ACCUPHASE
C-3800
¥1,785,000(税込)
発売:2010年7月上旬
AAVAの10年後
AAVAを初採用したC-2800から、買い替えてみました。
以前RoHSに対応するために誕生したC-2810で感じた中域の癖が完全に払拭されていました。本機で聴くと、C-2800では気が付かなかった音の重なりが明瞭に聴くことができ、聴きなれたディスクから多くの発見がありました。しかし、聴き進めていくと、意外なことに感心してしまいました。それは10年前のC-2800のクウォリティの高さです。確かにC-3800は最近の製品らしく鮮度感溢れるサウンドが堪能できるのですが、驚くことにC-2800もそれに全く引けを取らないのです。そればかりか長い間、通電していた効果なのでしょうか、C-3800には無いしなやかさが音楽に色気を与え、非常に聴き心地の良いサウンドがします。C-3800も使い込むにしたがって、C-2800のような心地の良いサウンドが出ることを期待したいと思います。C-2800もC-3800もアキュフェーズのリファレンス・プリアンプという位置付けですが、こうやって聴き比べてみると、いたずらにサウンドをこねくり回さず、必要な部分を少しずつ改良して、理想とするサウンドに少しでも近づこうとしているアキュフェーズの姿勢が感じられます。
今度の同社50周年記念の際には、私がC-2800で感心したように、10年後のC-3800もその魅力は決して色あせないものになっているでしょう。
最後にアウトプットについて記してみます。C-2800でもそうでしたがC-3800のアウトプット端子は2系統あり、Lch/Rchはそれぞれ端子を離して接続すると、セパレーションのみならず、SN比が大幅に向上しました。
海外の製品ではLch/Rchの端子を離していますが、これはアースの端子から僅かにリークしてしまうそうで、それを防ぐ為に端子を離しているそうです。
【SPEC】●入力端子:RCA×6、XLR×4、REC IN×1、プリ入力RCA/XLR馬×各1、ヘッドホン×1 ●出力端子:RCA×2、XLR×2、REC OUT×1 ●周波数特性:20Hz〜20kHz(±0、-0.2dB) ●入力感度(定格出力時):252mV/バランス、252mV/アンバランス ●入力インピーダンス:40kΩ(20kΩ/20kΩ)/バランス、20kΩ/アンバランス ●出力インピーダンス:50Ω ●S/N比(定格出力時):113dB/バランス、アンバランス ●最大出力レベル(歪率0.005% 20Hz〜20kHz):7.0V/バランス、アンバランス ●最大入力電圧:600Ω/バランス、10kΩ/アンバランス ●ゲイン(スイッチ18dB位置):18dB(レコーダー出力時0dB) ●ヘッドホン端子:適合インピーダンス8Ω以上 ●外形寸法:477W×156H×412Dmm ●質量:24.8kg