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オーディオと同じくらい部屋が好き。国内・国外のオーディオショーやショップを訪ね歩いています。

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ルームアコースティック 吸音対策の実践と振り返り

昨年、吸音対策についていくつか実践したので少し掘り下げて書きます。
この記事の続きです。

まず、ルームアコースティックはその目的・対象があると思います。
例を挙げるとすれば・・・
・どこを(低域・中域・高域)
・どうするのか(吸音・拡散・響き付加等)
・それは何故か(量感過多、残響過多、その逆等々)
という部分をある程度見定めて行う必要があると考えています。

うちのオーディオルームは引渡時の何もない状態で強く手を叩くと
「パァーン(ビィン)、パァーン(ビィン)」
「ポァーン(ビィン)、ポァーン(ビィン)」
という感じでした。

最初の問題点は残響過多ということと、水平・上下いずれも平行面がそのままなので特定帯域がビンビン鳴っています。間接音や響きだけの音源ならそこまで目立ちませんが、POPSやROCKなどをかけたら余分な響きが多過ぎて音が混濁し、細部が潰れ強い音がボヤケて出ないため、今から考えると違和感がMaxHeartです。低域については造り付けの吸音層である程度の対策が出来ているはずなので、主に中高域をターゲットとして余分な響きを吸音し、全体を適切な響きに調整することを目的としました。

(対策前)


次に、何をやったかについてですが、自分で無理なくやれる範囲で検討した結果、リスニングポジションから見て水平方向は吸音パネルを設置し、上下方向については下側に絨毯を敷くことにしました。前後どちらを吸音あるいは拡散させるかは議論が分かれるところですが、前側はPJの投射があるため余計なものは極力置かないほうがよいということもあり、後ろ側を吸音することとしました。

■吸音パネルについて
グラスウール(図の黃色)とロックウール(図の灰色)を試しました。605×910mmの既製品が安価にあるのでまずはグラスウール10枚、次いでロックウール8枚を購入し、100円ショップの壁紙用フックと組み合わせて、壁クロスに貼り付けて設置しています。設置場所は3回位付けては剥がしてを繰り返して図のように収まりました。

(吸音パネル設置例)

左右両面と後ろ側に順次設置したところで手を叩くと「パァン(ビィン)、パァン(ビィン)」という感じで大分響きは軽減されたものの、上下方向の反射がまだ結構残っていました。ちなみにSP側の2枚はおまけ程度で残りは別のところに使っています。

■床の絨毯について
複数種類の素材と形状を試しました。

①ポリプロピレン
②ウール
③ポリエステル+ウレタン
④コットン

(絨毯設置例1)

(絨毯設置例2)

(絨毯設置例3)

それぞれ素材由来の音の違いもあり、基本的に厚く重いほど下の帯域まで吸います。②はそれなりのお値段で結構重くてかなり高域が落ち着きました。③は非常に安価で軽めでしたがある程度の面積で敷いても吸音という意味ではそこまで顕著な効果がありませんでした。最終的には④で落ち着き、②と③の中間でやや柔らかめというイメージです。

他にシルクとかリネンとかアクリルとか色々ありますが、素材・面積・スピーカーの放出エネルギーなどで効果はガラッと変わるのでどれがよいとか単純かつ一概には言えません。基本的には面積を広く取ったほうが効果が実感できます。但し、全ての床面に敷き詰めるのは些かやりすぎで、以前の部屋や今のリビングは全面敷き詰めていますが高域や空間のニュアンスがかなり削がれてしまうように感じます。

絨毯を入れて最終的に手を叩くと「パン!、パン!」という感じになります。部屋のどこで手を叩いても感触はほぼ同じで水平方向・上下方向共に余分な響きは殆ど取り除かれました。やや響き少なめに振っていますが、様々なジャンルの曲をかけても特に違和感はなく、直接音の強さも間接音の豊かさも、楽器の機微も打ち込みの動きも損なわれることなくきちんと出るようになりました。

