元住ブレーメン
元住ブレーメン
高校生時代にベータマックスで映像に目覚め、フォーマット変遷を何世代と経た今、撮影から編集、映写まで4K環境がついに実現しました。ホームシアターのための家も建て、充実した日々を送っております。 コ…

マイルーム

ホームシアター「建築」記
ホームシアター「建築」記
持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオ・シアター兼用ルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン130型以上 / 8ch以上
我が家の(地下室)ホームシアターです。 もともとは賃貸派の私でしたが、好きなときに好きな映画や音楽を好きなだけ好きなように鑑賞するには、持ち家しかないと一念発起。2005年の10月に地上二階、地下一…
所有製品
  • Blu-ray Discレコーダー
  • HDDレコーダー
    PANASONIC DMR-4W400
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    B&W HTM2
  • 一眼レフ ハイクラス
    NIKON D850
  • BDプレーヤー
    PANASONIC DP-UB9000

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日記

チェリビダッケからビリー・アイリッシュまで。Apple Musicで聴く3Dオーディオ

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2021年09月03日

アップルが、ひょっとしたら音楽配信に革新を起こすようなことをはじめました。

ロスレスやハイレゾの提供にくわえ、Dolby Atmosを活用した「空間オーディオ」を「ミュージック」で使用可能にしたのです。

アップルはカジュアルなモバイル製品でも「空間オーディオ」が楽しめるとしていますが、実際には新旧のApple TV 4Kから、Atmos対応のAVアンプに入力し、リアルな3Dサラウンドスピーカーシステムを使用できる環境でないと、本領は発揮できないのは明らかです。ちなみに旧型のApple TV 4KでもAtmosの再生には対応しており「空間オーディオ」を体感できます。私は旧型のApple TV 4Kは二台所有しており、2017年の発売当初はDolby Digitalにしか対応していないことに疑義を表していましたが、その後アップデートで対応フォーマットが増えました。私は720pの初代の頃からApple TVを使っていますが、Atmosは720pや1080pバージョンのApple TVでは再生できず、4Kバージョンが必要です。我が家は地下のシアタールームが9.3.4ch、一階のリビングルームが6.1ch、二階の私の仕事部屋が7.1chで、シアターとリビングには今回旧型になったApple TV 4Kがあったのですが、この機会に仕事部屋でも試してみようと、シアタールームに新型のApple TV 4Kを導入し、旧型のApple TV 4Kを仕事部屋に移設しました。

Apple TV 4Kの接続端子はメガネの電源とHDMIとLANだけで、初代から不変なので、入れ替えは楽チン。Apple IDを設定すればこれまで使っていた(または他の部屋で使っている)Apple TVと同じアプリ環境が再現されます。新型はリモコンがフリック操作を必要とした旧型より初代などに近い四方向キー+ホイールで圧倒的に使いやすく、ある意味iPod的な直感的な使いやすさが復活しています。またHDMI端子経由での連動(電源オンや入力切替など)も、我が家にある数多くのAV機器の中で最強クラスで、パナやソニーの4Kレコが手こずるリビングの8Kテレビ+デノンのAVアンプもビシッと切り替え、ストレスフリーで楽しめます。

ホーム画面から「ミュージック」を選択して立ち上げると、いつものブラウズ画面が出てきますが、現在のところ「空間オーディオ」のコンテンツを探すのはそんなに簡単ではありません。現状は、アルバム全てが空間オーディオで提供されている場合と、一部だけの場合、空間オーディオは提供されていない場合と分かれており、闇雲にアーティストで探しても空振りするケースが多いのです。アップルは「今すぐ聴く」タブに「Spatial Audio(空間オーディオ)」というプレイリストをジャンル別で作っており、ここからブラウズするのが得策ですが、Apple TV 4Kからブラウズするのはやりづらい(どのジャンルを表示するかが時間によって異なる)ので、パソコンのアプリの画面で「Atmos」で検索して出てきたプレイリストを片っ端から登録してしまうのがお手軽です。登録しても実際にダウンロードされるわけではないので、ストレージ容量的な心配はありません。

さて、空間オーディオプレイリストは、ロックやポップス、クラシックやジャズ、ヒップホップやカントリーなどとジャンル分けされていて、100曲近く収録されたサンプルみたいな感じです。気に入った曲があったら「アルバムへ移動」や「アーティストへ移動」という操作が出来ますが、移動した先に空間オーディオがどれだけあるかどうかは今の所宝くじのような感じです。ただ、素晴らしい3Dオーディオコンテンツを見つけたときは宝探しに成功した気分になります。

