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東京都在住のオーディオマニアです。リビングオーディオです。狭いスペースを与えられてやっています。MPS-5,Marklevinson No32Lなどを愛用中。クラシックはほとんど聞かず、ポップス、ラッ…

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No32L
MARK LEVINSON
No32L
¥3,360,000(税込)
発売:-
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Mark levinson No.32L

Marklevinson No.32Lの私的レビュー

なにを今更、と思うかもしれない。
なにしろ、もうデビューから10年ほど経過したプリアンプである。
この10年間にオーディオの世界はずいぶん変わったように思う。
PCオーディオとコンパクトで高性能なデジタルアンプの出現、アナログの復権など。
このアンプが発売された当時の私には思いもかけないことであった。
しかし、プリアンプの世界に関して言えば、根本的な変化はほとんどないのではないか。
まだまだ、このプリアンプの存在意義は大きいと思う。
高価にもかかわらず、かなりの台数が売れたせいで、
このプリアンプは中古で時々見る。
それらは新品の半額近い価格で購入可能である。
一方、この9年間につぎつぎと他社の高級プリが市場投入され、かなり役者が出揃った感もあるし、(特にジェフのクライテリオンのオンステージなど)
またマークレビンソン本社でも次期フラッグシッププリの開発が進んでいる。
プリアンプ好きを自認する私には幸せな時代かもしれない。
そういう今、この時だからこそNo.32Lのインプレを述べ、他の高級プリと比較し、
その存在意義を確かめてみたい。
外観:
大掛かりな二筐体構造を持つプリアンプである。
コントロール部+電源部の筐体は真っ黒で、やや薄く、重たい。
こちらの筐体、夏は結構熱くなるし、トランスの唸りもかすかに聞こえる。
オーディオ回路を収めたもう一つの筐体は、
コントロール部+電源部よりやや軽くグレーのフロントパネルがあしらわれている。
デザインは一目でマークレビンソンと分かるものである。
足は金属とゴムを組み合わせた四足で
一度置くとピタッと棚板に吸い付いて、まるで動かしにくくなる。
大きいとは言っても、ひとつひとつの筐体の背は低いので、
ラックへの格納は難しくない。
これらを左右二本のDCケーブル(ベルデン製)でつないでいる。
非常に豊富な入出力があるが、
各入力ごとのネーミング、ゲインなど、
実に多くの設定が可能で、左右のバランス調整、位相反転はもちろん、
その数々の機能は多すぎて書くのが面倒でさえある。
とにかく、トーンコントロール以外は何でもできるといってよいでほど、多機能である。
ボリュウムコントロールは後期型では速度感応式であり、なめらかで使いやすい。

音質:
ノイズは非常に低く抑えられ、
左右のチャンネルセパレーションが非常に良く、
非常にピュアで歪みが少なく、
そしてパワーアンプドライバーの異名をとるほどの力に溢れた、
超優秀なプリアンプである。
このプリの前段機器の能力をロスせず、
極限まで引き出した状態でパワーアンプに渡す、
そういう意識が強烈に感じられる。
このアンプを使うと38cmウーファーの動きが明らかに良くなる。
このプリアンプがパワーアンプに働きかける力の強さの現われである。
バランス入力とアンバランス入力の音質差がほとんどないこと、
二系統同時出力を行っても音質的に全く変化がないことも特筆できる。
弱点があるとすると、やや音が暗いというか、
若干落ち着いたトーンに感じられることがあることぐらいである。
これは現代のマークレビンソン製品全体に言えることでもある。
このNo.32Lの最も優れた特徴は、
どんなパワーアンプとあわせても、
そのメーカーの純正ペアであるプリアンプ以上の能力を発揮して、
潜在能力を十二分に引き出すことであろう。
この特徴はこのアンプの強力かつクリーンな電源部によるところが大きい。
このアンプを使い始めてから、
ハイエンドプリを見るときは、
必ずその電源の充実度を確かめるようになった。
いかに優れたボリュウムを持っていようとも、
その後に控える電源が十分に高性能でなくては、
No.32Lと肩を並べるようなゆとり感を得ることはできないのではないか。

比較:
各社のフラッグシッププリアンプが対抗馬となる。
私見では、現在でも、総合的な視点から考えると、
このNo.32Lに、単体のプリとして、明らかに勝るものは出現していない。
逆に言えばこれ以上なにがプリアンプに必要なのか、
私個人はなかなか思いつかない。

