パグ太郎
パグ太郎
クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
パグ太郎の部屋
持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6)。所有製品はHRS130ですが、製品DBに登録がないので、一番近いもので代替しています。 10数年愛用したアン…
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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日記

「昔々ある所に、物好きなおじさんがおりました。物好きおじさんは、いつも変わったCDを聴いては・・・」という昔話で新年を祝う?

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2019年01月01日

最近、局所的に話題の(?)パリ在住の若手・フリーランスのプロデューサー兼録音エンジニア、Ken Yoshidaさんの作品に、こういう楽し気なジャケットの録音があります。タイトルは、『昔々、ある所に....』です。

収録曲を見てみると、眠れる森の美女、青ひげ、シンデレラ、親指小僧、月世界旅行という、おなじみのお話が並んでいます。なるほど、タイトルと絵本の様なジャケットはそういうことかと納得。歌手はソプラノとメゾソプラの歌手二人で、伴奏はピアノ四重奏の、フランス・オペラからの抜粋曲集です。 えっ、オペラ? そういう題名のオペラなんて聴いたことがありません。作曲者はオッヘンバック、マスネという有名な人もいれば、シルヴェ、ドゥ・リレ、イズアール、ヴィアルドなどなど知らない名前も。 これは一体どういう録音? またまた、好奇心に負けてポチってしまいました。

さて、届いたのがこれです。


本物の絵本の様な厚手の表紙に鮮やかな絵が美しいパッケージで、60ページあるブックレットの歌詞・解説の合間にも、登場人物が顔を出しています、この作りだけでも楽しくなってきます。単なるアリア集かと思っていましたが、これ自体が3部構成のオペラ仕立てになっていて、王子様と王女様、妖精の女王、舞踏会での衝撃の出会い、魔法のリンゴというお決まりの登場人物と小道具が登場して、19世紀の後半からフランスで流行したお伽噺を題材にした様々なオペラの一節、そして幕間音楽としてピアノ四重奏曲が演奏されます。


ソプラノのジョディ デュヴォの少し甘えたような声、メゾソプラノのカロリーヌ マンの豊かな性格表現、その若い二人の歌声を支えて、この色々な作品の寄せ集めを一つの世界観にまとめ上げているのがジャルディーニ四重奏団のピアノ四重奏の、明るく陽気で、お洒落で、夢見るように甘い音楽。冬休みシーズンに気楽に聞くのにぴったりですし、フランス語をお勉強中のお嬢様のいらっしゃる方には、お年玉プレゼントに良いかも。


でも、眠れる森の美女、青ひげ、シンデレラ、親指小僧という童話を素材にしたフランス・オペラが、これほどあるというのは初めて知りました。原作となった童話の大半は、17世紀に民間伝承を元に創作童話をまとめたシャルル・ペローの童話集に収められた作品です。ペローの活躍した17世紀後半は、太陽王ルイ14世の治世で、ギリシャ・ローマ神話か聖書を題材にしたバロック・オペラの絶頂期です。ペローは、このギリシャ・ローマの古典文化偏重に異を唱え、自国の現代文化の優位性を唱えたことでも歴史に名をとどめています。世紀が移ってロマン主義の時代になり、バロック・オペラに代わるオペラが登場してくると、素材となる空想世界もギリシャ・ローマから、自国文化に根差したペロー童話に代わっていったということのようです。

でも、その流れはフランス音楽では、それほど大きな潮流にはならなかったため、知られざる作品群になってしまっています。一方、隣国ドイツでも、同様に古典文化依存から自国の伝統文化への回帰を主張する文化運動がドイツ・ロマン主義として盛んになりました。こちらはウェーバーの『魔弾の射手』、北欧神話に基づくワーグナーの『ニーベルングの指輪』や、ペロー童話に対抗するかのように登場した『グリム童話』を素材にしたフンパーティンクの『ヘンゼルとグレーテル』、民謡集である『子供の不思議な角笛』を歌詞とするマーラーの角笛交響曲・歌曲という形で20世紀にまで連なる作品に結実したのは、フランスと比較して対照的です。ですが、ドイツ・ロマン主義の奇才、E.T.Aホフマンの作品がオッヘンバックの創作の源泉となり『ホフマン物語』を生んだり、ドリーブの『コッペリア』になったりとフランスに逆上陸したり、ワーグナーへの対抗軸としてドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』が登場したりするのも、ペロー童話のオペラという土壌があったからなのかもしれません。

メルヘン調のジャケットに惹かれて手にしたこの録音ですが、思いがけずも、ロマン主義の大きな地下水脈のつながりに思いを及ばせることになりました。正月早々、またまた不思議なCDで妄想を膨らませていては、今年もまた先が思いやられますとさ、めでたし、めでたし?

