元住ブレーメン
元住ブレーメン
高校生時代にベータマックスで映像に目覚め、フォーマット変遷を何世代と経た今、撮影から編集、映写まで4K環境がついに実現しました。ホームシアターのための家も建て、充実した日々を送っております。 コ…

マイルーム

ホームシアター「建築」記
ホームシアター「建築」記
持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオ・シアター兼用ルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン130型以上 / 8ch以上
我が家の(地下室)ホームシアターです。 もともとは賃貸派の私でしたが、好きなときに好きな映画や音楽を好きなだけ好きなように鑑賞するには、持ち家しかないと一念発起。2005年の10月に地上二階、地下一…
所有製品
  • BDプレーヤー
    OPPO UDP-205
  • AVアンプ
    ACCUPHASE PX-600
  • デジタルスチルカメラ
    PANASONIC DC-GH5
  • D-ILAプロジェクター
  • パワーアンプ
    ACCUPHASE PX-600

日記

お気に入り製品

レビュー/コメント

KRP-600M
PIONEER
KRP-600M(KURO)
¥OPEN(予想実売価格800,000円前後)
発売:2008年6月下旬
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枯淡の境地

パイオニアのプラズマパネル自社生産撤退の報道は、画質のよい直視型デバイスを求めるAVファンには残念な知らせだった訳ですが、その際に同時に発表されていた「最後の自社生産パネルを使ったモデル」のデリバリーがはじまりました。日本で最初に出荷されたのはKRP-600Mという新しい型番がついた60インチのモニターモデルで、パイオニアいわく「5000EXという王様を超える」という力の入った製品。値段はオープンですが、実売価格は70-80万円程度で、50インチで100万円だったPDP-5000EXや、昨年はじめて「KURO」ブランドで発売された60インチのテレビモデルPDP-6010HDが99万円であったことを考えると、頑張って値段を下げているという印象です。

KRP-600Mは第9世代と呼ばれるパネルを使用しており、もちろんフルHD仕様。最大のトピックは前作の「KURO」比5倍というコントラストを実現し、最低輝度をさらに低減、「より黒い」黒を実現したことです。最低輝度が低いということは、RGB各色の純度が高まるということでもあり、輝度階調と色再現の両方での改善が期待できます。さらにこの新しいパネルは64mmという薄さを実現しており、壁掛けがより容易になっています。また、基本的なデザインは前作・PDP-6010HD同様ですが、ベゼルがわずかにスリムになり、塗料が見直されたこと、ベゼルとプラズマパネル面の段差を小さくし、映り込みを減らしていることなど、細かなブラッシュアップがなされています。

液晶と比較して、プラズマは消費電力が高く、価格も高いと言われますが、その引き換えに全てのピクセルが自発光体であることによる画面のユニフォミティの高さを無視する訳には行きません。蛍光管をバックライトに使う液晶は、蛍光管の本数や配置、反射板などの工夫で均一性を保つわけですが、KUROのレベルのユニフォミティを実現しようとすると、凝った光学系や、多数のLEDを使用することになります。前者にはAQUOSのHTモデルや後者にはソニーのモデルが存在しますが、それぞれ消費電力や価格はやはり「プレミアムクラス」になっています。

KRP-600Mはモニターモデルということで製品としては非常にシンプルに仕上がっています。接続性は、アナログのコンポジットおよびコンポーネント、DVI-D、HDMIが二系統、アナログ音声入力が二系統、コントロール系としてRS-232とEthernetが装備されています。これらの端子は全て下向きで、壁掛け設置をした後の抜き差しも何とかできるようになっています。また、別売りのスピーカー用の接続端子も用意されています。壁掛け設置すると、非常にルックスはシンプル。パイオニアのロゴはグラフィカルで高品位ながら控えめで、環境に応じて明るさが変わるブルーのパワーインジケーター共々、視聴を極力妨げないように設計されています。このあたり、かつてソニーロゴ以外はすべてマット仕上げだったブラウン管の名機・プロフィールプロHD(KX-32HV50)に通じる思想を感じます。自照式のリモコンは形状は前モデルに似ていますが、アルミのヘアライン仕上げになり、高級感がぐっと増しました。ただ、モニターモデルなので、一つの端子につないだAVアンプなどに各機器をつなぎ、スピーカーも本体にはつながないケースも多いと思われるので、画質調整くらいしかこのリモコンの出番はないかもしれません。

さて設置して一週間、テストソースや、実際の映像を色々ためした現在の感想です。

・ユニフォミティのレベルは非常に高い。
・色はデフォルトでほぼニュートラル。ゲインは低め。派手さはないが、色階調の再現性は非常に良い。
・白飛びが早い。特にスーパーホワイトはお手上げで何をしても階調が出ない。
・黒は良く粘るが、最後の最後ですとんと落ちる。
・視野角や動画解像度は優秀。
・ガンマはカーブの中腹に効く。両端には効かない。
・調整は細かいようで実は使いでのあるパラメーターはあまりない。
・ピュアシネマのアドバンスは「本当の24コマ」を実現。

