日記
第71話 100Vコンセント
2008年04月29日
先月、中村製作所の200Vダウントランスを導入したので、オーディオ機器の電源は、全てこのトランスを通していた。しかし、その後パワーアンプを、マランツからアキュフェーズに変更したら、どうも、アキュのパワーアンプは、この中村製作所とは相性が悪いようだった。いろいろ試聴してみると、やはりパワーアンプには、100Vで電源を供給したほうが良かったので、再度この100Vで聴けるよう、整備することとした。
まずは、コンセントだが、今は松下のWN-1318を使っているが、今年の始め頃、専用電源工事した際、余ったWN1318を分解してみて、気がついたことを、第67話に記したが、その後、いろいろ調べてみたら、あのクリップは磁性体であった。また、アース端子がベースと一体となっている構造も、やはり音質的には、問題ではないかと思った。

しかし、今、オーディオ用と呼ばれているコンセントは、このWN1318と同じ、アース端子と、壁に取り付けるベースが一体となっているものばかりだった。
ベースとアース端子が接触していないコンセントを探していると、2つ見つかった。
一つは松下のWN1512Kだ。

これは秋葉原の電波会館にある、松下のコンセントやプラグを専門に扱っている瀬田無線で見つけたものだ。オヤイデにもあったが、瀬田無線のほうが、数十円安かったと思う。
これは理想的に、ベース部分とアース端子が独立していた。しかもWN1318の長所でもあり短所でもある、あのプラグを抜けにくくしている磁性体のクリップもないので、比べると、音に濁りが無い印象だった。しかも価格も370円前後と安いので、入門用としては、WN1318よりお薦めだ。
もう一つは、アメリカン電機の複式ハイパーコンセント、7110GHDXL。
アメリカン電機は、中村製作所のアウトレットにも採用されていて、なぜか天地が逆になって取り付けられていた不思議な物だ。しかし一番有名なのが、オヤイデの一連のコンセントのベースモデルになっているので、知っている方も多いと思う。私がこの会社を知るキッカケになったのは、今ではAA誌に連載をもつにまでになった、あの、有名な、オーディオみじんこ氏だった。みじんこ氏の詳細な一連のブログを見ると、そりゃ雑誌に連載をもつよな~と感心するほどの、見事な取材振りだった。みじんこ氏も記しているが、アメリカン電機の製品は、店頭では扱っていないようだが、通販で購入することができるようだ。しかし、この連休中になんとか、音を煮詰めたかったので、昨日、この会社まで買いに行った。そうしたら、ネットで表示されていた値段よりも、ご来社価格として、このコンセントとプレートの合計から、2千円以上値引きしてくれたのは、嬉しかった。
ということで、100V再利用として、この2つのコンセントと、やはり今まで使っていたWN1318と、どのように違うのかというので、ノーマルの1318と、このノーマル1318から、磁性体のクリップと、アース端子が一体となったベースを取り除いた、改1318を交えて、試聴してみた。
①ノーマル1318
今まで使っていたので、特に感想はないが、他のコンセントよりも、低音の力感は強いと感じた。恐らくこの力強さが、今まで普通のコンセントしか使ったことのない人が接すると、「音が大きくなった」と感じるのではないだろうか。しかし、他のコンセントと比べると、明らかに中高音域に、ホコリのような、見通しの悪さを感じたのは、力感を向上させた、あの強固な磁性体のクリップの効果だろう。
②改1318
この4機種中、最高の抜け。驚くほどの瞬発力と解像度。というのは、あのクリップを取り除いただけでは、不十分と思って、カセットデッキに使っていたヘッドの消磁器を用いて、磁気を取り除いていた。
しかし、ノーマル1318と比較すると低音は貧相というのが、残念。やはりあのクリップの効果はあるようだ。
③WN1512K
ベストバランス&CP。しかし、全体的に音が貧弱に感じた。といってもノーマル1318よりは、クリアなサウンドではある。やはり入門用という位置づけか。
④アメリカン電機7110GHDXL
WN1512Kのバランスのまま、全体的に骨太のサウンドになった。結果、ノーマル1318の代替品として、納得できるサウンドが出たのは、当たり前か。
ということで、100VのコンセントをWN1318からアメリカン電機製に交換した。