=====

今年もマニアックな録音からスタートしてしまいましたが、変わらぬご指導、よろしくお願いいたします。
パグ太郎@旅先でもこんなことしてます

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レス一覧

  1. パグ太郎さん、あけましておめでとうございます。

    物好きなおじさんが、いろいろな盤を紹介してくれるのは楽しいです。先日の『死と乙女』を題材とした日記から、αクラシック・レーベルの話を聞きまして数枚注文しました。HMVの抱き合わせセールでしたので、エルサレムqの死と乙女(廉価盤)も抱き合わせました。

    ただ、その中の1枚が在庫なしのようでしたので出荷予定日が休み明けになるとの事で、この休みに聴けずに残念です。

    これからも、物好きなおじさんの紹介をよろしくお願い致します。そう言えば、以前に紹介してくれた綺麗なお姉さま二人のデュオW:ヴァイオリンとチェロの盤も買いました。演奏も録音もよくて、お気に入りです。

    byヒジヤン at2019-01-02 11:29

  2. パグ太郎さん、明けましておめでとうございます。

    Alphaは日本に紹介された頃結構入手しておりましたが、最近はあまり買ってないですねぇ。
    面白そうなのも結構出てますから、また物色してみたくなってきました。

    『物好きなおじさん』の語るお話を楽しみにしておりますので、今年もよろしくお願いいたします。

    「…そして、おじさんに導かれたみんなは幸せに暮らしましたとさ」となりますように。

    byfuku at2019-01-02 20:45

  3. 明けましておめでとうございます!

    これは、嬉しいお年玉です。
    Ken Yoshida録音のリストの中で、正体不明で手をこまねいていた一枚だけに、パグ探偵事務所さまの見事な捜査に感謝感激です(嬉)。フランスとドイツのオペラの歴史の絡まり方の解説も、目から鱗でした。多分、「アルファ盤 by Kenさん」で正体不明のものがあと数枚発生する予定ですので(汗)教えて下さい_(._.)_。

    採算度外視のこのパッケージも凄いですね。読めなくても絵本として欲しくなります。

    byOrisuke at2019-01-04 00:16

  4. 蛇足なレスになりますが…

    ご存じと思いますが、ALPHA CLASSICSのYOUTUBEのチャンネルで発売ディスクの宣伝紹介をしていますね。
    このディスクも当然あるわけですが、収録時の模様? が見られます。
    https://www.youtube.com/watch?v=BG_ljFP7xwM

    コレが本当の収録時の模様なのか、映像を録るにあたって服装だけ変えたものなのか、それとも収録イメージとして後から作ったのかは不明ですが、コストを考えると収録時に服装だけ変えて作成したというのが一番有力な気がします。
    これで録ってるとすれば、メインのペアとアンビエンス収録用のペアの計4本のマイクと言うことになりますが、実際に聴かれた印象は如何なものでしょうか?
    私も入手して聴いてみるつもりです。

    byfuku at2019-01-04 10:08

  5. ビジヤンさん

    おめでとうございます。新年早々のレスありがとうございます。

    HMVの抱き合わせセールには、私も何時もやられてしまいます。そのお陰で大失敗もあれば、新発見もあり、功罪半ばです。弊日記も、功罪半ばまで行っていればいいのですが・・・・。

    本年もよろしくお願いいたします。

    byパグ太郎 at2019-01-04 11:29

  6. fukuさん

    おめでとうございます。レス・再レスありがとうございます。

    いや、本当に、「みんなは幸せに暮らしましたとさ」になると良いのですが。そういう思いを込めて、新年1本目にこれを選んだのですが、マニアック過ぎですね(笑)

    ご紹介いただいた、画像ですが、クレジットがないので、わかりませんが、おそらくコンサートのライブ収録だと思います。この録音の制作はパラツェット・ブルー・ザーネ(Palazzetto Bru Zane )という18世紀末から20世紀初頭のフランス音楽の研究・出版・制作を行う振興団体で、そこがパリのBouffes du Nord劇場の2015/16シーズンに同じプログラムを上演しているという記事は見つけました。(掲載写真がYouTubeと共通です)

    https://www.forumopera.com/il-etait-une-fois-paris-bouffes-du-nord-palazzetto-raconte-nous-une-histoire

    一方、CDの収録はグルノーブルなので、少なくとも、この時のライブではないと思われます。

    お伽噺の夢を壊すようですが、スイスの製薬会社が元になっている財団のメセナだからこその、贅沢さかもしれません。

    byパグ太郎 at2019-01-04 12:10

  7. Orisukeさん

    おめでとうございます。パグ探偵社は今年も、怪しい情報を追いかけて・・・・でございます。

    早速、お伽噺の裏側に潜む、ヴェニスの宮殿を根城にする文化振興組織にたどり着き、そこにはスイスの製薬会社、更には日本の製薬会社からの資金の流れもあるところまで発見、新年早々、ジェームス・ボンドの世界を見る思いでした。

    Palazzetto Bru Zaneという秘密結社、フランスの怪しい音源好きを虜にするような活動をしていますので、しばらく深追いしてみようかと思っております。

    byパグ太郎 at2019-01-04 12:23

  8. さすが、名探偵パグ太郎さんですね。

    YOUTUBEの方でPalazzetto Bru Zaneという団体は見つけていましたが、リサーチしてませんでした。
    動画のように動き回っているようだと、CDでは音楽にならないかもしれませんね。


    >メセナ
    確か、ジンマンのマーラーには複数の企業ロゴが入っていた気がします。
    バブルの頃は日本企業も結構やってた気がしますが、最近は元気ありませんね。

    byfuku at2019-01-04 22:56

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