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クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

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「音、音、音。 音聴く人々」(オーディオテクニカ編)読了

カートリッジ、ヘッドフォン、マイクロフォンなどを手がけてきた音響機器メーカー・オーディオテクニカが創業50周年を記念して、様々な音楽家や音エンジニアなど音に携わる人々へのインタビューに、エジソン以来の音響機器の小史を交えて編纂公刊したもの。

巻頭をかざるインタビューでは、坂本龍一さんが「自然の音を聴くことが芸術の原初的な衝動だと思います」と、音楽や音響技術の原点としての『音聴く人々』を語る。

自然の音から生まれた音楽は、気候や風土、民族の感性で多種多様。それでいて、その感動はつながっている。ギタリストの渡辺香津美さんと村治佳織さんの対談では、そういうふたりが世界のあちこちで聴いた音の探求の旅路を語り合う。

後半は、音を記録する、再生で音を聴く、という19世紀以降の音響産業の歴史を一望していく。知っているようで正確には知らない音響技術の変遷を一気にたどる。音楽プロデューサーや録音エンジニアたちも数々登場する。

なるほどオーディオテクニカは、カートリッジなど、音という振動を音楽信号(あるはその逆)に換えるいわゆるトランスデューサーの専門メーカー。本書もちょっとそこにはこだわりがあるようだ。

コラム記事も面白い。例えば、「音派と音楽派」。確かに、大音量の拍手にじっと耳を傾ける人や、ガラスの割れる音とか耳をつんざくような雷鳴とかに異常なまでに執着するひとがいるという。思わず高城重躬さんを思い浮かべてしまった。高城さんは、演奏に対する関心よりもそういう無機質な音やピアノなど楽器そのもの音への関心が高い典型的な「音派」だったと思う。

印象に残ったのは鈴木雅明さんの、演奏家の立場からみた素材としての「音」というお話し。

同じ音高であっても音色は違う。音色には時代があり、形も違うし、発音の経過によっても違う。そういう音の違いは、楽器の形の違いでもあって、弦を擦る弦楽器と円筒形の気柱を振動させる管楽器では違う。鍵盤の端は、すなわち楽器の音域の限界。そういう限界の音には何か悲痛で切実な音があるという。例えばモーツァルトを音域的に余裕のある現代のピアノではなく、当時のクラヴィールで弾くことの意義はそこにあるという。トラヴェルソを普通の指遣いではなくクロスフィンガリングにするとくぐもった音がする。あえてそういう指遣いにするのは、つまりは演奏家がその音が欲しかったから。ピリオド演奏の醍醐味はそこにあるというわけだ。

ページを繰りながら、軽く読み流す。時々、にんまりしたり、あるいは、ふと考え込んだり。楽しい「音」のお話し本です。





音、音、音。 音聴く人々
オーディオテクニカ編
幻冬社

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