にら
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雑食ですが、主にJAZZ(VO)や古めのSSW、ユルめのAORやアコースティックスイング系が好物です。最近は国内にも良質POPSがたくさんあって嬉しいです。

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僕の裏クリスマス

もうすぐクリスマスですね。
コロナのせいで本当の「サイレントナイト」になってしまいそうです・・。
ところでクリスマスソングといえば、我が家では「A Christmas Gift for You from Phil Spector」が毎年の定番ですが、今回はパパとしてではなく、自分一人が部屋でひっそりと聴く「裏クリスマスソング」を二曲ご紹介します。
オフ会でもまず使わないであろう極私的なネタですが、先日のベルウッドさんの掘り下げたソフト解説や、motocueさんのマニアックなソフト紹介に感化されまして・・一応ギリギリ何とかオーディオネタにもしています。(参考までに動画リンクと歌詞を付けました)

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千年紀末に降る雪は / キリンジ

戸惑いに泣く子供らと 嘲笑う大人と
恋人はサンタクロース
意外と背は低い 悲しげな善意の使者よ
あいつの孤独の深さに 誰も手を伸ばさない
歩行者天国 そこはソリなんて無理
横切ろうとするなんて気は 確かかい?
「赤いオニがきたよ」と 洒落てみるか
遅れてここに来たその訳さえ言わない
気弱なその真心は 哀れを誘う
永久凍土の底に愛がある
玩具と引き替えに 何を貰う?

My Old Friend、慰みに
真っ赤な柊の実を ひとつどうぞ さあ、どうぞ
砂漠に水を蒔くなんて おかしな男さ
「ごらん、神々を 祭りあげた歌も、貶める 言葉も今は尽きた。」
千年紀末の雪に 独り語ちた
君が待つのは 世界の良い子の手紙
君の暖炉の火を 守る人はいない
永久凍土の底に愛がある
玩具と引き替えに 何を貰う?
My Old Friend、慰みに
真っ赤な柊の実を ひとつどうぞ さあ、どうぞ

帝都随一の サウンドシステム
響かせて 摩天楼は夜に香る化粧瓶
千年紀末の雪! 嗚呼、東京の空を飛ぶ 夢を見たよ
君が待つのは 世界の良い子の手紙
君の暖炉の火を 守る人はいない
この永久凍土も 溶ける日がくる
玩具と引き替えに 都市が沈む

My Old Friend、慰みに
真っ赤な柊の実を ひとつどうぞ
知らない街のホテルで 静かに食事
遊ばないかと 少女の娼婦が誘う
冷たい枕の裏に愛がある
夜風を遠く聞く 歯を磨く
My Old Friend、慰みに
真っ赤な柊の実を ひとつどうぞ さあ、どうぞ

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スティーリーダンばりの洗練されたソングクオリティと、まるで映画を観ているようなシニカルかつコミカルな歌詞世界により、捻くれつつも上質なポップスとして仕上げています。複雑なテンションコードだらけで、もはやジャズですね。


まず音について。
繊細なストリングスとピアノの折り重なりに、ゴリッと重い塊のようなベース部分がとても気持ち良いサウンドです。また、キリンジの楽曲は、総じて多様なパートが変幻自在かつ絶妙に絡み合うのが魅力ですが、それら一つ一つを埋もれさせることなく、パラレルワールドのように見事に展開させるその手腕は、まさに日本を代表するポップス職人の仕事といえましょう。そう、そのカギを握るのは第一線のサウンドクリエーター冨田恵一氏であり、松任谷由実、矢野顕子、椎名林檎、MISIA、平井堅などのプロデュースでも有名です。
さらに氏は、オーディオマニアにも馴染み深いあのドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』の研究家であり、その録音技術及び楽曲鑑賞法を解説した書籍まで出しています。
「ポップスのなかでもとびきり良質な作品は、そろそろクラシック音楽を長く定着させたような作法で扱う必要が出て来たように思っている」とまで述べています。
『ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法/冨田恵一』