今回は私が興味深いと思ったApple Musicの3Dオーディオコンテンツをご紹介します。

Symphony No. 8 in C Minor (1890 Version) [Live, Philharmonie am Gasteig, 1993]
セルジュ・チェリビダッケ & ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

フルアルバムでAtmos。超超超超定番のブルックナー。私はもちろんこの録音のCDは所有していますが、3Dオーディオ版はマルチトラックで収録した音源をうまくリミックスした感じで、録音をした会場に居合わせた気になります。最新のハイレゾ録音などと比べるとややナローレンジかと思いましたが、ブルックナーは基本的に教会音楽を志向して作曲をした人で、チェリのブルックナーをこの響きで聴けるのはうれしい。全集を3Dオーディオ化して欲しいです。


Beethoven: Complete Piano Concertos, (2021)
クリスチャン・ツィメルマン, ロンドン交響楽団 & サイモン・ラトル

フルアルバムでAtmos。新録音です。1989年にムジークフェラインザールで、バーンスタインとウィーン・フィルと初のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集のレコーディングに臨んだツィメルマンは、当時のホールの音響特性に悩まされ、さらに制作途中でバーンスタインが亡くなってしまうという苦境を経験します。残りの二曲を自らの弾き振りで録音はしましたが、心残りのあった彼に、30年以上経ったベートーヴェン生誕250年の年に再度のチャンスが訪れます。ベルリン・フィルでの輝かしいキャリアの後、ロンドン交響楽団の音楽監督になっていたサイモン・ラトルが、ツィメルマンの再録音の願望に同意し、ロンドン交響楽団とのレコーディングが実現したのです。コロナ禍のなか、オーケストラを録音会場の全エリアに散らばるように配置するなどの困難を乗り越え、ツィメルマンは録音に使われたスタインウェイのピアノに、曲に合わせてはめ込める四種類の鍵盤を持ち込んだという熱の入れようで、もう必聴のコンテンツです。ここのところの私のヘビロテで、ジャケットのツィメルマンの満足そうな顔を見ただけで涙が出てきます。3Dオーディオは大げさでない自然なサラウンド感で、困難なオーケストラの配置が結果的に生んだ、ツィメルマンいわく「大きな室内楽のような響き」を伝えてくれます。ロンドン交響楽団は過去にLSOレーベルでマルチチャンネルのSACDを多数リリースしており、そのノウハウも生かされているのでしょう。


バッハ: 無伴奏チェロ組曲 (2017)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ

フルアルバムでAtmos。クレジットには2017年とありますが、本人は2007年に亡くなっているので、1995年の録音のリマスターと思われます。無伴奏のソロ楽器演奏でAtmosが意味があるのかと思うかもしれませんが、ポイントはやはり響きで弓が弦を擦るニュアンスも豊富です。本人の息づかいもリアルに聞こえ、コンサートと言うより、レッスンで目の前でお手本を披露しているのを聴いている感じです。


Speak Like a Child (1968)
ハービー・ハンコック

フルアルバムでAtmos。マイルス・デイヴィスのバックを務めたハービーが、ブルーノートを離れる前に最後に残した彼の代表作のひとつ。この人は「ジャズ」と分類していいのか迷ってしまうくらい、過去の作法にとらわれない新しい試みを繰り返していますが、このアルバムでもホーンをバックにピアノとベースがソロを弾くという、セオリーに反する演奏を行っています。ゆったりしたロマンティックなジャズですが、3Dオーディオ版はサラウンドスピーカーを活用することで響きが豊かでかつ解像度も余裕があり、この傑作を新鮮味を感じながら聴くことが出来ます。


Turn Up the Quiet (2017)
ダイアナ・クラール

このアルバムはAtmosは三曲のみで残りはロスレスです。一曲目の「Like Someone in Love」や二曲目の「Isn’t it Romantic」はAtmosで、三曲目のロスレスの「L-O-V-E」が再生されると音場感がフッと小さくなるのを感じます。ただ、サラウンドのデザインは控えめで、あざとい感じではありません。帯域をよく選んでミキシングしている印象です。彼女のちょっとハスキーな歌声はスモーキーなウィスキーにピッタリと感じます。


Summer of '69 (2014)
ブライアン・アダムス

アルバム「Reckless (30th Anniversary)」から。Atmosはこの一曲だけです。ただサラウンドのミキシングが秀逸で、小さいライブハウスで聴いているかのような囲まれ感が素晴らしい。ぜひフルアルバムでAtmos化を期待します。ロスレスのステレオの他の楽曲とはレベルやダイナミックレンジがかなり異なる印象ですが、この辺は今後改善されていくことを期待します。


