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画質マニアです。また音質マニアでもあります。 質感と立体の表現を好みCRT, 撮像管, 70mmフィルムなどの画を好みます。 普段はTwitterにいます。 LaserDiscを主とした…

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koyatenn Room
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主にLaserDiscを扱っております。 現在はLaserDiscをファイル化しPC Transportで再生するファイルベースのシステムの研究に注力しているため、その関係の機器が多いです。 …
所有製品
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    1ST STORAGE AUDIO SMO6
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    SUPRA USB 2.0
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    FURUTECH FVD-77
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Y/C分離の精度と階調性

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2020年07月03日

1990年代の初頭に登場し、瞬く間に民生用映像機器のハイエンド機の標準装備となった3D デジタルY/Cセパレーター。
フレーム相関を用いたデジタルコムフィルターを用いる事でY/C分離精度を大幅に向上させるテクノロジーでした。

初期のうちは複数チップで構成され後期になると1チップ化されて行き、性能の向上は主に動き検出アルゴリズムの改善と3D/2D切り替えの閾値のチューニングで行われて行きました。


分離精度と階調性

3D デジタルY/CセパレーターはY/C分離精度こそ極めて高いもののその階調性はよくありません。
これはフレーム相関を用いるのに1Fの遅延線が必要になる事に関係があります。
1Fの長い遅延時間を実現可能な遅延線は電気的特性の問題がある為、現実的には遅延時間に特性が左右されない遅延線であるデジタルメモリ以外に選択肢がありません。その為デジタルでの実装が必須となります。

また高いY/C分離精度を得る為にはコムフィルターの切り替え制御を高度かつレスポンスよく行う必要があるためデジタルコムフィルターを用いる事が好ましいのです。
しかしこのデジタルコムフィルター、量子化範囲に対して量子化深度が十分に高くないPCMを用いて信号処理を行う他デジタルコムフィルターそのものがデジタル演算機そのものである為演算誤差に伴う階調の欠落なども生じてしまい量子化ステップ数以上に階調性の不足を目立たせる事になります。

つまりこれらの問題は、3D Y/Cセパレーターに限った事ではなくデジタルY/Cセパレーター全般に共通した欠点です。

Y信号0IRE-100IRE範囲の量子化ステップ数(量子化範囲)は以下の通りとなり、D1-VTRで用いられて以降現在まで標準的なPCM DigitalVideoのコーディングフォーマットとして使用されているITU-R BT.601と比較して量子化ステップ数が少ないものとなっております。
8bit量子化時
・ITU-R BT.601(D1): 220ステップ(16-235)
・SMPTE 244M(D2): 141ステップ(60-200)
・NEC製3DYCS IC1: 193ステップ(64-256)
10bir量子化時
・ITU-R BT.601(D1): 877ステップ(64-940)
・SMPTE 244M(D2): 561ステップ(240-800)
・NEC製3DYCS IC2: 584ステップ(256-840)


実際の製品での問題

実際の3D デジタルY/Cセパレーターではこれらの問題に加えてA/D Convertor, D/A Convertとそのフロントエンド, バックエンドの質が画質に影響してしまいます。
その為、民生用に発売されていたものは例えY/C分離精度が良くてもこれらが足枷になり階調性や周波数特性に大きな問題があるため概ね全滅となります。

しかし放送業務用映像機器では3D デジタルY/Cセパレーターが用いられる事が殆ど無かったので選択肢は非常にわずかな製品に限られてしまいます。


根本の解決と取捨選択

上記の通り、デジタルY/Cセパレーターには階調性に関係した多くの問題が存在しています。
Y/C分離精度と引き換えに階調性の問題を回避する方法としてアナログ動作のY/Cセパレーターを用いる事でそもそも量子化を行わなければ量子化周りの問題は根本的に発生しないという安直な方法があります。

アナログ回路で実装されたY/Cセパレーターで最もY/C分離精度に優れたものは実際に製品として存在しているものでも2D デジタルY/Cセパレーターに相当する動作方式のものまでは存在しています。
ただし切り替え制御周りで劣るためY/C分離精度ではどうしても劣ってしまいます。

アナログ動作の高性能Y/Cセパレーターで用いられる遅延線には以下の様なものがあります。
CCD DelayLine: 〜8MHz(-3dB)と非常に広帯域なものが存在し水平解像度の点ではデジタルY/Cセパレーターを大きく引離し大変有利です。
ガラス遅延線: 標本化と無縁の遅延線でべた付かず立体的な画である事が特徴です。


以上のようにY/C分離の精度と階調性は取捨選択となる要素で有り選択が大変難しい要素となります。


現在koyatenn Roomで研究中のDigital Archive Production Systemににおいても適切なY/Cセパレーターについては大変難しい問題として保留となっております。
次回以降最良のY/C分離方式などについて解説させて頂こうと思っております。

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