キリンジは歌詞もまたエグい。
遠い未来、もはや時代遅れに成り果ててしまったサンタが、子供には怯えられ大人には笑われながらも年に一度の任務を遂行せねばならないという悲哀。
「永久凍土の底に愛がある」かつての愛の象徴は遥か遠い過去の記憶に埋もれてしまい、「真っ赤な柊の実を ひとつどうぞ」これは恐らくトナカイの鼻の比喩であり、そのトナカイがそんな「My Old Friend」かつての相棒(サンタ)の事を語っているのだと想像できます。
そしてミレニアムな雪と共に、またいつの日か東京の夜空を飛ぶ夢を見るわけですが・・物語は残酷なまでに悲しいエンディングを迎える。知らない街のホテルで少女の娼婦に誘われ、冷たい枕の裏に愛を感じつつ歯を磨いて寝る・・何とも救いようのないオチ(笑)しかもこの終末感が何となく今の情勢とオーバーラップして、もはや笑えない域?(^_^.)

そして最後に特筆すべきは、それらユニークなワードが違和感無く、まるで語呂合わせのようにリズミカルに紡がれていく。ついに日本のポップスもここまで来たかと思わざるを得ません。


この曲が収録されているキリンジの『3』というアルバムには、日本を代表する大名曲と名高い「エイリアンズ」など、他にも同レベルの曲が盛りだくさんでおススメです。そんな名曲揃いのこのアルバムにして、まるで狙いすましたかのようなこのダサいジャケ!が、作風と同様に「人の予想を裏切り、予定調和の世界を頑なに拒む」という、キリンジ特有の捻くれ方でありカタルシスを感じます。そういえば昔の海外アーチストのアルバムとか、ジャケがイマイチだけど中身は名盤って場合多いですよね。もしかしてそんな狙いなのかな??



次はロック調でかなり古い音源になりますがご了承ください。オリジナル・ラブの初期ソングです。
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X'mas NO HI / オリジナル・ラブ

朝早くに起き出して クリスマスを呼びつづけ
夜おそくにもなって クリスマスはまだこない
しゃくだから 隣の家に入り 火をつけた
X'mas NO HI 燃えさかってる
X'mas NO HI 燃えさかってる
X'mas NO KI 飲み込まれてく
X'mas NO HI 燃えさかってる
これが俺の クリスマス

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これはオリジナル・ラブのメジャーデビュー前、1988年のインディーズ時代のアルバムに収録されている曲です。如何せん年代を感じてしまいますが・・取り上げた理由は後にご説明します。
クリスマスの「日」や「灯」でもなく、「クリスマスの火」。要するにクリスマスに放火してしまうわけですね。
もうまさに、キング・オブ裏クリスマスソング、というかブラック・クリスマスソング。
この曲はアカペラ調ですが、アルバムを通じてXTCばりのトリッキーなポップスが並びます。
音質はインディーズですし、年代も年代ですからまあそれなりです。
え?全然オーディオ的じゃないって?いやいや、プロデューサーはなんとあのオーディオ評論家の和田博巳氏です。
まだブレイク前の、若かりし日の氏の実験的なお仕事なのでしょうね。
そんなわけで、これは田島貴男がオリジナル・ラブ名義でピチカートファイブ加入と並行して「とりあえずやっつけ的に」リリースしたアルバムのようです。そして、この後から一気にあの華々しい90年代の「渋谷系」ブームへと繋がっていき、両バンド共に若者のライフスタイルにまで影響を与える存在として、一斉を風靡していきます。
そのブームの片棒を担いだ和田博巳氏だからこそ、今のあの独自のポジションがあるわけなのですね。
氏の機材のみならず、部屋やインテリア、ファッションまで、全部カッコいい!(ジャイロデックがうちと被ってます)
ちなみにこの曲を聴いていた時は、自分もこの曲のような【クリスマスなんてクソくらえな】若者でありましたが、今こうして歳を取り子供のためにプレゼントを用意しながらも、何故かまだこの曲について語っているというのは、何だか不思議な縁を感じます(^_^.)



以上ですが、マニアックな長文失礼しました。
どうか皆さんくれぐれもコロナには気をつけて良きクリスマスを!





おしまい




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過去日記はこちら→にらの過去日記(抜粋)

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MIT

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¥168,000(税込)

発売:2005年12月20日

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※2012年、トラポP0-Sと共に売却

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スペクトラルの超絶自然世界 ~音楽好きのオーディオです
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