AUDIO DESIGN
DCP-210
¥299,250(税込)
発売:-
選択機
2015/2/8追記:入力はRCA優位です。聴感上、入力はRCAの方が鮮度が上です。また、足元は貧弱そうなインシュレーターですが、そのままでもあまり問題ないのかもしれません。ボード下にツルツルフェルトマットを敷いてみると良い方向でした。本体が軽く、振動対策は効果が出やすいのでしょうか。
4/10追記:AC電源極性という概念は電子工学的に存在しないという返事をいただきました(直接記載はありませんが、管理していないということのようです)。
4/4追記:S/Nですが、アッテネーター全開にしても何のノイズも感じません。このプリにしてから古いモノラル録音をかけると、SP間真ん中から奥に向かって前後に伸びるような音場が出現しやすくなりました。
まず、このメーカー、HPの解説も、製品に付いてくる取扱説明書もあまりにも内容が少なく、必要なことがわかりにくいです。
このプリはバランスプリとのふれこみですが、中で信号はアンバランスになっているので純粋なバランスプリと思ってはいけません。
また、出力について5種類あるように書かれていますが、要するにRCA出力は15dBゲインのプリになるか、パッシブプリになるか。XLR出力は、0dBもしくは15dBゲインのプリになるか、ということで、実質的に4種類しかありません。メーカーの書き方では0dBがより高性能ということで、どうやらspecの周波数特性などのことを指しているようです。
恐らくDCP-210を検策すると、僕の記事ともう一方の記事が主に出てくると思います。その方の試聴記も非常に参考になりました。ほぼ全く同じ印象の記事でした。
おおむね以前試聴機を借りていたときと印象は同じです。どの出力方法も多少の変化はありますが、色づけがあるようには感じません。いずれも「そのまんま」と感じさせます。
箱は軽く、特に足はなかなか貧弱です。ここを替えると変化はありそうです。BODYはアルミのようですが、ネジが磁性体のようでドライバーを近づけるとくっつきます。シリアルナンバーなどの記載はありません。
電源の極性は間違っていることがあるようで、純正ケーブルは2Pなのでひっくり返すだけですが、交換して3Pタイプを使うと2Pアダプターを使用したり、接続をし直したり、アースを外したりする必要があるかも知れません。というのは、実は試聴記の時の鮮烈さが購入機ではまったく感じられませんでしたが、極性を逆に接続するとさらに音に透明感がよみがえり、広がりも広がったからです。間違いなく僕の個体では逆の方が聴感上は正しい極性の様子です(注!:全て逆ではないでしょうし、聴感上なので本当は間違っていない可能性もあります!!)。
このプリアンプの大きな特徴が二段式のアッテネーターです。粗調節と微調節の二段構えとなっています。説明書では「例えば-12dBにするときは、粗調節0dB
、微調節-12dBではなくて、粗調節-6dB、微調節-6dBとすることをおすすめ」という内容が書かれていますが、これは賛同できません。圧倒的に「粗調節0dB」状態が高音質です。0dBとそれ以外では音のクリアネス、ダイナミクスが異なります。なので、大出力気味になってしまいますが、粗調節は0dBで固定して微調節の-21dBから0dBの範囲で調節できるようにする方がこのプリアンプの能力を味わえると思います。
出力の仕方で音質が変わります。
僕は最初、必然的にRCA出力だったのですが、パッシブ状態と15dB状態では明らかに低域の安定感が異なります。全体の見通しの良さ、澄み切った感覚はパッシブ状態の方が僅かに上ですが、低域が緩くなり、全体のリズム感や躍動感は後退します。ただ、恐らく小型SPであれば気がつかない領域だと思います。中高域は15dBの方が若干堅さを感じます。
本日(3/30)、特注のXLR-RCAケーブル(2番HOT、3番はフロート)を導入しました。これでXLR端子からパワーアンプRCAへ接続できるようになったのですが、確かにこれだとパッシブプリではなく、0dBプリの特性と感じます。透明感はパッシブプリの状態とほぼ同等でありながら、低域のグリップ感がプリを通した状態と同様です。勿論、XLRで15dBにすると若干の音の堅さが乗るなどはRCA 15dBと同様です。プリを通すことでインピーダンスの整合性がとれ、パッシブの弱点である低域の緩さを改善出来るのだと思われます。
聴感上、我が家ではRCA入力、XLR 0dB出力が最もクォリティが高いと感じました。
また、ゲイン0dBはもう一つメリットがあり、プリ出力が弱くなる分パワーアンプのボリュームを開放に近くすることができます。こうすることでパワーアンプのボリュームによる音質ロスを減らしながら、同時に粗調節を0dBにしやすくなり、プリ、パワーの能力をそれぞれ発揮しやすく出来るように思います。
勿論、ゲイン、出力、粗調節位置などの変化は多大なものではありませんが、プリの能力を最大限活かそうとするならば上記のようなセッティングになると思います。
高周波ノイズを軽減するpreferenceスイッチは正直不要かと思います。接点一つ減らして、単に「ノイズが乗るなら入り口改善の余地有り」で良かったと思います。
総評としては、「お買い得品」と言って差し支えないと思います。ほとんどパッシブプリそのもののクリアさ、ストレートさ、繊細さを持ちながらパッシブプリの躍動感の欠除を解決できるプリアンプです。他の機器の能力が試されるという弊害はありますが、持っていて間違いない製品だと思います。
*もっと聞き込めば後日追記、変更もあるかと思います。
【SPEC】●入力:RCA(アンバランス)×3、XLR(バランス)×2 ●出力端子:RCA(アンバランス)×2、XLR(バランス)×1 並列同時出力 ●周波数特性:1Hz-8MHz(straight)/1Hz-30KHz(purified) アンプゲイン0dB時 ●全高調波歪率(THD+N):0.002%(gain 15dB, 2V出力)、0.0008%(gain 0dB, 2V出力) ●S/N比:110dB(gain15dB)/113dB(gain0dB)@2V出力時 @1kHz, A補正 ●消費電力:15W ●外形寸法:355W×86H×243Dmm(突起部ふくまず) ●質量:3.6Kg