素晴らしいサウンドだ。低音は深く沈み込み、高音もかつて体験したことのない透明感で迫ってくる。有名なカンターテ・ドミノのB面の3曲目に、1分ほどのソプラノの独唱があるが、これを掛けると、SPの中央に歌い手がポッと浮かび、その声が広大な教会の隅々にまで広がる様子が、このケーブルは克明に表現していた。
このケーブルのコネクターは、コレットチャックが備わっているが、締め付けると音のトーンが暗くなり、逆にゆるめると、明るく開放的なサウンドに変化した。
ゆるめた状態でも、抜くには相当の引っ張り力が必要なので、コレットチャックはゆるめた状態のほうが、このケーブルの性能を存分に楽しめると感じた。
また、方向性も特に表記されてなかったが、製品名である「シルバーアロウ」と書かれた白いリボンのある方をトーンアームに接続したほうが、音の抜けが良好と感じた。