2020年01月06日

Silent Angel Bonn N8 オーディオ用スイッチ
もともとオーディオ・グレードのネットワークスイッチに興味はあったものの、自分で違いを体感したことがないこともあって、スイッチにあまり多額の出費をすることには抵抗があった。
それで、過去に購入を検討したことがあるのが AQVOX SE だった。
http://www.aqvox.de/index_en.html
これは汎用のスイッチをベースに、電圧レギュレーションやジッタ低減、位相補正、高精度のリクロック等のチューニングを施したもので、欧米では一定の高評価を得ているものだ。日本では売ってないが、ドイツにオーダーすれば8万円程度で入手できる。しかし最終的に購入を躊躇したのは、カスタマイズされたスイッチング電源が欧州仕様で、日本で使うには変換コネクタを噛ます必要があり、それがとても不格好に思えたからだ。
それで、中古のバッファロー BSL-WS-G2108M (オーディオ用として販売された G2108M/A のベース・モデル)をヤクオクで落として使っていた。
そこに Selekt の導入があり、あらためてスイッチへの興味が再燃していたところに見つけたのが
ThunderData : Silent Angel Bonn N8
http://www.thunder-data.com/bonn-n8-1
という新興メーカー(どうやら中国系)のオーディオ用スイッチだった。AQVOX と似たような技術(高精度 TCXO でのリクロック、電気ノイズ分離、電磁波吸収など)でジッタ低減を実現しつつ、こちらは筐体や基盤もオリジナルで起こしているようだ。しかも、なんと日本で3万円で買えてしまう!(欧州で400ユーロなのに何故か割安!)

情報は少ないものの、海外レビューでは AQVOX SE より良い、という記事もあれば、AQVOX SE よりは劣るという書き込みもある。
https://www.hifi.nl/artikel/28188/Review-Silent-Angel-Bonn-N8-ethernet-switches.html%20...
これは買うしかない! と決断して導入。結果は・・・
素晴らしく音質が改善した!
音場がふわっと広がり、低域が深く、解像度も高くなった!
楽器や声がよりリアルに、活き活きと鳴り渡る!
思わず顔がにやけっぱなしになった。改善度合いで言えば、以前のシステムで、チクマの Possible-4Ⅱ 電源タップを導入した時に匹敵する、つまり劇的な効果だった。これは……安過ぎる!
DELA や SOtM のスイッチはもっといいのかも知れないが、Bonn N8 による向上度合いがあまりに大きかったので、ここからさらによくなる余地は、あっても価格差ほどの効果は到底期待できないのではないか、と思えるほどだ。
ようやく、Selekt の音が本領発揮の領域に入ってきた。
ちなみに、NuPrime の Omnia SW-8 というスイッチ(日本未発売)は、Bonn N8 の OEM である。
https://nuprimeaudio.com/product/nuprime-omnia-sw-8/?v=24d22e03afb2
(NuPrime 版は、ローノイズ電源とアルミシャーシで差別化が図られている。現在 PSE 取得に向け調整中らしい)
しかしこの Silent Angel というブランド、Rhein Z1 という Roon ミュージックサーバも発売しているが(日本では未発売)、オーディオ用に専用設計されたマザーボードに、航空機レベル・アルミ削り出しのオリジナル・シャーシ、オーバーサイズ電源、高品質ケーブルによる内部配線、ノイズ低減策等を施した SSD、ミュージックサーバ専用OS、とかなり「そそる」仕様になっている。
オリジナルOS は Roon OS より音が良いとして、本家 Nucleus を向こうに回す野心家ぶりが大変に興味深い。
(Roon Labs とライセンス論争があったみたいだけど、ホームページに Roon の記載が復活しているということは、決着がついたのだろうか?)。
http://www.thunder-data.com/e-z5