B&W
802 Diamond(800 Series Diamond)
¥1,008,000(税込)
発売:2010年4月
満足のいくスピーカーです
あらかじめお断りしておきますが、同レベルあるいは近接した価格帯のスピーカーと比較試聴したレビューではありませんので、私が個人的に「素晴しい」「凄い」と言っても殆ど何も伝わらないかも知れません。この製品を買って良かったと思っているユーザーが一人いる、という程度で受け止めて下さい。
私の現在の装置は、
CDプレーヤー:marantz SA7-S1
プリアンプ:luxman C-800f
パワーアンプ:luxman M-800A 2台をBTL接続
です。それまでは、CDPとプリまでは同じですが、パワーアンプはM-800A1台でB&W N804を鳴らしていました。
何が変わったかを一言で言えば、「臨場感」です。ダイヤモンドツィーターの恩恵はあまり認識できませんが、まず低域の量感が大幅にアップしたこと、そして全体のつながりが良いからだと思いますが、ライブ録音のCDを聴くと、本当にその場にいるように演奏家や聴衆の息づかいが感じられます。そしてそれは、私の主観になりますが、まるで演奏家の情熱が見えるように思えるほどです。
年に10回程度はクラシックのコンサートに行きますが、必ずしも良い席がとれないことも多く、演奏に浸りきれないフラストレーションを感じることがあります。むしろ現在の再生環境だと、CDを聴く方が満足度が高いということも十分起こりえると思います。余談ですが、古い録音のCDを聴くと結構聴衆の咳その他ガサガサする音が入っており、欧米の観客もさほどお行儀良くないんだなと思います。そういった雑音はさておき、いやこれも雑音なのかも知れませんが、ピアノのペダルを踏む音や弦をこする音等、今まであまり聞こえなかった、あるいは聞かなかった音が聞こえることが、臨場感の向上につながっているのだと思います。
プリメインからセパレートアンプに変えてN804を鳴らしている時、大編成のオーケストラやオルガンの低音も心地よく聴けましたので、「もうこれで十分だ」と思ったこともありました。しかし、10年ほど前オーディオショップでN802を試聴して凄いと思ったものの、予算の事情で804にせざるを得なかったトラウマがあり、また、どうしても低域までのびた音楽の再生には大口径ウーハーが欠かせないという意識から抜け出せず、スピーカーのグレードアップを志した次第です。
その点からJBLのK2 S9900やB&Wの801Dに憧れましたが、JBLは9900だけでなくDD66000等も聴いてみましたがどうもLUXMANのアンプとは相性が悪いように感じられ、801は満足に試聴できるところがなく決断できないうちに廃番になってしまいました。38cmが無理ならせめて30cmでもと、同じB&W Series Diamondの800と802を比較試聴してみましたが、試聴環境のせいもあったのか、私には800の優位性がさほど大きくは感じられなかったため、802にした訳です。おそらく800であれば更に上をいく音楽再生ができるのでしょうが、私は802で十分すぎるほど満足しています。本当に素晴しいスピーカーです。
【SPEC】●構成:3ウェイ・バスレフ型 ●ユニット:25mmダイヤモンド・ドーム・トゥイーター、150mmウォーブン・ケブラー・コーンFSTミッドレンジ、250mmロハセル・コーン・ウーファー×2 ●再生周波数帯域:-6dB @ 25Hz〜33kHz ●感度:90dB(2.83V,1m) ●高調波歪率:<1% 40Hz〜100kHz、<0.5% 70Hz〜100kHz ●公称インピーダンス:8Ω(最低3.5Ω) ●クロスオーバー周波数:350Hz、4kHz ●外形寸法:368W×1135H×563Dmm(ポールキャスター含む) ●質量:72kg