LINN KLIMAX Kontrol SE
KLIMAX twinとともに試聴。
このプリアンプ、外観は滅法カッコよい。
本当に美しい。
このシャープでシンプルなデザインは大好きである。
ボタンも押しやすい。
音もただのデザインコンシャスな製品とは一線を画する。
高級プリアンプが満たすべき基本性能は押さえている。
SNも良くなったし、レンジも広いし、設定も豊富。
しかし、音質そのものについては、ちょっと考え込む。
やはり、こぢんまりと、まとまり過ぎじゃないのか。
リンの製品のラインアップを見ていると
送り出し、プレーヤーまずありきの姿勢を感じる。
CD12、LP12、DSである。
プリアンプはプレーヤーの信号を受けて
ボリュウムコントロールするだけの機器と映る。
システムの主役のひとりとして、
大きな顔をすることが許されていない気もする。
No.32Lはシステム全体を統括する総元締めの貫禄を持っている。

Accuphase C2810
Accuphase M6000とともに試聴。
この価格でこの音響性能と使いやすさが手に入るとは驚きである。
No.32Lのような凄味のある静けさではないものの、
SNは十二分に高く、極めて広いレンジで、素早いレスポンスが得られている。
解像度がとても高いので、微視的な聴き方をしても全く不満がない。
音数が極めて多く、それらの音ひとつひとつのコントラストが明確に示される。
どんな音楽もアキュフェーズ流に律儀に正しい音楽にしてしまうとも言えるが、
このモデルは音楽のジャンルごとの得手、不得手は少なく、それなりに聴ける。
No.32Lのようなパワーアンプドライバーとしての力は兼備えていない。
M6000とは常に対等の立場で協力している印象を受けた。

Luxman C1000f
B1000fとともに試聴。
このプリアンプは基本的にはAccuphase C2810に近い性能を持つのだが、
いい意味でより甘口の音調を持つものだと思う。
よって律儀さよりも艶やかさやしなやかさが前面に立つ。
しかし、この組み合わせで聴くと
やはり主役は超弩級パワーアンプB1000fという気がする。
C1000fはB1000fの手綱を握ってはいるものの、
やはり馬であるB1000fが勝手に突っ走っている印象が強い。
単体の性能でNo.32Lほどの存在感があるわけではない。

ハルクロ dm8
dm38とともに試聴。
異星人の宇宙船のような特異な外観。
一聴して非常に柔らかい音出しと思ったのだが、
時間をかけて聴き進んでいくと、
どんな音でも新鮮なまま素通しするような側面もあることに気づく。
柔らかい音が基調となっているようなのだが、
非常に冴えわたった音、
剛直な重たい音でもそのまま出せる。
恐ろしくスピードのある音でもあり、
音の立ち上がり、立下りがまるで瞬間移動のようにキマる。
音の上がり下がりの途中の過程を感じさせないのだ。
なにか聞いたことのない独特の世界である。
これと比べるとNo.32Lはあくまでオーソドックスなプリアンプである。

Viola Cadenza
Symphonyとともに試聴。
力強さよりも繊細さ。
濃厚さではなく淡白な素直さ。
動的ではなく静的な美しさ。
普通のプリアンプが、ややもすればないがしろにしがちなニュアンスに
耳を向けさせる個性的なプリアンプ。
当然、得意な音楽ジャンルは小編成のクラシック、
女性ジャズボーカルということになる。
音質もボリュウムつまみの操作感も
往年のチェロのアンプを意識しすぎのような気もするが、
こういうアンプは最近なかなかない。
個人的にはリモコンがないのは困るが。
No.32Lはこれほど特定の傾向は持たないプリアンプである。

dartzeel NHB18NS
NHB108 model oneとともに試聴。
このルックスは微妙である。
容姿についてあまり多くは言うまい。
リモコンもかなり近寄らないと効かない。
その音は、
鮮度感が凄い、というのが第一印象である。
最高の刺身を食べさせてもらっているような、
なんともいえない美味しい音である。
しかし、どうしてそんなに美味しいのか説明ができない。
音楽を素のままで出してくるのは確かであるのだが、
それがなにか音作りのうまさとか、
物理特性の高さによって裏打ちされているだけではない印象である。
音楽の躍動感、熱さを十二分に伝えてくる。つまり音楽性は高い。
どんな音楽にでも対応し、その音楽の旨みの部分を的確に引き出すのである。
背景にノイズは結構あるのだが、なぜかそれが煩わしくない。
それほどワイドレンジ感はないし、
スピード感も適正という程度なのだが、
音は不思議な魅力に満ち満ちており、
一度聞いたら忘れられないアンプである。
物理的な特性ではNo.32Lには及ばないであろうが、
この不可思議な音世界は唯一無二である。

