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ワタシハオンキョウチョットデキル  生まれ付いての不精者で飽きっぽいので多分大した事書きません。  と言うか迂闊な事書くとどこかの出版社から怒られが発生したりしませんよね??(ガクブル)  …

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日記

吸音材のお話

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2018年01月02日

昨日は定在波について書きましたが,今回は吸音材についてのお話です。

前回書いた通り定在波は時に深刻な音響障害をもたらしますが,そうした定在波を抑制出来るのが吸音です。
しかし一般により長い波長(低い周波数)の音を効果的に吸収するためにはより大掛かりな吸音構造が必要になります。

吸音材としてポピュラーなグラスウールやミネラルウール(ロックウール)などの多孔質吸音材の特性は主にその厚みと流れ抵抗に依存し,垂直入射及びランダム入射に対しfig.1のような傾向を示します。(流れ抵抗モデル/伝達マトリクス法)
GWはグラスウールを,MWはミネラルウールを,kgの前の数字は密度(kg/m3)を,tの後に続く数字は厚み(mm)を示します。また流れ抵抗は繊維の直径に大きく依存するため,全体の傾向は変わらないものの実際の値とは多少異なるものと思われます。


多孔質吸音材は波動の粒子速度(音圧に対応する虚部)に対しレジスティブに作用しますが,グラフからも圧力により流入する空気の分子が十分な粒子速度で運動している事が効率的な吸音の条件であると分かります。
またミネラルウールは流れ抵抗が高過ぎて圧力が浸透しないためか100mm以上では厚みへの依存性が低く,また150kg/m3と80kg/m3の比較でも前者の方が概して低い吸音率を示しています。
但し現実の部屋では吸音材が半波長よりも小さくなる帯域での境界部周辺からの流入を無視出来ませんし,定在波は音圧に大きな偏りを生じるため配置にも依存しますので,単純な垂直入射法や残響室法による測定・解析は目安に過ぎません。

なお,稀に吸音材を嫌う方がいらっしゃいますが,それは市販されている多くの多孔質吸音材が低域に対しサイズや厚みが不足しているため中高域ばかり吸収してしまい,聴覚上はデッドなのに低域の音響障害はなおざりになっているためでしょう。
吸音材を検討するのであればその特性を吟味する必要があるのですが残念ながら十分な情報を開示している製品は少なく,また消費者の知識も不足しているのが現状なのです。


さて,粒子速度に対しレジスティブに機能する多孔質吸音材のサイズは1/4波長が目安となるためサイズと低域特性の両立が困難である一方,リアクティブな吸音器ならば壁際に置く事で効率的な吸音を得る事が出来ます。
ヘルムホルツ共鳴器や片閉管もそうした吸音器で,帯域は狭いものの複数を組み合わせる事で比較的小さなサイズと広帯域にわたる高い吸音率を両立しています。
YAMAHAさんの調音パネルは片閉管を並べた構造,SALOGICさんのパネルは恐らくヘルムホルツ共鳴器を並べた構造に大別されるでしょう。
実はQRDも原理的には短い片閉管を並べたもので,その吸音と配列により拡散を行っていますから,基本的に溝の最大深さを1/4波長とする周波数が効果を得られる下限となります。
定在波対策を謳いQRDを販売しているお店も見られますが,ルームモードの抑制を意図した設計ではありませんしそのような効果もありませんので,製品の良否は兎も角お店は製品を理解していないと思われます。
メンブレン吸音器やダイアフラグマティック吸音器も音圧を受けて振動する質量を持った膜や板を上手くダンプする事で帯域を広げています。
しかし生得的に穏やかな性質を持つ多孔質吸音材と違い,リアクティブな吸音器は共振を使っている以上位相特性の急峻な変化が不自然な響きとして知覚されやすいという大きな欠点があります。


とは言え普通のお部屋に設置出来る手軽な吸音材では純粋な多孔質吸音材の抵抗のみによって理想的な吸音特性を得るのは非現実的ですから,リアクティブな吸音器の助けを借りるのが理にかなっています。
サイズが決まってしまえば,あとは低域をどこまで欲張りどの程度までリアクティブな挙動を許すかですので,特性を見ながらさじ加減をしています。



後記
その内に吸音材やスピーカー(モノポールやダイポールなど)の部屋を含むシミュレーションについての解説もしようかと思っていますが,昨日と比較し明らかに文章量が減っている事からも察せられるように私は重度の筆不精でもあります故・・・

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