パグ太郎
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クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

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パグ太郎の部屋
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6)。所有製品はHRS130ですが、製品DBに登録がないので、一番近いもので代替しています。 10数年愛用したアン…
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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日記

昭和歌謡大会に備えて大正ロマンを仕込む、あるいは「ベルギー版ピンクレディーは、松井須磨子に太刀打ちできるか?」について

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2018年12月12日

レコード会社の宣伝文に釣られると失敗することが多い、いや、人のせいにしてはいけませんね。 正しくは、「自分の好みにぴったりと思って衝動でポチると失敗することが多い」かもしれません。

「1843年製プレイエル・ピアノのまわりに集う室内楽の名手たちが、ソプラノとテノールの甘い歌を交え、ワルツやラグなど「ジャズ前夜」のヨーロッピアン・サウンドを艶やかに、本場奏者ならではの共感とともに甦らせてゆきます」という宣伝文を目にした瞬間に、思い浮かんだのが、冒頭の自制の想いです。

この日記を見ていただいている奇特な方はご存知だと思うのですが、フランス製ヴィンテージ・ピアノ、20世紀初頭、室内楽、ソプラノは頻出テーマで、それがここまで揃うというのは偏った自分の好みが更に煮詰まったようなポイントです。うむむっ・・・、これは猫にマタタビ、お女郎に小判、私を罠に陥れるための釣り餌ではないかと、自意識過剰な反応で、自制心も吹き飛んでしまいます。気が付けば・・・・。なんか、毎度こういうことやっていますね。

ポチってしまってから、冷静になって紹介文を読んでみます。ジャズ前夜ですから、第一次大戦前後、1910年代。これがパリであればドビュッシー、ラベル、サティ、ウィーンであればR.シュトラウス、シェーンベルクという作曲家たちが登場すると思い込んでいたのですが大間違い、なんとベルギー・・・。並んでいる作曲家は見知らぬ名前ばかり、ラウウェレインス、アッケルマンス、エーヘリクス、パーンス、キャリル・・・・。これはやってしまったかも。

曲のタイトルを見ると、『砲手女子』、『いとも麗しき参政権』、『女性弁護士』という、男女平等、普通選挙などが社会運動となる一方で軍拡が進んでいった大正デモクラシーとの同時代性を感じさせる、不思議な単語が並んでいます。もしかして、「命短し 恋せよ乙女、紅き唇 褪せぬまに」「カチューシャ可愛や、別れの辛さ」みたいな感じなのでしょうか? それならそれで、最近、一部で盛り上がっているらしい昭和歌謡オフ会に持ち込んで「こっちは大正歌謡の松井須磨子だ」って切り返しに使えるかも・・・。おまけにアルバム・タイトルが「The Pink Lady」なのです(なんのこっちゃ)。

(命短し・・・『ゴンドラの唄』の楽譜表紙は松井須磨子をモデルにした竹下夢二の版画 これぞ大正ロマン)

ここまで書いて、現物を聴くのが怖くなったので、後は「期待しないで結果を待っていてください」ということで、日記にアップしてしまおうかと思いました。それでは余りに無責任ですので、お毒見役として報告させていただきます。(そんな怪しげな皿に手を伸ばすのはお前くらいだから、毒見役は不要? はい、仰せの通りでございます)

********************

さて、待つこと数日、Pink Ladyにしては露出の少ない衣装のお二人がジャケットのCDが到着しました。勇んでというより、恐る恐るトレイに乗せて再生。

(ベルギー版 ピンク・レディー。こちらも何故か単数なのに二人組)

想定していたものは、大正ロマンにも通じる哀愁を帯びたシャンソンが、少しくすんだプレイエルのピアノに乗って艶っぽく歌われるというものだったのですが・・・・。明るいキャバレーソング、あるいはボードビルの乱痴気騒ぎに通じる享楽的世界という予想外の展開です。考えてみれば、こういう姿もあり得るのは当然と言えば当然です。でも、どうして、100年前の忘れ去られたベルギーの酒場の大衆音楽が、今になって再発掘されているのか、不思議な気がして、もう少し調べてみました。

実はこのCDは、「コレクション<<14-18>>」という、第一次世界大戦(1914-1918)の100周年を記念するプロジェクトの一環として、ベルギーで製作されたものなのです。

