EINSTEIN
The Absolute Tune II
¥1,260,000(税込)
発売:2009年10月1日
OCTAVE V80との比較
“EINSTEIN”とは、1989年、ドイツのドルトムントにて設立されたオーディオメーカーだそうです。電源部にトランジスタを使用したハイブリッド方式を採用した、「The Absolute Tune II」の評判がいいようなので、価格帯がほぼ同じであるOCTAVE V80と比較試聴してきました。
CDプレーヤー :「The Source」
スピーカー:ガルネリ・メメント
試聴CD:
ピアノトリオ:ビル・エバンス、ワルツフォーデビー
女性ボーカル:サラ・ボーンの枯葉、ホリー・コールのコーリング・ユー
ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン、バッハ:シャコンヌ
V80は、高域の音は気品にあふれています。ヒラリー・ハーンのヴァイオリンの高域の華やかさはとても好感が持てます。しかし、ちょっと優等生というか、溌剌とした躍動感に欠けます。中域と低域の音の厚みが足りなく、Unison Research・Sinfoniaに比べると石のアンプに近く、管のアンプ独特の暖かみや膨らみ、つややかさがあまり感じられません。真空管を交換すればチューニングできるかもしれませんが・・・
「The Absolute Tune II」はセレクターとヴォリュームの、大きなツマミが左右に付いているだけのシンプルなデザインです。「The Absolute Tune II」の醸し出す音場は立体的で膨らみがあり、石と管のそれぞれの良さがバランスよく整えられていて好感が持てます。
サラボーンの枯葉では、ローランド・ハナのピアノの低域の音がしっかりと出ている、アンディー・シンプキンスのベースのうなりも気持ちいい、ジョー・パスのギターの位置もはっきりわかり、音場はとても立体的です。。
V80ではあまり出ていなかったヒラリーハーンの低域と中域の音もしっかりと表現されていて、全域にわたってV80よりもバランスがいい。ただし、高域の音にもう少し、華やかさが加味されていればいいのですが、高域の音はV80に比べて劣ります。
特にヴァイオリンでは高域の音の表現力はもっとも大切な要素なので、ちょっと画竜点睛に欠けるような気がしました。
ガルネリ・メメントとの相性の良さという点では以下の印象を得ました。
Sinfonia >The Absolute Tune II > V80
【SPEC】●入力端子:シングルエンド(RCA)×5 ●スピーカー端子:WBT製バインディングポスト×1 ●端子:シングルエンド(RCA)×1 ●S/N:>105dB ●THD:<0.03% ●チャンネルセパレーション:85dB ●ダンピングファクター:>200/8Ω ●出力:80W/8Ω ●真空管構成:E88CC/6922双三極管×4 ●外形寸法:430W×185H×430Dmm ●質量:19kg