試聴して、驚いた。
なんか、中村製作所の200Vダウントランスよりも、いいかも。
パワーアンプに関しては、ダウントランスからよりも、このアメリカン電機のコンセントからの方が良かった。しかも、なんかプリもこのコンセントからの方が、いいような…
レス一覧
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試聴記 様
こんばんわ。第70話から早2ヶ月も経っていますよ~、あき過ぎで~す。。怒涛の日記ラッシュの続きを心待ちにしておりました、です。
とっ、今回はコンセントのベースプレートとアース端子がテーマですか、しかも「ダウントランスよりも、いいかも。」って本当に本当ですか!電源って本当に難儀なものですね、すごく勉強になりました。
文中の、「天地が逆」というお話ですけど、以前どこかで、“アースプラグが上にあった方が、装着したプラグが重力の作用に抗して安定することから、わざと逆に取付ける場合が(海外製品などでは?)ある”、という趣旨の記事を読んだ記憶があるんですが、本当ですかね~。
7110GHDXLって、音色はどうなんでしょうか。透明感とか艶とか低域の量感とかいかがでしたでしょうか?今、壁コンセントを探しておりまして興味深深です。
ちなみに、アースが壁コンセントまで来ていない場合は、どうなんでしょうね。(実は拙宅で一箇所ですがコンセントを開けて見ましたら、アース線が見当たらなかったんです。エッ。)
byそねさん at2008-04-30 01:27
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試聴記さん、久しぶりの日記待っておりました。
やはりこの間、アキュにパワーを換えて苦しんでおられたのですね。何となくそんな気がしておりました。でも、ようやく納得されたようでよかったですね。
byPhase Freak at2008-04-30 07:09
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試聴記さん
はじめまして
まさやんと申します。
「アメリカン電機7110GHDXL」
中村製作所の200Vダウントランスよりも、いいですか!?
骨太のサウンドはちょっと物欲がはしりそうです。
我が家でも試してみようかな?
勝手ながらお気に入り登録させて頂きましたので、良ければ今後ともよろしくお願いします。
byまさやん at2008-04-30 15:16
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補足します。
「ダウントランスよりいい」というのは、アキュフェーズの
中域が濃いパワーアンプには、ダウントランスにも備わっていた
同じような濃さが、このパワーアンプの音色と合わさって、逆に音が重たくなるので、このパワーアンプに関しては、ダウントランスのような濃さの無い、100Vの壁コンが、自分の好みに近かったという意味です。
また、日記では省いていましたが、このアメリカン電機製の壁コンに、エソPC9100という電源ケーブルをつないで、タップ経由で試聴した結果です。
なので、正確には、
「200V ダウントランス vs エソPC9100電源ケーブル」
とするほうが、正しいと思います。
そねさん
お久しぶりです。
天地が逆の件、そういう理由だったんですか!!
ナルホド、言われてみれば納得ですね。ありがとうございます。
7110GHDXLの音色って、私も良く分かりません。というか100Vの
コンセントって全く試聴したことがないので、このアメリカン電機のコンセントが、他のコンセントと比べて、どういう性格のものなのか判断ができません。ただ、皆さんが絶賛しているオヤイデのR-1のような感激は、感じませんでした。良ければこのコンセントをお貸ししますので、メールで連絡していただければ、お貸しします。そねさんからも、ご感想をお伺いできれば嬉しいです。アース線のことですが、恐らく洗濯機がある、水周り以外のコンセントでは、普通は施工されていないと思います。
アキュマニアさん
レスありがとうございます。
さすがですね。アキュマニアさんには全て見抜かれているようです!パワーアンプには、ようやく段取りが見えてきましたが、今度はプリアンプの電源ケーブルが、全体のボトルネックになっていることに気がついたので、今度はプリの電源環境を検討しています。試練は、まだ続きそうです。
まさやんさん
はじめまして。
正直、7110GHDXL、いいのか悪いのか分かりません。
まさやんさんも、よろしかったらお貸ししますので、ご希望でしたらご連絡ください。
by試聴記 at2008-05-01 00:21
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試聴記さんは目の付け所が鋭いですね。
実は最近私も松下のホスピタルとアメリカン電気に回帰したところで、ちょうどアメリカン電気の壁コンを追加発注しようかと思っていたところです。ついでに7110GHDXLも注文しちゃいました。
電源系の大本は質実剛健な会社が出す製品が一番だと思う今日この頃。変な色づけがないのが一番です。
byfreestyle at2008-05-01 02:06
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freestyleさん
コンセント博士であるfreestyleさんも注文されたとは、心強いです。
百戦錬磨を重ねたfreestyleさんが、このアメリカンを、
どのように評価するか今からスッゴイ楽しみです。
「変な色付けがないのが一番」というコメント、私も大いに納得です。
電源系は、一端ここでキャラがつくと、その後のオーディオ機器で、
いくら調整しても、決して拭い切れないので、逆に「つまらない」という
位のキャラの電源アクセサリーをあえて使ったほうが、個性的なオーディオ機器のキャラクターを存分に発揮させることができるのかな~、と感じています。「つまらない」を「色付けがない素直な製品」と評価するのは、実は大変なキャリアがないと、判断できないのかもしれませんね。インプレ楽しみにしています。
うちの奥様は魔女さん
1000Plus届いたんですね。おめでとうございます。
50VAのトランスが、117Vのままみたいですが、負荷が低すぎると、この電圧も100Vまで下がりきらないと思います。私の場合は、大体20W前後の消費電量の機器をつなげると、100Vまで下がりました。しかし、5Wしか消費しないノッティンガムを接続すると、117Vのままでした。その結果、ピッチが早まり、ユッタリするはずの曲が、なんかウキウキしたものになってしまいました。100VAや1000VAでは容量があるためか、50VAのような「見越し昇圧」をしていないようなので、5Wのプレーヤーでも、ほぼ100Vでした。現在はパワーアンプに使っていた、この1000VAのメイントランスに、アナログ・プレーヤーのみ接続して使っています。また個人的には、50VAのトランスが一番音質のバランスが優れていると思いますので、注文時にはあえて電気的な理由で50VAが使えない機器以外には、100VAでなく、50VAを選びました。
by試聴記 at2008-05-01 09:37