Soulution720
スイス製の、例によって高価なアンプである。
全くシンプルな外観であるが、中身はギッシリ詰まっており、かなり重たい。
Soulution710とともにじっくり試聴した。
このプリはソウリューションの純正のパワーをあわせて聴くべきものだと強く思うので、
あえて、このペアのインプレを書きたい。
つまり、今回はソウリューションのプリアンプのみのインプレにはなっていない。
それほどこのペアは魅力的であったのでご容赦願いたい。
結論から言えば、このプリとパワーの組み合わせは、
いままで聴いたベストの組み合わせである。
ウィルソンのシステム8で聞いたのだが、
この聴きなれたウィルソンのスピーカーシステムがはじめて「踊っている」状態となった。
スピーカーのすべてのユニットが完全にアンプのコントロール下に入り、
縦横無尽に鳴らされ、
潜在能力をすべてさらけ出していく様が目の前で手に取るようにわかったのである。
いつもはどんな音楽もどこかクールに鳴らしてしまうシステム8なのだが、
ノリノリでご機嫌に鳴っていた。
非常にワイドレンジでスピード感があり、
全帯域での解像度が高いのは、このクラスのアンプでは珍しくないのだが、
それが、うねるような、または粘るような、時として吹き上がるような
とてつもないパワー感と一体となっていることが、他と異なる点である。
優秀なプリアンプと強力なパワーアンプがガッチリと緊密に協調し、
次から次へと難曲をこなしていく様は聴いていて爽快である。
強奏と弱奏が激しい落差をもって連続する場面でも全く余裕で通過してゆく。
音量をかなり上げても、スピーカーの能力さえ高ければ全く腰砕けなく、混濁もなく、
明確な音像とサウンドステージを保持し続ける。
恐ろしいのは、プリの電源が別筐体であったり、
モノラルパワーであったりするわけではないのに、
素晴らしいチャンネルセパレーション、
底なしのパワー感が出てくるところである。
これも私の常識ではありえないことであった。
(このソウリューションはモノラルパワーも出しているが、
そのパワーで、一体どんなスピーカーを鳴らすつもりなのだろうか。)
プリアンプ単体では、その物理的性能はおそらくNo.32Lとほぼ同等かもしてれない。
少なくともNo.32Lが大幅に劣るとは思えない。
また、No.32Lは、いろいろなパワーアンプと無理なく
組み合わせることができるという意味では上であるとは思う。
しかし、このソウリューションの純正組み合わせと比較すれば、
No.32Lとどんなパワーアンプを組み合わせても、おそらく勝てない。
このペアほど同一メーカーのシステムコンポのメリットを感じたことはなかった。
買いたいのは山々であるが、
あまりにも高価であり、
かつパワーアンプは、私の部屋には大きすぎる。
それにしても、
FMアコースティックといい、ゴールドムンドといい、ダールジールといい
スイスのアンプはなぜこんなに能力も価格も凄いアンプばかりなのか。
いつかスイスのアンプを集めて比較試聴しつつそのワケを探りたい、そういう願望はある。

Ayre KX-R
最近まで買う気満々であったので、MX-Rとともにじっくり試聴してきた。
このアンプのルックスや操作感は素晴らしい。
というかユニークで実に面白い。
ガタンガタンとボリュウムを変えるたびに表示が上下する仕掛けは最高だ。
削り出しの筐体の美しさも満点。
そこらへんはNo.32Lではとてもかなわない。
音は反応が素早く、純粋で音楽のパッションを鋭く伝える。
虚飾のない純粋さが身上である。
このアンプにはNo.32Lに感じられる余裕、ゆとり感は強くは感じられない。
またパワーアンプを豪快にフルスイングさせる印象でもない。
いわば直結感重視という感じがある。
ストレートワイヤーウィズゲイン系のアンプであるとも言える。
プリアンプに余裕綽々の懐の深さを求める私には惜しいことに合わなかった。
もちろん、これはかなり高次元での比較であり、微妙な選択であった。
しかし、この機械はただ眺めたり触ったりするためだけでも
購入したいと思うほど好みの容姿をしている。

ジェフローランド クライテリオン
Model301とともに試聴。
これはNo.32Lにかなり近い印象のプリである。
開発開始から発売まで長期間かかっただけあって、
恐ろしいほど、よく練りこまれた充実のサウンドである。
バッテリー駆動だと非常にノイズ感が低く、この点ではNo.32Lを上回る。
チャンネルセパレーションもかなり良いし、ゆとり感も十分である。
解像度も高く、スピード感もずば抜けているが、
それをことさらに主張するアンプではない。
特徴として、出音が全てしなやかで優しい印象がある。
柔らかいというイメージはないのだが、どこか女性的である。
No.32Lが男とするとクライテリオンは女性であると思う。
総じて非常に優秀であり、
No.32Lとのはっきりした違いは、
SNの高さと音の優しさではないかと思う。
もし、No.32Lが使えなくなったら、
このクライテリオンを導入するかもしれない。