西欧にとっての大戦は、ドイツ軍が中立国ベルギーを強行突破して英仏軍を大陸から一掃するという初動作戦に、1914年に失敗したところから始まります。結果的にベルギーとフランスを跨ぐ長い塹壕線(西部戦線)を挟んで膠着戦になり、化学兵器、空爆、一般市民の生活を犠牲にする長期総力戦という現代の戦争の在り方が初めて登場したというのが、その昔、世界史の授業で習ったこと。

今回、初めて知ったのは、ドイツに国の大半を占領された上に、主戦場となって直接的被害を被ったベルギーでは、その間、何故かアメリカの映画やミュージカル、フランスのキャバレー音楽の影響を受けた音楽、ダンス、演芸が大流行したというのです。それが、このCDのテーマです。

悲惨な戦いで双方に多くの犠牲が出る中(西部戦線の死者は480万人ともいわれています)、人間性というものへの信頼が揺らぎ、芸術の無力さを痛感させられる空気が蔓延する時代に、アーティストたちが、何を作り出したのか、その記憶・記録を大戦の100年後の今日、改めて思い起こす時ではないかという重たい問題意識が、この妙に投げやりで明るい音楽の裏に隠れているということは理解できました。

そういう前提であれば、やはり、大正デモクラシーの裏側で、もう一つの戦争へ突き進んでいった時代の空気を感じさせる、松井須磨子の歌声に通じるものがあるのではと当たりをつけたのは、まんざら大外れではなかったのかもしれません。

・・・というのが、やってしまったCDを聴きながらの無駄な抵抗なのでありました。

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  1. こんばんは
    大変興味深く、読まさせて頂きました。
    やっちゃった後のリカバーとしては最高の文章ですよー。

    私が先週買ったCDの中に、アルメニア賛歌(My Armenia)というハチャトゥリアン姉弟の盤(Naive)があります。普通に民族的な色彩の強い20世紀初頭の音楽が入っているのかな、演奏者にも興味あるし、と思い買ってみたのですが、ジャケットの下に「アルメニア大虐殺100周年記念」の文字が・・・。このベルギーの件と同じ第一次世界大戦中の出来事だったようです(お勉強の足りない私は、はじめて知りました)。他にも、このパターン、出てきそうですね。

    ちなみに、このCDは比較的着地点の予想がし易かったのですが、ベルギーにピンクレディーは面食らいますよね・・・。K点越えか、はたまた大失敗ジャンプか・・・聴くまでのハラハラがまた愉しいという・・・。

    byOrisuke at2018-12-12 21:56

  2. いやぁ 素晴らしい!!

    やっちゃったCDに これだけの文章をささげるパグ太郎さんにバンザイですね。

    演奏良し,録音良しのCDは なかなか 探し出すのは 困難を極めます。

    未だ, 聴いてないCDが 散乱していますので, パク太郎さんと orisukeさんの CD情報を 片目で 観ながら ポチッとを 繰り返していますので なかなか 現状,改善しませんが

    先日 見つけた GIL shahamの devil dance は 小品集としては 面白いかなと。

    byX1おやじ at2018-12-12 22:36

  3. Orisukeさん

    早速のレス有り難うございます。自虐ネタで、文章のネタもニッチ過ぎて、失敗を誤魔化す無駄な蘊蓄なのですが、楽しんで頂ければ何よりです。

    でも何にでも拾う神ありで、聴かないなら呉れという知人が現れました。

    そちらはアルメニア賛歌ですか! つい手を出したくなるお気持ちがよくわかります。そして聴くまでのハラハラが楽しくなっているというのも。

    byパグ太郎 at2018-12-12 22:55

  4. X1おやじ さん

    レス有り難うございます。ただ、お調子者をあまりお褒めいただくと、「これは外しても日記ネタにできるかも」という不純な動機といいますか、ポチることを正当化する言い訳といいますか、悪癖が加速してしまいそうで怖いです(笑)。

    シャハム の悪魔のダンスは未聴です。映画音楽から純クラシックまで幅広で面白そうですね。聴いてみます!

    byパグ太郎 at2018-12-12 23:07

  5. パグ太郎さん、こんばんは。

    単数形で2人組、古今東西なんですね。今度は、是非、日本版を楽しんでいただきましょう!先般のバイオリンとチェロのDUOに通じる何かがあるのでしょうね。

    by横浜のvafan at2018-12-12 23:24

  6. 横浜のvafanさん

    レス有り難うございます。

    話の流れで昭和歌謡オフ会をネタにしてしまい申し訳ありません、ポチったのは完全に自己責任です。本家版楽しみにしております。

    byパグ太郎 at2018-12-13 12:28

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