nakanohito
nakanohito
ひっそりと音響設計をしている中の人です。  生まれ付いての不精者で飽きっぽいので多分大した事書きません。  と言うか迂闊な事書くとどこかの出版社から怒られが発生したりしませんよね??(ガクブル…

マイルーム

マイルームは公開されていません

レビュー/コメント

レビュー/コメントはありません

カレンダー

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最新のレス

日記
製品レビュー/コメント

製品レビュー/コメントへのレスはありません

お気に入り製品

お気に入り製品はありません

お気に入りユーザー

お気に入りユーザーはありません

お気にいられユーザー

日記

壁と吸音のお話

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年01月03日

今回のテーマは壁,そして何故適切な吸音が大切なのかにもサラッと触れます。

触感や音からも分かるように,石膏ボード1枚というのは結構弱くてぶつかれば簡単に穴が空きますし音圧を掛ければ簡単に振動してしまいます。
"ちっぽけ"な15inウーファーが小さな振幅で大きな音を出している事を考えれば,僅かな振幅でも巨大な面積を持った石膏ボードがぶるんぶるん震えるのはぞっとしませんよね!
マグネシウム,チタン,カーボンファイバー,セラミック,ダイアモンド・・・ 果てはアンオブタニウム製振動板にすら手を出しそうな勢いのオーディオ愛好家の皆様なら嫌悪感も一入の事でしょう。

ここで面密度を増せば壁の振動を抑えられると同時に遮音の面でも有利ですから,とりあえず重ね張りをと考えるのは順当です。
しかし1枚であれば壁の柔さで幾分いなしてくれていた定在波の影響も,壁が剛になるに従い更に強く出てしまいます。


fig.1は12.5mm及び25mmの石膏ボード単体の垂直入射及びランダム入射に対する吸音率です。(伝達マトリクス法)

通常最も強烈な1次元の定在波に対しては,軸方向の壁面は垂直入射に近い挙動を示し,側面となる壁面は波数に応じたベンディングに近い入力を受けるものと考えられます。
因みにランダム入射の200Hzや400Hzで可愛く?ピョコンとしているのはご存じコインシデンス効果で,透過損失はfg.2のような見慣れた単板の特性を示します。

透過損失(dB)で見ると何やら物凄いエネルギーが壁を素通りしているように感じてしまいますが,実はエネルギーで見るとこの程度なんです。耳のダイナミックレンジがなせる技ですね!


fig.3は3.6*2.7*2.4(m)のお部屋(要するに6畳間ですね)の6面を
1. 一般的な構造とした場合 (壁厚は12.5mmなど)
2. 柱などの支持構造はそのままに6面を幾分強化した場合 (壁厚を25mmとするなど)
3. 床に高め/天井に低めのインピーダンスを与えた場合 (純粋な部屋形状由来のルームモードを見るため)
で,他の条件を揃えて部屋全体の平均特性がどのように変化するかを示しています。
(これはあくまで定性的な解析に過ぎず,ある程度の簡略化もしていますので実際の特性と対応するとは限りません。また音源から床への固体伝搬やドアも面倒臭いし条件も様々なので考慮していません。)


1と2で生じている共振は,最初の一番弱い天井全体が揺さぶられるモードに続き天井の分割振動,壁全体,比較的強固な床やの振動と続き,純粋な部屋形状由来の1次モードが生じる頃(50Hzあたり)ではかなり複雑な振動を起こします。
また1と2を比較すると壁が重くなった事で壁自体の共振が変化すると共に,3と照らし合わせて見るとルームモードの減衰も少ない(強く出ている)事が分かります。
通常オーディオルームの場合はもっと強化しますが,音響特性を顧みぬ強化の行き着く果てが音響剛壁に囲まれた強烈な定在波の嵐である事は自明でしょう。

なんだかサプリの売り文句みたいな締めですが,ただせさえ不足しがちなお部屋の低域の吸音,お部屋をしっかりした構造にするなら尚更適切な吸音をセットで考えるべきなのです。



後記
さて,三日坊主の私ですからこうして文字数も順調に減り・・・
(大体この3日間書いた事なんて真面目に勉強してるオーディオ愛好家の皆様には何を今さらと言われてしまうような内容ですしね・・・)

次回の日記→

←前回の日記

レスを書く

この記事はレスが許可されていません