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雑感:続々・QUADIIのOPT

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2012年09月27日

(1)KT66の「適正な」負荷インピーダンスからすると倍以上重い一次インピーダンス。

 他の見方をしてみると、一次側3kΩということは、二次側が同じインピーダンス、巻き数とした場合、一次側が5kΩや、8kΩのOPTより一次側の巻き数が少ないということになります。ということは、浮遊容量が少なく、OPTの高域を伸ばせる素質を持っています。たとえば、ISOのFE-25-8とFE-25-5というOPTが市販されていますが、一次インピーダンス8kΩのFE-25-8(50kHz/-1dB)より5kΩであるFE-25-5(80kHz/-1dB)の方が高域は伸びています(ただし、インダクタンスは少なくなります)。一次インピーダンス3kΩ程度の新しい設計の標準トランスは市販では見掛けなくなりましたが、同社の特注トランスであるS-2377(XE-60-3相当?)では大型で不利な条件にもかかわらず、100kHz(-1dB)まで伸びています。

(2)分割巻き

 高オーバーオール帰還アンプであるQUADIIは前段部を第一ポールに設定しています。そのため、第二ポールとなるトランスの高域特性への要求は厳しいものがあります。トランスの周波数帯域が十分に広く、位相特性が安定していないと、前段部の帯域を圧迫し、帯域の狭いアンプになってしまいます。分割巻きを多用しているのも高域に悪影響がでる浮遊容量の増加を嫌ってのことでしょう。
 QUADIIのOPTは7Ωと15Ωの二種類の二次側インピーダンスを選択できますが、内部での接続をつなぎ替えておこなっており、実質、ひとつしか出力がありません。これは最適化という面では優れており、複数の出力インピーダンス対応をしているトランスは妥協を余儀なくされているともいえます。
 オクターブ(Octave)という真空管アンプメーカーがありますが、出力がひとつしか基本なかったかと思います。接続されるスピーカーは限られてしまいますが、その分絞った設計ができます[1]。

(4)一次と三次の巻線比が9.375 : 1。換算、3kΩ:約32Ωという現行の市販、特注トランスではみかけない高い比率。

 市販や特注トランスで見受けられる値より三次巻きの比率が大きく、その結果、大量の局部負帰還がかかり、KT66の内部インピーダンスは片球あたり実に1.4kΩまで下がります[2]。これはKT66を三極管接続にしたに等しく、ビーム管の特性のままインピーダンスを三極管並に下げた形になります。もちろん、その分、副作用として、感度がおちていますが、前段が、利得に余裕のある五極管EF86ですので問題はありません。
 また、一次インピーダンスが3kΩで、KT66の出力インピーダンスが二球で2.8kΩで両者の値が近いという関係は、効率的な伝送が期待できます。

 ところで、徹底的に三次巻きの比率を増やしていくと、往年のマッキントッシュのMC275、MC240のトランスに行き着くと思います。マッキントッシュ型トランス(日本ではCSPPと呼称?)は50%を三次巻きに費やし、出力管の内部インピーダンスは数百Ωにまで落ちます。
 ただし、その分、前段部への負担は大きくなり、QUADのように二段構成ではなく三段構成が無難な選択となりますが、当然、それは複雑かつ高コストとなります。
 また、QUADIIが定インダクタンス型OPTであるとすると、これはDEPPの宿命であるトランス内での信号合成の力を極端に落としていることになりますが、マッキントッシュ型(CSPP)はシングルエンド並列による、トランス内での信号合成をしない方式です。 QUADとマッキントッシュ、このように根っ子の考え方がよく似ているところがあり、客層、コストに合わせてどこまで実装をやるかの違いではないかと思うこともあります。

[1]「5極管による設計の最適化を行うことで、私どもでは、並外れた負荷安定性を持つパワーアンプリファイアーを開発することができました。(中略)私どもでは、出力トランスフォーマーを4Ωのスピーカーに合わせて最適化しています。8Ω、16Ωはありませんが、これは以下の理由によります。①純然たる8Ωや16Ωのスピーカーは、現在ではもうほとんど作られていません。②追加の出力口を備えつつ、しかも正しい最適化の施された出力トランスフォーマーは、設計が極めて複雑なものとなり、不必要なコストが生じてしまいます。4Ωの出力で8Ωのスピーカーを駆動しても害はありません。単に8Ωの負荷に対して、アンプリファイアーの与える電力が、少し小さくなるだけです」…『管球王国 Vol.36』p.57

 オクターブV70のマニュアルにある記述とのこと。ちなみにV70の負荷インピーダンスは2Ω~8Ωを謳っています。スピーカーの負荷インピーダンスと真空管の内部事情の関係については前日記で妄想してみました。ロードラインをどのようにとるのか、それによって負荷変動に弱いアンプ、強いアンプとなります。ただし、負荷変動に弱いからダメアンプというわけではないでしょう。設計者の想定した環境、狙った仕様、設定によります。

[2]ラジオ技術 1993年7月号p.62 山口侃氏実測データ
 計算でも求まります。
 KT66 gm=6.39mS
BataK = 1/(一次と二次の巻き数比+1) = 1/((√3000:√32)+1)= 1/(9.68+1) = 0.09
 Zo=2x(1/(gmxBetaK))=2x(1/(6.39x0.09)=3.44kΩ←2球の合計。1球当たり1.72kΩ

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