パグ太郎
パグ太郎
クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
パグ太郎の部屋
持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6)。所有製品はHRS130ですが、製品DBに登録がないので、一番近いもので代替しています。 10数年愛用したアン…
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

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日記

ヴェルサイユ風フランス・バロック趣味は世を忍ぶ仮の姿、はたしてその正体は? Mさん邸オフ会の奥深さ。

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2019年06月12日

松濤のお屋敷街に足を踏み入れるなんて何年ぶりのことでしょうか。昨年末に横浜のvafanさん邸でのオフ会でお目にかかったMさんから、お宅にお招きいただきました。初夏の様な日差しでしたが、久方ぶりの豪邸街をお上りさん気分の建物外観探検を楽しみながら、お宅に向かいました。

絵画や置物が抜群の感性で配された、建築雑誌にでも出て来そうな白を基調とした広々としたモダンなお部屋にお通し頂くと、vafanさんも丁度着かれた所でした。そのお部屋に、ApogeeのDivaの堂々とした姿。でも、オール・リボン型のスピーカーは奥行きがないためか、圧迫感を感じさせることは全くなく(拙宅の漆黒のダース・ベイダー卿の威圧感と真逆)、観葉植物の中に自然に収まっています。


Mさんといえば、フランスのバロック音楽を集中して聴かれる方という先入観を持っておりましたので、もっとロココ調の装飾的なお部屋を想像していたのですが、そこは切り分けがある様です。でも、このハイセンスなお部屋とスピーカーで、どんなフランス・バロックを聴かせていただけるのか期待が高まります。

最初にかけていただいたのはシャルパンティエのこれ。一気に空気がルイ王朝時代の宮廷社会に変わります。華やかな金管とソプラノの声がストレートに飛んできます。
(シャルパンティエとモンテヴェルディ)
次はモンテヴェルディのこれ。先ほどの華やかさとは逆に落ち着いた、語りかけるような歌声が、ごく自然なチェンバロの伴奏に寄り添われて響いてきます。チェンバロは響かせようとするとすぐに高域が金属的に暴れだす再生の難しい印象の楽器ですが、絶妙のバランスです。やはりよく聞かれる華やかなカソリック系のバロックにぴったりの温度感と音色・・・なんて早合点していたのですが、ここからの展開が全くの予想外、Mさんの守備範囲の広さと、思いがけぬパッションを垣間見ることになりました。

というのも、正調バロックはこれで打ち止め。サヴァールのベートーヴェンは
古楽器で楽聖をロール・オーバーしようという勢い、リスト編曲のワーグナーを弾くアファナシエフのピアノは何時もながらの内に秘めた想いをさらけ出すような個性的な響き、佐藤聰明の弦楽合奏版「夜へ」の弦のきしむ様な響きが伝える真摯な祈りの想い、モンテヴェルディの深い歌声が戻ってきたかと思えば何とジャズとのミックス、たちまち時代は飛んで中世ビザンチンの東方教会音楽(いや、音楽と呼ぶことをためらわせる祈りの原点、鑑賞対象を超えたような希求の儀式の声。Mさんの言葉を借りれば「声明」)と続きます。
(左上から、サヴァール、アファナシエフ、佐藤、下段はジャズとモンテヴェルデの融合、声明の様なビザンツ教会の典礼)

これは一つ一つ深掘りすると何が地の底から顕現するか分からない拘りの選曲だと感じます。このハインセスのお部屋のルイ王朝のロココ音楽の裏には何が隠れているのか・・・・。

その印象を決定的にしたのが、その後に続いたアナログでのピアソラ 四連発。
なんとMさんは、ピアソラ フリークでいらっしゃるとのこと。それもブエノスアイレスの危ない裏通りに迷い込まなければ聴けないようなドロドロの、純正タンゴ・・・・。「毒にまみれた」という台詞がMさんから飛び出すような、情念が迸る音楽が空気を一変させます。これも好きな世界ではありますが、中心にあるはずだったフランス・バロックだけが、一連の流れの中で異分子ではないかとまで思えてきました。

頭の整理がつかぬまま呆然としている所に始まったのが、ドーナッツ版の昭和歌謡パート。矢沢永吉、加山雄三、布施明、アン・ルイス・・・。
極めつけは山本譲二の『みちのく一人旅』。このパートから参加されたGRFさんの「Mさんらしくない」という突っ込みへの返しが「ベートーヴェンに匹敵する名曲」。確かに日本人が連綿と引きずって来たこの感性の根っ子、それを鷲掴みするこの感覚はベートーヴェンになんか出来やしません。参りました。