意外だったのが、1%ステップのハイライトとローライトの階調が再現できないことです。まぁかなりレベルの高いことを要求しているのですが、私が仕事で使っているCRTや液晶のマスモニはもちろん、本宅のクオリア005でも再現できるので、このモニターにはそのくらいは期待できると思っていましたし、製品自体はもちろんスーパーホワイトに対応している(HDMIの信号の設定にRGB235とRGB255が明記されている)のでちょっと残念。ガンマカーブももっと自由にいじりたいところです。

私は映像によって設定を変えることはせず、映像の情報を最大限に出せるセッティングを見つけてリファレンスとして使う(キレイなものはキレイに、汚いものは汚く映す)主義で、通常そういうセッティングはガンマカーブが寝た、軟調な絵になるのですが、このモニターではその方向でセッティングをしても結構硬調な感じの絵になります。ちょっと前のニッコールレンズのような描写というとスチルカメラをやる人には分かっていただけるでしょうか。シャープでパキっとした印象。白は粘らず、色はほどほど、という感じです。

現在の設定は以下の通りです。

コントラスト:38(これ以上は白飛びが増える。暗くしてもハイライト階調は増えない。)
明るさ:+3(これ以上は黒が浮き始める)
色の濃さ:+10(カラーゲイン中立)
色あい:0(カラーバイアス中立)
シャープネス:-15(最低でないと擬似輪郭が出る)
ガンマ:5(暗部の階調が一番よく出る)
色域:1(不自然な感じはしない)
色温度:低
ドライブ:3

カラーメーターで測定したこの機種の特性はこちらのページをご覧ください。

期待が大きかっただけにちょっと辛口の評価をしていますが、美点もたくさんあり、とくに中間調の再現は秀逸です。絶対的なコントラストもやはり余裕があり、ストレートな映像のリアルさは白眉です。60インチとピクセルのサイズに余裕があるせいか、事前の予想よりも随分明るく感じます。また、我が家の環境と設置方法では、プラズマの駆動音は全く気になりません。

これまでにこのモニターで見た映画(はじめの3つはWOWOW、あとの2つはBDパッケージ)の感想を記しておきます。

「戦場のアリア」モノクロ調の映像が階調豊かに再現される。劇画的な硬調な絵がテーマにも合う。
「ミシェル・バイヨン」高い色温度で一貫。金属の明暗の対比がリアルで素材感が良く出る。
「敬愛なるベートーヴェン」間接照明の多い暗めの室内シーンの奥行き感がリアル。ダイアン・クルーガーの肌は透き通るように美しい。
「ナショナル・トレジャー2」フィルムのグレインが自然。アクションシーンも動画ブレが少なく見通しがよい。肌色は健康的で活力感に溢れる。
「トロイ」描写のシャープさが良く生きる。群衆シーンの解像感は圧倒的。コントラストの高さがその場の「暑さ」を感じさせる。

総じて、プラズマの美点を良く出した製品と思います。かつてのプラズマにあったノイズやディザなどの弱点を感じさせません。ハイビジョン映像のシャープさを満喫できるデキで、大型の直視タイプのディスプレイを検討している方には有力な候補になると思います。

レス一覧

  1. byレーザー at2008-08-02 00:12

    いいですね。うらやましいです。
    プラズマって、動画性能が良いのですが
    尾引きノイズみたいなもんは、無いんでしょうか。
    いいなぁ、そんな環境で、映画が見たいです。

  2. by元住ブレーメン at2008-08-04 12:45

    尾引きノイズはほとんど分かりません。FPDベンチマークのブランコの映像で、本宅のクオリアだと右方向にブランコが振れる際に赤い輪郭が流れるようなノイズが出ますが、このKUROではでません。白がもう少し粘ってくれさえすれば文句なしなのですが。。。

  3. byMac_cel at2008-08-04 16:27

    ブラウン基調の落ち着いたインテリアが素晴らしいですね。

    このモデル大変気になっております。元住ブレーメンさんの詳細なレビューは参考になります。HDビデオの仕事で最終確認に使う良い家庭用モニターを探しているので、取りあえず第一候補となっています。

  4. by元住ブレーメン at2008-08-04 23:21

    Mac_celさん、微妙な言い回しですが、このモニターは家庭用ディスプレイの域を出ていないと思いますので、仰るような用途には適しているかもしれません。

    Powariさん、チューナー付きのものでもパネルが一緒であれば良いと思います。逆にこのモニターモデルがチューナーつきと比べてそれほど画質に差があるとは思えません。納期は私も最後の最後まで分かりませんでした。納期が10月と言われたら他のモデルを買っていたと思います。

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【SPEC】●サイズ:60型 ●画素数:1920×1080 ●消費電力:487W ●待機時消費電力:0.3W ●外形寸法:1465W×953H×430Dmm(スタンド含む) ●質量:55.7kg(スタンド含む)