日記
本領発揮!?
2008年04月22日
週末ののんびりとした朝を迎えていると、電話がありV3をとリにくるとのこと。
名残惜しくもいそいで最終確認を行いました。
え???−出てくる音がいままでと違います。

J.FISCHERのメンコンで感じた音像のブレがなくなり中央にビシッと定位します。
これは一から聞き直そうとMUTTERのTeufelstriller-Sonateをかけると右手の表現が
非常にすぐれ、その巧さに改めて気づかされます。
中央の音像の若干肥大を感じていたところのフォーカスがあい、魚眼レンズ的に収差を
感じていた音場表現がきれいに整っています。
前日までと比較して全体的に音場の安定感が増しています。輸送中のストレスが
3日経ってようやくとれたということでしょうか?不思議な変化です。
もっといろいろ試したくなりましたが、時間切れ、次に試聴される方のところへ
旅立っていきました。
■IRS-Sigmaとの比較
私がこのスピーカーの試聴に求めていたものは低域表現と音場のスケールでした。
IRS-Sigmaはスケールは問題ないのですが、箱鳴りは皆無ではありません。
まず低域について、Sigmaと比較してV3は十分に感じられました。ウーハーは速いですが
ときどき空振りしているような感じで、低域は少し固く感じます。オルガン曲での
地をはうような低音は安定して出ませんが、試聴段階では問題とは感じていません。
おそらく1000時間以上は使われているのでしょうが、まだまだエージングは必要
なのだと思います。Sigmaもユニットのつながりがよくなるまで2年以上かかりました。
ローエンドが控えめな分、高域はよく出ており、解像感を感じさせる音です。
IRS-Sigmaの音像は少し音場に溶け込みますが、V3は描写力があり見通しのよい音です。
ホールの残響音では残響時間は同じに聞こえるのですが、表現手法がかなり異なります。
IRS-Sigmaにおいてはすーっと自然に消え入るような表現です。一方のV3はスピーカー間の
濃縮された音場の範囲でふわっと包むように消えていきます。
花火では両スピーカーともスピーカーより上方の外側に音源が定位しますが、
V3は非常に近く感じるため高さが感じられません。Sigmaは背も高いのでその分
上に定位するのですが、距離を感じるためより高さがあるように感じます。
短い試聴で感じたことをまとめると、V3は壁越えは難しいようでSigmaとの比較では近めに
音像が現れます。スピーカー間の距離を直径としたドーム状の音場が現れ、その中に濃密な
音場と精密な音像を紡ぎ出していきます。音像描写力にすぐれ、低域は大変速く、音場の
見通しがよいスピーカーだと思います。
スピーカー間の間隔を離し、セッティングをもう少し外振りにすればいろいろと改善が
出来るかもしれないと感じます。もう一度きちんとした環境で聴いてみたいと思いました。