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雑感:QUADIIの固定バイアス化

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2012年11月03日

 長真弓氏の作例「ウルトラリニア接続KT88pp パワーアンプ」の記事中に「付け加えると、固定バイアス方式にすれば70Wくらいの最大出力も得られるはずですが、出力管のグリッドリーク抵抗を100kΩにまで下げなければならないので、クォード型で対応できるかどうかについては再検討を必要とします。」[1]とありました。

 QUADIIの出力段、KT66のグリッド抵抗は680kΩであり、データシート上では1MΩ以下(ただしプレート損失27W以下の場合)ですので、問題ない値ですが、自己バイアス形式を採用した自作アンプの作例からすれば比較的高い値かと思います。これは、ピーター・ウォーカー氏が多極管による多極管ドライブの長所を最大限生かそうした現れではないかと思います。多極管によるドライブの場合、出力インピーダンスが高くなり高域の特性できつくなります。300Bなど入力容量の大きな三極管相手だとミラー効果もあって絶望的な特性となり[2]、カソードフォロワーや真空管抵抗でも使わないと実用が難しいところです。しかし、QUADIIは、KT66を三結接続でもウルトラリニア接続でも無い、純ビーム管接続のままで使っているため、ミラー効果を弱めており、かつ、大量のKNF帰還をかけることで入力インピーダンスを高くしています。さらに、前述のようにグリッド抵抗に高めの値を与えて、と、やれることは全部やり、ドライバー段の負荷を軽くしようとしているのでしょう。

 ということは、固定バイアス化に伴い、グリッド抵抗値が100kΩにまでさがってしまう(KT88の場合、KT66の場合は250kΩ(ただしプレート損失27W以下の場合))のではピーター氏の対策が一つが崩れることになります。元々、長氏のクォード型は出力段をウルトラリニア接続でつかっているので拘ることもないのかもしれませんが、物理特性が良くなる方向より悪くなる方向であり、出力が量的に大きくなっても質的に問題を抱え込むような気がします。

 上杉佳郎氏によれば、QUADII出力段の固定バイアス化を検討すると、マイナス電圧を扱うこととなり、そのため、ドライブ段の下球にマイナス電圧がかかることになり、ひいては上球にまで影響を及ぼし、それを防ぐにはコンデンサで直流分を切る必要があり、当然、それは回路の複雑化をきたしてしまうとしています[3]。

 QUADIIの特徴の一つに、パーツ点数の少なさがあります。
 考え抜かれた設計思想が最小のパーツ構成、簡素な回路で実体化していることがQUAD22+QUADIIの魅力の根源でしょう。
 プリアンプQUAD22のイミテーション製作記事の末尾に上杉氏は以下のように記しています。

 「HiFi=SIMPLE!!」[4]
 
[1]長真弓「真空管アンプ製作自由自在」<誠文堂新光社> p.89
[2]ぺるけ(木村哲)「低域の設計・高域の設計
[3]上杉佳郎「管球式ステレオアンプ製作80選下巻」<誠文堂新光社> p.211
[4]同上 p.289

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