう音楽です。

フォーレのレクイエムも好きなのですが、しょっちゅう葬礼の音楽をかけていては、家人から白い目で見られかねないので遠慮しているのです。特に、これからクリスマスやら正月で、世間では第九だ、ウィンナワルツだという時期には肩身が狭かったのですが、この曲であれば、これからのシーズンでも堂々と(?)、楽しむことができます。

ソプラノのゼルビッヒは、教会音楽にぴったりの透明感のある伸びやかな声。その上に可愛らしい華やかさが、かすかに乗っていて、祝祭的雰囲気も演出できています。無色透明の清らかさだけになっても、演出過剰な色気になってもいけないのですが、彼女のバランスは中々のもの。この微妙なバランスをどれだけ純度を上げて再生できるかということを突き詰めてみたくなる、そういう声質と歌い方です。「理想のイメージがどんどん膨らんで、これに納得できるようになったら、オーディオ修行も卒業」とゴンザエモンさんが仰るのもよくわかります。

フォーレのレクイエムの場合、女声ソロが目立つのは有名な「ピエ・イエス」1曲ですが、この曲はソプラノがもっと活躍します。更に、ソプラノに加えてメゾ・ソプラノとアルトも出てきますので、深み重みの異なる女声の三重唱を、綺麗に再現するというような所も、オーディオ的に面白いところでしょうか。

こういう隠れた名盤、名曲に当たると、つい他の演奏は無いのか探したくなってしまうのが悪い癖です。調べてみましたが、弟子のレクイエムと比較して、圧倒的に録音数が少ないです。見つけられたのは、僅か4種類。

その中に、気になるこの録音がありました。PropriusレーベルのSACD、といえば優秀録音でオーディオマニアのお宅でお目にかかることの多い、『カンターテ ドミノ』のレーベルです。さらに録音エンジニアも同じく、ベルティル・アルヴィングです。その上、本録音、かの長岡鉄男氏推薦らしいのです(ということは、このSACD、皆様ご存知のものなのかもしれません)。

(その筋では、既に知られた音源かもしれませんが)

オーディオ的関心とは別に、この録音には、自分にはもう一つ気になることがあったのです。大好きなメゾ・ソプラノのフォン・オッターの20台半ばの若い声(81年録音)と、そのピアノ伴奏パートナーのフォシュベリが演奏するオルガンを聴くことができることです。ただ聴いてみると、フォン・オッターの追っかけとしては、いささか拍子抜け。今では聴き誤るはずのない深みのある声質と巧みな表情付けが聴き取れず、ソロアリアでも彼女と気づくことが出来なかったという失態、さらに重唱ではソプラノとアルトに挟まって負けているという、今ではあり得ない状態。

無理もありません。彼女がストックホルムの教会で初めてのソロ・リサイタルを開いたのが、この録音の翌年の82年(その時もフォシュベリがオルガン伴奏。彼は元々は教会のオルガニストなんですね)、本当にまだ声楽家としての第一歩を踏み出したばかりの記録なのです。

その後の三十余年の輝かしいキャリアで、あの深々とした響きと巧みな表現力を身に着け、バロックから現代音楽、宗教音楽からロック歌手との共演、国籍問わずという驚異的レパートリーをカバーしてきたことを思うと、逆に感慨深いものがあります。そういう感傷にふけることになったのは、ほぼ同時に、この録音を聴いたからです。

(オッターとフォシュベリのキャリアを俯瞰するようなアルバム『A Simple Song』)

録音場所は彼女が82年にデビューしたのと全く同じストックホルムの教会で、伴奏も、その時と同じフォシュベリのオルガン。アルバムのテーマも、キャリアの最初の一歩となった純粋な教会音楽から始まり、この40年弱で広げてきた様々なジャンルの祈りの音楽を網羅しています。王道の19世紀のドイツ・オーストリーのロマン主義・後期ロマン主義の音楽だけでなく、20世紀のアメリカ、フランスなどの現代の祈りの音楽、そして今世紀の現代音楽やミュージカルまで、彼女の本当に幅広いレパートリーが一望できます。そして、一番感じたのはオッターの26歳当時と比べ物にならない個性と表現力の深さ。どんなスタイルの歌でもそれに合った歌いぶりができる巧みさ、それでいてオッターだと一聴して判る個性、26歳の彼女からは到底想像できません。

それでもやはり、自分にとって心に響いたのは、R.シュトラウスの『朝』、マーラーの交響曲2番、3番にも流用されている『原光』『三人の天使が歌った』などの後期ロマン派の作品。それもオルガン伴奏という珍しい演奏です。こういう新鮮な編曲を聴かせてくれるサービス精神も決して忘れていない所も、ベテラン二人の余裕なのかもしれません。こうやって隠れた名曲を見つけることは嬉しいことですし、贔屓の演奏家の昔と今を知ることもまた楽しいことで、それがまとめてやってくるというのは冬の初めの休日が、なんだかとても充実した一日になったような気がするのでした。

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レス一覧

  1. 今晩は

    ゴンザエモンさんご紹介のサンサーンスのクリスマスオラトリオ、今聞いています。気になっていて、DL版までは行きついたのですが、CDがないかを探しておりました。(結局見つからず、DL版を聞いています。。。)サンサーンスらしいというか、全体的にちょっとずつ陽性なゴージャス感があって、でも「過度に賑やかになることもなく、落ち着いて救世主の降誕を感謝する」とおっしゃることよくわかりました。そういう意味でも、基本的に気分のよい音楽だな~という感想を持ちました。我が家でもクリスマスの定番になりそうです。

    この場をお借りして申し訳ありませんが、素敵な音楽をご紹介くださったゴンザエモンさんに改めてお礼申し上げます。ありがとうございました!

    byゲオルグ at2018-12-09 21:30

  2. ゲオルグさん

    レス有り難うございます。
    サン=サーンスの宗教曲は、日本人の宗教観(深刻で陰鬱)の対局にある感じで、中々評価されないですが、いいですよね。CDは中古でなら、まだ入手できますね。こうして、知らない曲に出会えるのが、このコミュニティの素晴らしい所です。

    byパグ太郎 at2018-12-09 23:19

  3. パグ太郎さん、ゲオルグさん

    おはようございます。

    気に入っていただけたようで何よりです!

    フォーレのレクイエム(当方は特にコルボ盤)、モーツアルトの教会音楽などをお聴きなる方はきっとお好きになられる音楽だと思います。

    byゴンザエモン at2018-12-10 08:45

  4. ゴンザエモンさん

    レスありがとうございます。

    曲のご紹介も有難かったのですが、ウーテ・ゼルビッヒという歌手の情報も、嬉しかったです。CD録音にはあまり登場しないので見落としていましたが、気にしていこうと思いました。

    これからもよろしくお願いいたします。

    byパグ太郎 at2018-12-11 09:32

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