日記
Anti-Mode 2.0 Dual Core導入レポ(5)まとめ
2013年11月04日
前回のレポから随分間があいてしまいましたが、この辺でまとめに入ります。
この一ヶ月ほど様々な音源を聴きこんでみて、システムに正式に組み込んで使っていくかどうかをジャッジしておりました。
[1]補正の効果について
ボケボケの写真で申し訳ありませんが、現在の拙宅の低域伝送特性はこんな感じです。

▲50Hz付近のピーク、180Hz辺りのピークがそれぞれ15~18dBほど削られます。

▲130Hz~140Hzをパライコにて最大4.5dBほどリフトアップ。その結果がこれ。
なお70Hzあたりの急峻なディップはこの計測の時だけ見られたもので、本機の補正もこれを無視しています。
※こうしたディップは、狭い部屋では観測者自身(=吸音要因)の居場所も影響を与えるようです。
以前も書きましたが、いったん補正後の音を聴くと補正前の音に戻すことは不可能です。ロックやジャズ等については、補正前の音だと1分も聴き続けていられません。ある音がボワついて濁るだけでなく、近接する帯域にあるはずの音が本当に聴こえなくなっています。今までよくこの状態で聴いていたものだと…。
また、補正後は全体のバランスが相対的にハイ上がりっぽく聴こえるとともに、ボリュームもより大きくできるようになった結果、高域についてもより鮮明に聴きとりやすくなるという副作用もありました。以前は一定帯域の過度のボワつきにより、ボリュームを今ほど上げることができなかったというわけです。
[2]音色等の変化
本機はアナログ入出力時に最大のパフォーマンスを発揮するようですが、既存のシステムのアナログ段に機材を挟み込むのはどうしても心理的に抵抗がありますし、何よりそれによってもたらされる音質変化には神経質にならざるをえません。この点で違和感がないかどうかを、いろんなソースを自然に流してみることで確認するのに時間がかかりました。
しかし結論から言うと、特に有意の差を感じたことはありませんでした。(1)でもたらされる変化が大きすぎてもはや感知できないと言うべきかも知れません。アナログ接続で使うなら、本機が音質のボトルネックになることはなさそうです。
[3]その他
いくつか気になる点。
■アナログ接続の場合、残留ノイズのレベルが若干上がります。私はこれが嫌いなので、A45のゲインは最低にして抑え込んでいます。
■電源(ACアダプタとコード)が非常に貧弱そうに見えます。あまり大きな影響はないものと思いたいですが、できれば取り換えたい…。
[4]結論
本機の継続使用について結論を言うと、個人的には「合格」です。コストや労力に対して得られるものが多く、失うものはほとんどないと思われるので、今後も長期的に使えそうです。今はこのようにラック内に居座るに至りました。

基本的には他の方にもおススメできると思いますが、その際は以下の2点について念頭においていただければと思います。
(a)本機の補正ポリシーについての了解。好みの音作りをする道具というより、自室の低域伝送特性に由来する問題の最善解を与えるもの、というコンセプトを理解したうえで使うのが吉だと思います。
(b)本機を試す機会がある方は、できればアナログ接続を試してみてください。この種の機材はデジタル段で使うべきと思われる方が多いと思いますが、本機が最善のパフォーマンスをするのはアナログ入出力使用時であると個人的には思います。本機の場合、同一筐体内最短経路・6.144MHz/40bitでAD-DA変換するのが音声信号のコンバージョンにおいて最もリスクが少なそうだし、実際使ってみてそう感じました。
以上でレポを終わります。ありがとうございました。
レス一覧
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初めましてこんにちは。
もう見られていないかも知れませんが、
貴重なanti-modeのレビューにお礼を言わせて下さい。
お陰様で後継機であるX4を購入するきっかけになりました。
byKITO_Audio at2018-07-01 17:19