2017年2月、4月
Chapelle Musicale Reine Elisabeth (ベルギー)
P&E: Ken Yoshida
ALPHA369
ベートーヴェン生誕250年に合わせて、この2-3年はベートーヴェン自身だけでなく彼を取り巻く知られざる作曲家達の掘り起こしもかなり進んだように思う。その、「掘り起こされた人」の筆頭がアントニーン・レイハだろう。ベートーヴェンと同い年でボン在住時からの唯一無二の親友、後年ベルリオーズやフランクの師匠と言われる人だけれども、作曲家としては多作ながら木管五重奏曲以外の曲は知名度が低く、紛失した楽譜も多かった。Toccata Classicsというレーベルが10年ほど前から彼の膨大な作品の全容を明らかにしようと頑張り、コンスタントに新譜を出してきた。2016年くらいからは生誕250年が近づいて、Chandos、Linn、Alpha、ついにはSONYまで参戦してディスク数が増加。ようやく、21世紀に市民権を得たのかも知れない。本盤は、AlphaがKen Yoshidaプロデュースにより、レイハの有名な木管五重奏曲やフルート曲以外で主要な室内楽やピアノ曲をまとめて録音しようとした意欲的なプロジェクトで、多くの若手アーティストが参加して、世界初録音曲も複数入っている。録音場所でもあるChapelle Musicale Reine Elisabeth がAlpha (outhere)と組んで、若いミュージシャンに録音のチャンスを与えるプロジェクトの一環でもあるようだけれど、それにしてはソリストについての説明がライナーノートに無いのはアルファらしからぬ不親切さだ。
Symphonies de Salon
レイハ:9つの楽器のためのグランド・サンフォニー・ド・サロン(室内大交響曲)第1番ニ長調
ベートーヴェン:ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルンとバソンのための七重奏曲変ホ長調
ジュリアン・ショヴァン(vn)
ル・コンセール・ド・ラ・ローグ
2019年2月 パリ
RE:Maximilien Ciup
ME:Emille Ruby
Aparte AP211
Ken Yoshidaの本拠地(元)でもありニコラス・バルトロメイが主催するリトル・トライベッカのお抱えアーティスト、ジュリアン・ショヴァン(チョービン)とル・コンセール・ド・ラ・ローグ。ちょっと前まではグループ名の最後に「オリムピック」とついていたはずだが、本盤ではその部分に黒い太線が引かれて墨消しになっている。以前にジュスタン・テイラーとの共演盤を紹介したが、最近はハイドンの交響曲をガンガン録音していて勢いがある団体だ。