まとめて言うと:
とにかく凄いプリアンプです。
No.32Lは。

レス一覧

  1. byブラックタイガーマスク at2009-12-05 09:35

    はじめまして!!
    読み応えのあるインプレですね。脱帽します。私もSoulutionは試聴したことありますが本当に素晴らしい製品ですね。
     ただしおっしゃるとうり、No.32Lも至上最高のプリで今後このような製品は、今の新体制の(マドリガルからほぼ主要メンバーがいなくなった)ハーマンスペシャリティではもう作れないでしょう。
     現に日本主導企画のCDPのNo.512や最新のパワーNo.53、No.532はあまり評価されてませんね。(現パワーアンプはNo.433以降からの開発者が担当らしいです)No.432Lの400シリーズまでは前社長マークグレイジャー達の旧マドリガルで商品企画、設計してたはずです。
    長くなりましたが今度のNo.32Lの次世代機はあまり期待できないかもです。
    それと、Soulutionの純正に勝る組み合わせは、No.33Lをあてがうのが一番ですね。No.32LはNo.33Lの為に作られたリファレンスラインなので相性も抜群です。
    では失礼いたします。

  2. by上奉書屋 at2009-12-05 11:03

    お読みいただきありがとうございます。
    No.33Lはさすがに純正だけあってマッチングは最高ですね。
    Solutionのペアと聞き比べてみたいです。
    No.32Lは万能とは思いませんが、私にとってはかけがえのないプリです。

  3. by夜更けのミミズク at2009-12-07 23:45

    こんばんは、夜更けのミミズクと申します。
    上奉書屋さんの素晴らしい表現力に感服しております。
    当方所有のHalcro dm8,dm38について、またMPS-5の評の中のMarklevinson 512についてなど、なるほどそうであると思っています。
    Halcroはその音の柔らかさで真空管アンプに似ていると言われたことがあります。私はウーハーをそっとグリップするような低音を聴いてすっかり虜になりました。
    Marklevinson 512はブラックタイガーマスクさんがコメントなさったように雑誌などでもあまり取り上げられませんが、まじめな聴き疲れしない音を気に入っています。
    大変勉強になります。今後もいろいろお教え下さい。

  4. by上奉書屋 at2009-12-08 00:08

    こんばんは、夜更けのミミズク様。
    お読みいただきありがとうございます。
    素晴らしいシステムお持ちですね。
    ハルクロのペアとマジコですか。
    かなりスゴそうですね。
    マジコV3は試聴経験がありますが、
    密閉型とは思えないすっきりしたクセのない音で
    隠れた傑作ではないかと思ってました。
    これをハルクロで、
    しかもアルジェントの最高級SPケーブルで鳴らすとは。
    No.512がそこに入るとなると、これは・・・・。
    かなり凄いでしょうね。本当に羨ましいです。
    このシステムは見ているだけでも参考になります。
    また、いろいろと教えてください。

  5. byリラックマ5656 at2012-01-15 22:07

    はじめまして。リラックマ5656という新参者です。よろしくお願いします。Jeff Rowland の「Corus」に興味を持っているので、別にお書きになった、コーラスのレビューを拝見し、このレビューも拝見しました。
    メインがダールジールなのですが、どうしても、あの色の強いプリを置く気になれず、いろいろ探しています。ソウリューションもクライテリオンも、5555で中古で出ているので、コーラスとどちらがいいかを悩んでいますので、大変参考になりました。これからもよろしくお願いします。

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【SPEC】●入力端子:XLRバランス×3ペア、RCAアンバランス×5ペア ●出力端子:プリアウト→XLRバランス×2ペア、RCAアンバランス×2ペア、レコード出力→XLRバランス×1ペア、RCAアンバランス×2ペア ●ゲイン:0/6/12/18dB、フォノモジュールゲイン→+40dB/+60dB(オプション) ●最大入力:+18dBゲイン 2V(バランス)/1V(アンバランス)+12dBゲイン 4V(バランス)/2V(アンバランス)+6dBゲイン 8V(バランス)/4V(アンバランス)0dBゲイン 16V(バランス)/8V(アンバランス) ●最大出力:16V(バランス)/8V(アンバランス) ●入力インピーダンス:100kΩ ●出力インピーダンス 10Ω以下(バランス)、20Ω以下(アンバランス) ●周波数レスポンス:10Hz〜40kHz±0.1dB ●歪率(THD+N):0.001%以下 ●電源:AC100V(50/60Hz) ●消費電力:150W(最大) ●外形寸法:オーディオサーキット部→495W×106H×289Dmm、電源/コントローラ部→495W×77H×329Dmm ●重量:オーディオサーキット部→12.4kg、電源/コントローラ部→17.7kg