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M-6200
ACCUPHASE
M-6200
¥945,000(税込)
発売:2015年4月上旬
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奇数は左

7年間使ってきたM-6000は、癖のないとてもいい音でスピーカーをドライブしてくれた。音質的な不満はなかったのだが、それ以外では使い始めから3つの不満があった。

一つはスピーカー端子が一組しかなかったので、バイワイヤ接続ではYラグを外して、金属で保護されたケーブルの芯線を、一つのスピーカー端子に2本通していた。そのため点接触によってガタが生じ接続が不安定な状態だった。

もう一つは無入力時の消費電力が180Wと、AB級アンプとしては高かったことだ。最後はこれと関連があると思うが、ヒートシンクから結構な熱を出すことだった。6月の頃だと電源を入れて20分もすればエアコンを入れたくなる温度になった。

M-6000に音質的な不満が無い分、これらの不満が年を重ねる度に大きくなり、新型のM-6200はこれらの不満が全て払拭されていたので、消費税が上がる前に買い替えてみることにした。

また買い替える前にM-6200の試聴会に参加して、メーカーから面白いアンプの話しを聞いてきたので、それをまず記してみたい。

アキュフェーズが最初に発売した製品はパワーアンプで、その次にプリ、チューナーと続く。そのためかカタログやサイトにある製品情報では、一番はじめにパワーアンプが掲載されているのは、同社から発売された製品の順番が反映されているのだろう。それだけ同社にとってはパワーアンプというジャンルには思い入れがあるし、今だとハイレゾのような音源に拘るが風潮が、70年代前半ではパワーアンプに力を入れることが、一番音が良くなると考えられた時代だったという。アキュフェーズが最初に発売した製品、P-300というパワーアンプは150W/8Ωという「とてつもない」ハイパワーで、当時では最高でも90Wくらいが最高と言われた中で破格の出力だった。なぜ、ここまでパワーに拘って開発したかと言えば、普段は使わないが余裕でパワーを持っていると、それがよい音になると考えられていたそうだ。この「ハイパワーの余力がよい音になる」という考えは、1987年のM-1000で完成形を見出す。M-1000では実に1000W/8Ωを誇った。メーカーではさぞ力強い音で出るだろうと期待していたという。しかしこの頃、アポジーやインフィニティといった周波数によっては1Ωに迫る低インピーダンスのスピーカーが出始めると、1000Wを誇ったM-1000でも十分にドライブ出来なかったそうだ。

スピーカーの低インピーダンス化は、周波数によるバラつきが無くなるよう巧妙に設計されたネットワークによるもので、スピーカーの性能と引き換えにアンプに負担を求められるようになったという。
そこでアキュフェーズが採った方法は、電源を強化することだった。8Ωパワーは大きくなくてもいいから、低インピーダンスに耐えられるアンプを開発することになり、ここで誕生したのが、1991年アキュフェーズ初のA級アンプA-100だ。8Ωパワーは100Wと前作の1/10になったが、このアンプが今までと決定的に異なるのは、インピーダンスに比例して出力が増加することだった。4Ωで200W、2Ωでは400Wと直線的に出力が倍になり、これはアキュフェーズのパワーアンプでは初めての変化であり、宣言通り電源を強化した結果がここに表れている。興味深いのはアキュフェーズのA級アンプが、低インピーダンス化したスピーカーをしっかりドライブすることから生まれたことで、石から玉のような音色を出すといった情緒的な理由ではく、純粋に電気的な性能を求めてA級アンプを作った点だ。A級アンプは既にエクスクルーシブのM4シリーズによって確立した市場が存在していたので、この牙城を崩すべくアキュフェーズのA級アンプとはどうあるべきかを徹底的に研究して製品開発をしていったそうだ。

当初のハイパワーから電源重視と変遷していったアキュフェーズのパワーアンプに訪れた次なるブレイクスルーは、2009年のA-65で採用されたホール素子だったという。それまでのA級アンプには、メーターを表示させるために電流を検出する小さな抵抗が入っていたのだが、これはダンピングファクターを悪化させていたという。A-65ではこの抵抗をホール素子に変更。電流が流れることで発生する磁界を検出して電流値を計算。抵抗を排したことで、それまでの100から一気に400までDFが向上。と同時に音に表現力と躍動感が向上したという。

今までのアンプの設計思想だと、止まっているスピーカーの振動板を動かすことに力点が置かれていた。振動板はある重みがあるので、これを動かすには安定的に電力を供給できるアンプが必要なのは既に記したとおりだが、ダンピングファクターは、この前に移動した振動板が元に戻る時にボイスコイルで発生した電力でまた振動板が動こうとするのを、アンプ側の抵抗を低くすることで、スピーカーで発生する逆起電力を吸収する目安である。タンノイのアーデンのような振動板が軽くて動きすぎてしまうスピーカーでも、ダンピングファクターが高いと、低音がだぶつかず締まった音になるそうだ。

P-300のハイパワーから始まり、A-100からパワーよりも電源の強化に方向転換。そしてA-65からダンピングファクターの向上を経て、M-6200ではどのような技術が採用されたのか。外観はM-6000と殆ど同じだが、重量が1.7kg増加しているが、これはトランスを強化した結果だけだという。スピーカー端子はP-6100のものを使っており、もともと根本の太さの棒を削って細い部分を出しているそうだ。またねじのケーブルと接する部分は、ケーブルが巻き込まないようカラ回りするようになっている。触れたことがあれば分かるが、手で回すとカラカラと乾いた音がするのは、そういう配慮があったとは話を聞くまで知らなかった。また保護回路にリレーの変わりにMOSのスイッチが使われているが、A-46以降、何千台と作っているそうだが、今まで一台も不良が無いという。またM-6000からコンデンサーの端子が上にして搭載されているが、これは万が一液漏れが起きても、床にその液が触れないためだという。消費電力が下がったことで今まで室温が20度を超えると、30分でクーラーを入れたくなっていたが、今では逆に寒いくらいでクーラー要らずだ。ヒートシンクを触ってみると、ほのかに温まっている位で、むしろC-3800の方が熱いくらいだ。その他は増幅素子がFETからトランジスタに変更になったが、メーカーの話しでは素子による音の違いは、チューニングでどうにでもなるそうで、素子による音の違いはあまり重要な要素ではないという。

音はM-6000から驚くほど緻密で音の定位も超精密に音場間に描き切っていた。正直、ヘッドフォンよりもM-6200を通してスピーカーで聴く方が、細かい音の様子が分かるくらいだった。その変化はCDがハイレゾになったような質感で、パワーアンプの変更でここまで音が変わるのかと、とても驚いている。M-6000の時は3年経つまでレビューを書く気にはならなかったが、M-6200は音が出て、最初の3秒で「あ、これは違う」と思う程、いい音だった。

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【SPEC】●定格出力:1,200W/1Ω、600W/2Ω、300W/4Ω、150W/8Ω(20Hz〜20kHz) ●全高調歪率:0.05%(2Ω)、0.03%(4〜16Ω) ●周波数特性:20Hz〜20kHz(+0,-0.2dB) ●負荷インピーダンス:連続出力仕様時…2〜16Ω、音楽信号時…1〜16Ω ●ダンピングファクター:1,000 ●S/N比(A補正/入力ショート):127dB(GAINスイッチ MAX) ●外形寸法:最大465W×220H×499Dmm ●質量:40.2kg