Fearless (Taylor’s Version) (2021)
テイラー・スウィフト

フルアルバムでAtmos。もともとは2008年にリリースされ、当時最年少でグラミー賞最優秀賞アルバムになりました。が、テイラーのデビューをサポートしたレコード会社ビッグマシーンレコードが、テイラーの過去のアルバムの版権ごと売却され、それを不満に感じたテイラーが所有権を失った過去の6作のアルバムを、全部自ら再録音するというプロジェクトの一作目。当時リリースされなかった6曲を加えた26曲(!)の構成で、リベンジする気満々!? 3Dオーディオではストリングスのアレンジが、サラウンドよりにミキシングされている印象で、聴きやすい広がり感。実際にはないですが、小ホールでテイラーのライブを聴くようなイメージと感じました。


SOUR (2021)
オリヴィア・ロドリゴ

フルアルバムでAtmos。今年1月にリリースされた「Drivers License」が全世界46か国のApple Musicで1位と大ヒットし、あらゆるところでプレイされたことが記憶に新しい、オリヴィア・ロドリゴのファーストアルバム。私はこの人は歌詞や曲調から、テイラー・スウィフトのダークサイドバージョン(笑)と思っています。実際、テイラー・スウィフトも制作に参加しており、バックコーラスにテイラーの声が聞こえる曲もあります。メローな曲調が多いので、3Dオーディオではさらにしっぽりと包まれ感が増します。


Happier Than Ever (2021)
ビリー・アイリッシュ

フルアルバムでAtmos。一昨年の「Bad Guy」でスーパーブレークし、第62回グラミー賞で史上最年少で主要4部門を制覇したビリーの最新作。アンニュイな曲調で異彩を放ち、すでにシングルカットされた「Therefore I am」がチャートの一位を飾り、アルバム自体もあらゆる国でチャート一位を獲得しています。3Dオーディオの囲まれ感が内向的な楽曲を強調しているかのような、面白いコンテンツです。

他にも、先日紹介したMr.Bigやジョン・ウィリアムズ、さらにはジョニー・キャッシュやクィーン、ガンズ・アンド・ローゼスなどなど、色々なジャンルで3Dオーディオはそのレパートリーを徐々に増やしている印象です。ちょっとまだこなれていないこともあり、例えば同じ曲をCDから取り込んでいた場合、削除しないとAtmosバージョンをダウンロードできないとか、Apple TV 4Kで聴いていると、せっかく歌詞が表示されるのに、しばらくするとスクリーンセーバーになってしまうとか、その後リモコンのメニューボタンで戻ろうとするとホーム画面に帰ってしまうとか、細かいところで使い勝手がイマイチのところがありますが、アップルのことなので、どんどん直すでしょう。

これまで私はネットワークDACやUSB-DACとか、プレーヤーのDAC機能をPCから使ってきましたが、音質的にはともかく、再生の安定性に関しては満足のできる状況になったことがありませんでした。我が家の大音量だと、ちょっとしたノイズが出てもスピーカーを壊す可能性があり、怖かったのです。なので、CDからリッピングしたり、ダウンロードしたハイレゾの可逆圧縮ファイルをHDDにコピーしてプレーヤーから再生したり、ディスクに焼いて再生したりしていました。一方、Apple TV 4Kでの再生で不安を感じたことは今のところありません。ストリーミングとダウンロードを選べるのも良いところ。もうちょっと色々試しますが、ひょっとするともうディスクを買わなくても良いと思うようになるかもしれないと感じています。

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  1. こんばんは。Apple、すごいですね。安定しているというのはまず第一ですよね。私はAmazon music HDをやめてしまったところです。ところで端っこのネタを拾って恐縮ですが、「ちょっとしたノイズが出てもスピーカーを壊す可能性があり、怖かった」と言われているPC由来のノイズはどんなタイプの音なのですか?私はPCを繋いでいないですが、DAC鳴き?みたいな「ブツっ」がどうもランダムに含まれるBlu-rayの映画があって、怖くて音量を上げきれないのでいるので、お伺いしました。


    ここで言われている3Dオーディオは何chの規格になっているのですか?

    byベルイマン at2021-09-03 16:13

  2. ベルイマンさん、コメントありがとうございます。

    我が家でPCオーディオで経験したことがあるのは、「パチッ」という感じの高めのノイズや「ボー」と続く低音のノイズでした。特にツイッターは結構あっけなく飛ぶので、怖くて本来の音量に出来ませんでした。Blu-rayプレーヤーからノイズを経験したことはありません。

