楽器の演奏者や、よく生の演奏を聞く人なら倍音表現に優れると言うとイメージがつかめるだろう。音が鳴る周波数は低いのだけど、心地良く感じるのは共振から生まれた"n倍"の周波数、この表現力に優れているイヤホンが ER-6i なのです。中高域の音の表現は、このクラスにしては驚異のレベルに達しています。その代わり低音が弱く、プレイヤー側で強調させないと満足できないかもしれません。
短所としてカナル型でも、この3段重ねが人によって痒く感じることがあります。私の耳は湿り系で長く聞くには苦痛をこらえなければならず、耳かけ式のイヤホンへ仕方なく変更しました。MDR-Q68LWの形状と使い勝手で、実勢1万ぐらいの高級仕様が出るまで辛抱の時です。それがもし倍音表現に優れたものだったら、歴史に残る名機となるだろうに(倍音表現悪いモデルなんてそもそも関心無し、注意されたし)。加えてポータブル用途なのでインピーダンスが16オームに収まってくれないと困るわけで。こうした国産品の現状から、ER-6i しか選択できそうにない。
ケーブルの断線は、引っ掛けてしまう注意をしないといけません。この断線は根元から切れて修理不能です。ケーブル長があるので、ドアの取っ手やシートベルトなど、そのまわりでは慎重に扱いましょう。イヤーチップは交換可能です。湿り系の耳は黄色くなりやすく早めの交換をおすすめします。耳の不潔感は意外とダメージが大きいので気をつけて下さい。