ここで、持ち込みのCDをと言われましたが、この流れでかける音楽なんて全く用意がありません。フランス・バロックを持ち込んでも意味ないので、その後の展開のサンプルという安易な想定で持ち込んだのが、サン=サーンスの『クリスマス・オラトリオ』。季節外れだけならまだしも、この薄味の清純ぶりっ子音楽のなんと軽く、上滑りすること。GRFさんの苦笑する顔が目に入ります。もう一枚は、最近、はまっているエルサレム四重奏団のベートーヴェンの弦楽四重奏の4番から。でも山本譲二でベートーヴェンはうっちられたばかりの間の悪さ。
(見事に滑ったクリスマス・オラトリオと山本譲二にうっちゃられたベートーヴェン:完敗です)

であればということで、Mさんが締めにかけられたのが、リンゼイ四重奏団のベートーヴェンのグロス・フーガ。締めにこの超難曲を通して聴くなんて。横でvafanさんが目を白黒させておられます。
(これくらいでないと締まらない?)

ウーム、松濤のヴェルサイユ宮殿の主のバロック音楽趣味は、世を忍ぶ仮の姿、その正体は東方ビザンチンの昔から命をつないできた一族の・・・・。

そのことを確信したのは、オフ会後のご近所の飛び切り美味しい、でも気やすく居心地の良いイタリアンでの会話。時間も空間も、現実も空想も飛び越えて、精神世界を語り尽くすその話題の幅と深さに、こちらはお話に付いていくのがやっと。当方の想いを見抜いたかのようなご指摘も受けタジタジの場面もあり、本当に楽しく、刺激的な時間となりました。

Mさん、そして、ご一緒させていただいたvafanさん、GRFさん、本当に有難うございました。なお、3つ以上箱のあるオーディオ、パソコンが登場するオーディオ、アナログ・システムについては門外漢の私ですので、オーディオについてのお話はvafanさんにお譲りさせて頂きます。

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  1. パグ太郎さん、こんばんは。

    先日は、日常とかけ離れた時空間をご一緒させていただき、ありがとうございました。お部屋の佇まいに、Mさん拘りのオーディオシステムがマッチしていましたね。耳だけでなく目にも訴えかけるものがありました。クラシックオンリーを覚悟してましたが、テーマでもあった「私の好きな曲」ということで、ほどよくジャンルがばらけて楽しかったです。最後のイタリアンも、しっかりインプットしておきました。オーディオ訪問記は、ブログの方に挙げる予定です。

    by横浜のvafan at2019-06-13 20:38

  2. パグ太郎さん、

    こんばんは。

    貴重なスピーカーを聴かれましたね。
    私はコンデンサー・スピーカーはクォードなどを聴いたことがありますが、アポジーは聴いたことはありません。
    リボン型はコンデンサー型とはまた違った味わいがあるのではないかと思います。

    フレンチ・バロックというとクープランなんかがそのカテゴリーになるのでしょうか?
    フランス音楽は好きですがほとんど印象派しかわかりません。
    でも、このスピーカーは繊細な室内楽にはマッチしているのではないかと想像します。
    聴いてみたいです。

    byK&K at2019-06-14 21:53

  3. 横浜のvafanさん

    先日は有難うございました。
    仰る通り、一貫した美意識を感じられる空間とシステムでした。そこでかかる音楽も違った意味で徹底していて、そのギャップが楽しかったです。

    勝手にオーディオ編を振ってしまい御免なさい。私の理解を超える複雑さでお手上げでした。

    byパグ太郎 at2019-06-15 04:44

  4. K&Kさん

    レス有難うございます。私もアポジーのスピーカーをしっかりと聴いたのは初めてでした。裏側からも音が出ていて背後の壁の反射の使い方とか、背が高くて仰角があるので天井からの反射の使い方とか、色々と面白いです。

    フレンチバロックですが、当日はシャルパンティエのみでした。
    クープラン、リュリ、ラモーが有名で、自分は地味な鍵盤曲しか知らないのですが、本筋は宮廷の祝祭、ミサ、オペラの壮麗な音楽なんだと思います。

    byパグ太郎 at2019-06-15 05:02

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