図1:コントロールルームにいるサウンドエンジニアが、より広いライブスペースで短く鋭い衝撃音を鳴らしたときに聞こえるインパルス応答。赤は狭いコントロールルームからの反射と残響、青は広いライブスペースからの反射と残響を示す。(Howard and Angus, Acoustics And Psychoacoustics, Focal Press, 2009から引用しています。)
図1は、ライブルームでミュージシャンがスネアドラムを1回叩くような短い鋭い音を出したときに、コントロールルームでエンジニアが聞いている音を示しています。サウンドエンジニアが最初に耳にするルームエフェクトは、ライブ空間の音響からのものではなく、コントロールルームの壁からの反射によるものです。これは、コントロールルームでは、直接音(コントロールルームでは、ラウドスピーカーからの音)と壁からの最初の反射との間の時間であるITD(Initial Time Delay = 初期反射)が最も小さいためです。
・Live End Dead End
非環境型は吸音のための物量、音量を出すためのアンプの物量が必要となる欠点がありましたが、この方法論は一次反射、初期反射をなくすことを目的としています。基本的には非環境型と同じ考え方ですが、一部を妥協し非環境型と比較して完璧ではないが、より安値で実現できる方法です。
・Reflection-Free Zone & Controlled Image Design
上記とは異なる方法論です。これは初期反射の方向を制御し、リスニングポイントに初期反射が直接到達しないようにする、というものです。部屋の形状とリスニングポイントに制約があるので専用部屋以外では現実的ではないと思います。
>Blackbird Studio Cはこれらの原理に基づいており、図13に示されています。この部屋の経験では、壁からの音の反射に気づいていません。ほとんど無響に聞こえますが、残響があります。この部屋で再生されるステレオおよびマルチチャンネル素材は、広いリスニングエリアで安定したイメージを持っています。