我が家のADカートリッジは、メインがオルトフォンのSPU Meister GEを主にクラシックに、SPU #1Sを主にジャズやロックに使用し、他にデノンのDL-103R、オーディオテクニカのAT-F7を使用しています。すべてMC方式です。
今回発売されたオルトフォンのMMカートリッジ、2M Black LVB250は、同社のMMカートリッジの最高峰である2M Blackをベースに、同社の定価27万円のMC型カートリッジ、Cadenza Black同様の無垢ダイヤモンドのシバタ針に純銀メッキ高純度銅線のコイルを採用し、さらにオルトフォンのMM型としては初めてカンチレバーに軽量のボロンを採用、ダンパーゴムも積層カーボンナノチューブを使用して新規に開発を行ったということで、ハイエンドMCカートリッジにも匹敵するとしています。
SPUだと本体が重く針圧も大きめでカウンターウェイトも重いものが必要ですが、LVB250はスペックも使いやすい印象で、我が家では同社のヘッドシェルのLH-9000とともに迎え入れました。ラックスマンのターンテーブルとアキュフェーズのセパレートアンプがチームメイト。
このカートリッジは実はポップスやロック向きかも?
結婚して一年休業し、先日サプライズで新曲を出したエド・シーラン。U2を上回るコンサートツアー最大動員人数を記録し、時の寵児の印象のある彼ですが、はやりのサブスクだけでなく、興味深いADをリリースしています。2014年のアルバム「x (マルティプライ)」、2017年のアルバム「÷ (ディバイド) 」は、どちらとも12インチ45rpmEPの2枚組。エド・シーランは基本的にアコギ一本で歌う人で、ストリートから出てきました。ブルーレイで観られる、ウェンブリースタジアムを三日間売り切れにしたコンサート(4K番組としても放送されました)もバックバンドなし(史上初!)で、ループボックスと呼ばれる録再機器で自身の演奏歌唱を重ねる形で演奏していました。これらのスタジオアルバムも基本的にシンプルな音作りですが、CDもADもワイドレンジで非常に高音質。基音が少ない分だけ擦過音や倍音も豊富に聞こえます。このカートリッジはこういうのが似合うかも。ヒスノイズも気になりません。
アナログの音圧を楽しむと言えば山下達郎。録音は無駄にハイレゾを使わず48KHz/24-bitが最善というこだわりぶり。私のお気に入りの、新品で購入した「Ray of hope」は、33rpmですが二枚組でとってもワイドレンジ。私が新品で買った時の十倍以上と最近は激しく値上がりしてしまいました。このカートリッジの大らかな鳴り方に相性が良い感じ。A面最初のコーラスの後の最初のピアノの「ズーン」というアタックにも引き込まれます。
ムーンライダースの「DON'T TRUST OVER THIRTY」。このディスクはしっぽりとアナログの良さを聴かせてくれます。私は「A FROZEN GIRL, A BOY IN LOVE」とか「超C調」が大好きですが、インピーダンス高めの音調をいい感じで再生してくれます。
2018年の大ヒット、チェインスモーカーズの「Memories do not open」。相当な重低音が入っていますが、気持ちよく鳴らしてくれます。