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PIONEERがLaserDisc PlayerにNR回路を実装した意図
昨年末にChad Page様の動画を視聴していた所、PIONEERがCLDシリーズのLaserDisc Playerの技術解説をする内容の動画を見つけました。 Pioneer Video Tuning Fork vol 3: CLD Player Signal Processing - YouTube 先日の記事(LaserDiscと水平解像度)で私が問題視していたNR回路についてもこの動画で解説されており、そこで私は何を意図してこの回路が実装されたのかを知る事となりました。 ↑LD-X1に搭載されたNR回路 1.8MHz HPFを用いる高域用の回路はアナログ音声の搬送波映像に発生させるビートノイズを低減させる意図で実装された様です。 これはLaserDiscやPlayerの仕様変更に伴い必要性が出て来た訳ではなく単に画質改善を図りたかったのでは無いかと思います。 ↑LaserDiscの記録信号周波数スペクトル 330kHz HPFを用いる低域用の回路はCLV Disc再生時のクロストークノイズ低減を意図して実装された様です。 ここで言うクロストークノイズはLaserDiscの隣接トラック間のものでLaserDisc Playerに使用されるレーザー光源が632.8nm波長のHe-Ne赤色気体レーザーから780nm波長のGaAlAs赤外線半導体レーザーに変更されレーザー波長が長くなった事が原因で生じた問題です。 ↑レーザー光源の比較表 過去にキャプチャした素材から780nm波長GaAlAs赤外線半導体レーザーを搭載のLaserDisc Playerで再生した映像に現れるクロストークノイズの周波数を算出した所、1.35〜1.68MHz辺りの周波数成分が主であると言うことが分かりました。 それでありながらも330kHz HPFを用いている事からはクロストークノイズが持つ周波数帯域幅は以外と広いという事なのかもしれません。 しかしこの回路を搭載していても、またCAV, CLVに共通して780nm波長GaAlAs赤外線半導体レーザー搭載機は632.8nm波長He-Ne赤色気体レーザー搭載機と比較してクロストークノイズは目立ちます。 ↑HLD-X0に搭載されたNR回路 また再度確認した所、短波長のレーザーを用いる事でクロストークノイズが低減されているHi-Vision LD Playerでも同様の回路が用いられている様でこの点にも疑問を持ちました。 ※先日、HLD-X0には搭載されていないと申し上げましたけれども私の見落としでした。申し訳ございません。 そもそもフィルタ回路とリミッタ回路を併用するタイプのNR回路は特定の周波数成分の微小振幅を全てノイズと見なし除去する回路である為ざらつきこそ減って見えるものの本来あるべき情報も同時に削ぎ落とされてしまう為、画質への悪影響も無視出来ません。 私はディテールに乏しいツルツルとした画になってしまう原因としてこの回路を疑っている為、この点が非常に気になります。 そこで、SONY製LaserDisc Playerではどのような実装になっているかを確かめるため手元にメンテナンスマニュアルがあるHi-Vision LD Player「HIL-C1」「HIL-C2EX」の電子回路を確認しました。 ↑HIL-C1 ↑HIL-C2EX 何れの機種にもフィルタ回路とリミッタ回路を併用するタイプのNR回路は搭載されておらずこの回路が本当に必要であったのか疑問は大きくなるばかりです。 先日これらの調査を行なっていたら偶然もう一つの疑問の解決に繋がりました。 同じく先日LaserDisc Playerの水平解像度の公称値に関係している可能性の事で疑問視していたPIONEER LD-1000系の機種に搭載されているこのフィルタ回路ですが実装意図がはっきりしました。 どうやら低域濾波を目的としたフィルタ回路としてではなくDoC用220ns Delayとして実装されていた様です。 この回路が帯域外雑音の除去を目的として実装されたLPFではないと分かった事でまた、思う事が色々と出て来ました。
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