日記
Singxer SDA-1②
2020年06月27日
Singxer SDA-1はこれまで使用してきたApogee Mini-DACに比べて大きな性能上の飛躍がある訳ではないと思います。分解能や音の立体感では上回っていると思いますが、Apogeeが大きく劣っているわけではなく、逆にApogeeの持つ音の艶感というか、曲や歌い手の欠点を曝け出すよりも、心地よく聴かせるような音の上質感のようなものには欠けていて、よく言われるように少々素っ気ない音である面もあります。
ただ、Apogeeはヴォリウム回路が原因か、プリアンプのAudio Research LS25と相性が悪いようで、パチパチノイズが乗り(Apogeeのヴォリウムを少し絞ることで目立たなくはなる)、ノイズのせいか、互いの持つ音の厚みが乗算されるようになって、音のディティールが潰れがちになり、低域も少しぼんつくようなところがありました。
正直、DACのリプレイスに関しては、音質よりもこの相性問題の解消が第一目的だったところもあります。
リプレイスの効果は歴然で、改めてどれほど多くの音がノイズによって覆い隠されていたのかに気付かされる結果となりました。これ自体はSDA-1の性能というよりも、相性問題が解消されてシステムの素性が出た部分もあるかと思いますが、SDA-1の持つ優秀なクロック回路の影響も感じられ、これまでよりも曲が少しテンポアップしたように聴こえるようになりました。音の消え際やテンポの正確性が増したからそう感じられるのではないでしょうか。
低音も余計な付帯音が取れたからか、ボンッではなく、バシッというような密度感を持って飛んでくるようになりました。
SDA-1は、つくり自体も非常にしっかり、かっちりしており、コストダウンのために妥協したような部分もなく、非常に好印象な製品で、すぐに愛着が沸きました。その真摯な姿勢は音にも現れているようです。