日記
High Fidelity Cables 一時休業か廃業か
2022年03月12日
米国テキサス州のケーブルメーカーであるHigh Fidelity Cables社は、2022年2月下旬頃からコロナウイルスによる一時休業をサイト上に掲示して音信不通となっており、動向が注目されている。ネット上では同社でケーブルをオーダーし支払いを済ませたが製品が届かないという声が上がっており、我々は独自に調査を行うこととした。

同社は2011年に設立されており、会社形態はLLCで社員数は5名以内と見られる。磁気伝導と称する技術を用いたオーディオ用ケーブル及び付帯製品を米国・日本を中心に販売しており、価格帯は数百ドル~数万ドル程度と幅広い。日本ではブライトーンが代理店となっている。
同社の販売における特徴をまとめると以下の通り。
・公式サイトで不定期に50%~70%オフのセールを実施しており、直近では2021年11月下旬にブラックフライデーセール(60%オフ)を行っていた
・日本代理店があるにも関わらず日本のユーザーに直接販売していた
・納期が不安定でオーダーから製品到着まで数ヶ月~1年単位の時間がかかっている
直近の顧客の声をまとめると以下の通り。
・同社の所在地を訪ねたが代表のRick氏は不在で店内はガラクタの塊となっている
・数千ドル~数万ドルの支払いをしたが製品が届かないまま時間が過ぎ、カード会社が返金に難色を示している
・Rick氏はカナダへ逃亡しているようで製品も代金も支払われないままとなっている
さて、同社はどのような状態になっているのだろうか?音信不通の公式サイトに反応を期待することはできないため確認方法を探った所、同社はAXPONAに出展予定となっていたがある時点で出展登録が抹消されていることを発見したため、AXPONAの管理者へ問合せて以下の返信を得た。
We recently found out they unfortunately went out of business.
(最近、残念ながら廃業してしまったことを知りました。)
結論としては、連邦倒産法による法的手続きではない自主的な廃業と見られ、製品未着の顧客に対しては連絡も対応もしておらず、今後のサポートも期待できないと考えられる。未着の顧客規模は不明だが、おそらく数十人程度と推測される。
一連の経緯から不誠実な姿勢が見受けられるため、顧客からは怒りの声が上がっており、今後も状況を注視していく必要があると思われる。