(パネル・絨毯設置及び吸音イメージ)
※実際は他にもいくつか対策を行っています


さて、ここからは振り返っての私見です。

「吸音しすぎると音が死ぬ」とよく見聞きますが、その匙加減は文章での理解だけでなくカラダで体験して理解する必要があると考えます。音は適度に響かせるのが気持ちいいことも多いのですが、響きすぎると本来あるべき「バチッ!!」とした「音の強さ」や「音の鋭さ」が出ず、音源によっては明確な欠点になりかねません。私が国内・国外で色々聴いた中で、本当に良いシステムは音源や好みにとらわれず何をかけてもハイレベルな再生音を提供します。「何かは鳴るけど何かは鳴らない」はTDN堂々巡りなので、「何でもしっかり良く鳴る」を部屋とシステムの両面から目指すべきでしょう。

低域は後付の薄いパネルなどでは到底制御できず絶対的な物量が必要であり、部屋の設計時点でコーナーの吸音処理を施しておくのが一番楽で確実だと思います。中高域は低域に比べると比較的コントロールしやすく後付でも充分に調整の余地が取れます。そして何も全面をやる必要はなく、上下なら床面だけ、前後なら後面だけでも確実に効果が見込めます。

防音せず音が抜ける部屋ならルームアコースティックの考えもまた少し変わりますが、防音室は密閉空間になるので音が抜けず、部屋に由来する響きの量、低域の凹凸、高域のキツさなどがより顕わになるため、ある程度狙いを定めて音を制御しないと酷い音になりかねません。設計時及び引渡し後においても注意深く吸音について検討する必要があり、音楽だけでなく音の問題を捉えて対策・改善することが求められる、現状ではそのように考えています。

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Devialet 240

DEVIALET

Devialet 240

¥2,079,000(税込)

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卓越した技術と性能 或いは確固たる美学

DEVIALETは2007年に設立されたフランスのブランドである。独自技術のADH (AnalogDigital Hybrid)を用いた「D-Premier」が有名で、1つのボディにDAC・プリアンプ・パワーアンプ・フォノイコの4つの機能を兼ね備える。クロームメッキで鏡のような薄い筐体はひときわ印象的だが、実際に聴いたことがある人は意外に多くもないだろう。



日本に入ってきたのは2009年の暮れ、DynamicAudioにて取扱が始まり、2011年11月からはStellaが 輸入代理を行うようになった。モデル名はDEVIALET120、DEVIALET200のように出力で表され(本国名はEXPERT)、上級機になるほど出力が増し、多機能になる。技術的なことはこちら、機能的なことはこちらが詳しい。

その後、諸般の事情から2015年6月末をもってStellaは取扱を終了したが、しばしの時を経て、2018年6月1日より、デビアレの日本法人がアフターサポートを行うようになっている。


さて、2ヶ月前の4月1日だったか、我が家にやってきのはDEVIALETの250。ややこしいDEVIALETのラインナップだが、250は単独機としては事実上の最上位機になる(但しProとDualMonoは別)。それまで使用していたのはPSAudioのDSDAC(定価約70万)と、GOLDMUNDのMimesis9.2(定価約370万)であり、DEVIALET250には上記構成を超えるだけの能力を期待して我が家にお越し願った。



我が家の送り出しはいわゆるPCオーディオで、BTOPCに取り付けたLYNXのサウンドカード「AES16e」から、AES/EBUで出力し、DACで受ける構成を採っている。予てからより良いDAC/PREを探していたのだけど、条件はAES/EBU入力があることがマストだった。DEVIALETは意外なところで選択肢の1つとして浮上したが、当初は「プリメインアンプ!?」という先入観があった事は否定しない。

尚、PCは外部からの映像と音声を受けて編集することもあるので、ネットワークオーディオは我が家には馴染まない。複数台のPCも置くスペースがないわけではないけれど、操作を考えると極力1台で収めたいというのが正直なところだった。


そんな経緯があり、やってきた250を繋いで聴いてみる。接続ケーブルの関係で、まずはPC(AES16e)⇒DSDAC⇒DEVIALET250(アナログ入力)⇒CS6の構成となった。

一聴した感じは「カッチリ」「スッキリ」「シャープ」な感じ。MUNDも似た傾向があるけど、聴き込んでいくと結構、いや随分違う。響きが豊かで優雅で典雅、それでは緩く鈍いかというとそんなことは微塵もない。押し引きは寧ろ俊敏だけど柔らかさと俊敏さが相反せず、しっかり高いレベルで両立している。