    Apple musicの3DオーディオはDolby Atmosを使用しているので、再生機器の性能により、最大128チャンネルでデコードができる(そんな製品今の所ありませんが)ことになっています。もちろん制作側も実力128chで録音しているケースはほぼないと私は思っていますが、ホームシアターの大抵のスピーカーセッティング(7.1.4chなど)は充分カバーできているのではないでしょうか。

    by元住ブレーメン at2021-09-03 17:16

  3. まじっすか、128チャンネル!? 元住さんも爆音派なんですね!トゥイーターを壊すノイズ情報、他にもありましたら、また日記にあげてください、ちょっとびびってますので、よろしくお願いします。

    byベルイマン at2021-09-03 18:07

  4. 元住ブレーメンさん

    これ、とても興味はあったのですが、何分、ITに暗いので(泣)、どうすれば使えるのかもわからないレベルなので、少しイメージが分かりました。とても助かります!ありがとうございました。

    一つ素人質問ですが、このイマーシブオーディオを楽しむために必要なものは、「Apple TV 4K」なんでしょうか、それともApple Musicというのでも十分なんでしょうか(私は映像にはあまり興味がないので)。私が聴きたいのはAtmos音楽ですが、AVアンプに何らかのハードウェア?からHDMI接続する必要があるのですよね?そのハードウェアが「Apple TV 4K」というものになるんでしょうか?


    当方は今、Amazon Music HDというのに加入しており、新たなAVプリを導入した影響でRoonも導入し、その流れでTidalというサービスにも手を出そうかと思っているのですが、身は一つですのであまりに多くのストリーミングサービスを導入しても聴ききれないので、選択を絞りたいのですが、ブレーメンさんは各種ストリーミングサービスがある中で、どのように整理・判断されておられるか、よろしければお聞かせいただけませんか?

    byAuro3D at2021-09-03 19:17

  5. Auro3Dさん、コメントありがとうございます。

    Apple TV 4Kはハードウェアで、Apple Musicはアップルが提供する音楽配信サービスです。おっしゃる通り、25,000円弱のApple TV 4Kを購入して、Appleのクラウドサービス「iCloud」に登録すると、そのApple IDアカウントでApple Musicに登録できるようになります。iCloudへの登録は無料で、Apple Musicも無料トライアルができるので、試してみることをオススメします。

    Apple TV 4Kはちっこいセットトップボックスみたいなハードで、HDMIでAtmos対応のAVアンプに接続すればOKです。有線LANを使うことをオススメします。

    私はAmazon primeにも入っていて、Amazon Musicは聴けるのですが、3Dが聴けるということでApple Musicに期待しています。私はMacやiPad、iPhoneとアップル製品を(すげー)数多く使っていることもあり、すべての端末で、その端末が再生できる最多のチャンネルが再生できるApple Musicは面白いと思っています。Amazon端末というのは限られているので。

    by元住ブレーメン at2021-09-03 20:05

  6. あと、Apple TV 4Kを導入してMLBアプリをインストールすると、大谷翔平が毎日無料で見られます。Xスポーツ系の多いこれまた無料のRedBull TVも私のお気に入りです。ご参考まで(笑)。

    by元住ブレーメン at2021-09-03 20:10

  7. 元住ブレーメンさん

    早速にありがとうございました。

    「Apple TV 4Kはちっこいセットトップボックスみたいなハード」ということは、これは持ち運び可能で、有線LANさえあればどこでも再生可能でしょうか?(IPアドレス固定とかではないですか?)

    せこい話なんですが(笑)、一番聴きたいのは伊豆のお部屋でなんですが、自宅じゃないので、月に1回ぐらいしか行けないんです。普段は東京の書斎でこれを聴いて(見て?)いて、伊豆に行くときは連れて行く、という使い方は可能だと思われますか?

    自分で調べろ、という話ですが(汗)、なにせこっち系が苦手なのでご教示いただければ幸いです。

    byAuro3D at2021-09-03 20:52

  8. Auro3Dさん、

    Apple TV 4K自体は小さなハードで、重さ的には持ち運びは可能です。DHCPなので、ご自宅のネットワークが特殊でなければ行き来はできるとは思います。

    試しに一台で始めて見て、様子を見られたら良いかと思います。我が家はAVアンプのある四部屋全部にApple TVがありますが、とても便利です。

    by元住ブレーメン at2021-09-03 22:09

  9. ありがとうございました。早速試してみます!

    byAuro3D at2021-09-03 22:22

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