更に聴き込んでいくとこれが凄い。特にローの質感、これまで以上に重く深い低音が、実に軽やかに、あっけないくらいに易々と出る。感度86dB、インピーダンス4Ω、質量81kg、鈴木先生じゃないが、CS6も鳴らしやすいSPではない。薄い筐体の「プリメインアンプ」がいとも容易く重量級のSPをドライブする様に驚きを隠せなかった。


冷静に見ていくと、スピーカーをグリップする能力が抜きん出ている。とは言え「どうだ駆動力が凄いだろう!!」といった押し付け感や強調感は一切ない。無色透明・無味無臭かと言うとそんなこともなく、気品と色艶、美しさと躍動感が見え隠れする。なんともまあ恐れ入ったもので、1週間と経たずに試用期間は終了し、即戦力として中核を担ってもらうこととした。

おっと、Mimesis9.2は当時のトップモデルとはいえ、流石に30年近く前のモデルである。MUNDはMUNDで良さはあるので、そこは全てを否定するつもりはない。



その後、長尺のAES/EBUケーブルを新調し、PC(AES16e)⇒DEVIALET250(AES/EBU入力)⇒CS6の構成に変更した。これだとデジタルで直結するのでRCAケーブルすらも要らなくなる。音は上記に加えて更に高精細・広帯域になり大変好ましい。低域を制御する動的能力もさることながら、ボーカルがなんと気持ち良いことか。そこに立っているかのように、澄んで浮かび上がる中高域は見事という他なく、あれよあれよと魅入られてしまった。


気になったのでネットでDEVIALET評を漁ってみたが、ダイナにあるこちらの記事が一番自分の印象に近かった。



この記事でも冒頭の紹介記事でもあるが、リモコン、特に音量調節は素晴らしい。多くのリモコンは「ボタンを押す」だが、DEVIALETのリモコンは「ボリュームノブを回す」である。これがやってみると実に愉しい。もはや快感と言っても良い。本体と同じ仕様なので、適度な質量、ほどよいトルク感、美しい質感があり、無線なので好きな場所に置ける。いつの間にか忘れていた「ボリュームを回す愉しみ」を、それはそれはスマートに提供してくれるわけだ。

ちょっとしたことかもしれないけど、リモコン1つとっても造り手の考え方というものが垣間見えてくる。つまるところそこは「コスト削減部分」なのか「付加価値を生み出す部分」なのか。DEVIALETがどちらかは言うまでもないし、そこにはただの見栄や自己満足ではない、美的感覚の違いというものも少なからず感じてしまった。


さてさて、美しい音質、快適なリモコンの他にも目を見張るところは多い。機能に関してはあまりに多岐に亘るので詳細は触れないが、例えば無線接続をすることで、最小限のケーブル構成で音楽再生をすることが出来る。本体内部は表面実装素子による回路基板で、ノンワイヤーというからこれも面白い。無用なケーブルを使わない構成にすれば、ケーブルのクオリティや素材をああだこうだ言わなくていいし、美観上もゴチャゴチャしない。その分のリソースを他に回すことで、既存のセパレート志向とはちょっと違ったアプローチが出来る。

また、複数のDEVIALETを使う応用例も豊富で、DualMono構成にして出力を増大させたり、マルチを組む事も出来る。チャンデバ内蔵のパワーとして使い、オリジナルNautilusを鳴らすことも出来るという。Munichでの写真があったが、一種の芸術品の様な構成だ。



そんなわけで、使い手次第で応用の幅も広く深く、これまでに無かった在り方を提供してくれる本機はまさに「Integrated」。200万を超えるプライスを納得させるだけの機能と、性能と、美学を備えている。2ヶ月間触れてみて、そのように理解した。

とは言ったものの、これが最高と言うつもりは毛頭ない。本機以上の情報量を持つDAC、魅力的な音色のPRE、力強く明瞭なPWR等々、値段に目をつぶって音に耳をすませば、他に良いものを聴いたことがないわけではない。本機をいつまで、どこまで使うかは分からないが、今のところ確かに自信を持って言えるのは、DEVIALETが自分の期待と想像を遥かに超えていたということである。

そして、ハイエンドとミドルレンジに見えない境界線があるとすれば、それはつまり・・・

マイルーム

A&Vのお部屋
A&Vのお部屋
持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン130型以上 / ~2ch

※引越したので現在は18帖の専用室です

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