日記
逆転SONY - 聴き手に呼応するオーディオ
2020年07月12日
鳴らし手に呼応するオーディオは当然ですが、聴き手に呼応するオーディオもあるのだと教えてもらった試聴でした。久しぶりに訪ねた、出水電器の西蒲田の試聴室での出来事です。

「お気に入りのソフトをお持ち下さい」と言われたので、CDを何枚か持っていきまいた。「どれから聴きますか?」と言われたので、手持のソフトをカバンの中から取り出したところ机の上に置かれた一枚のソフトが目に留まります。これはきっと、このシステムでよく鳴るソフトに違いないと思い、このDiscを聴かせてもらうことにしました。何のソフトかは覚えていませんが、ジャズボーカルのソフトだったと思います。
システムの組み合わせは、エソテリックのCDプレーヤーからアッテネータを通した新型のパワーアンプ、そして鳴らすスピーカーはディナウディオのC4でした。
最初はスピーカー近くの試聴席で聴かせてもらったのですが、どうもしっくり来ません。そこで、後ろにある椅子が横一線に並んだ位置まで下がってみるとピントが合い、部屋中に音が広がるサウンドでしたので、この位置で聴かせてもらうことにしました。

アルバムから何曲か聴かせてもらう内に、大きなユニットのSONYスピーカーが気になりましたので、こちらも聴かせてもらいました。前評判からどんな音なのかを確かめたくて聴かせてもらったのですが、そんな懸念は微塵も感じさせない音です。
「SONYもいいじゃないですか」
と感想を述べると、思い立ったように島元さんが動きました。
「ケーブルを替えてみましょう。」
最初はドライバー用を、次にウーファー用を、そしてディナウディオとの比較が出来るようにラインケーブルも・・・音を聴きながらケーブルの総入れ替えです。
準備は整いました。
ここで手持したDiscを聴かせてもらいます。
インゲル・マリーのジャズ・ボーカルを、上流とアンプは同じものでSONYとディナウディオの両方のスピーカーでの試聴です。
SONYでは、ライブハウスのような部屋中に充満する力強いサウンド。
ディナウディオでは、滑らかで質感が高い綺麗なサウンドと感じました。前評判からすると、ちょっとビックリだったのですが、自分はジャズを聴くならSONYの方が好みです。そんな感想をお伝えすると、SONYの鳴りには島元さん自身も驚かれている様子でした。
「オーディオというのは聴く人の感じ方に呼応して反応するものなんですよ。オカルトみたいですが、何度も試聴会をやっていて実際そうなのです。」と言われました。
ジャズ・ボーカルはSONYに軍配が上がったので、次はクラシックを聴かせてもらいます。
サウンド確認用にしている幸田浩子さんのソプラノです。
この音源では、さすがにディナウディオの滑らかさが頭角を表しました。ですがSONYも負けてはいません。前に出る歌声で、聴き手のハートを掴みました。
それならばと、弦楽合奏のカノンを聴きます。
この音源では、ディナウディオの滑らかさと質感の高さが目立ちますが、試聴位置からだとスピーカー間隔が少々狭いようです。
ちょっとビックリだったのは、SONYのドライバー+ホーンが幾重にも重なる弦楽合奏の音を分解し、質感の高いサウンドを奏でたことです。電源とアンプのよさなのだと思います。
この日のSONYのスピーカーのいきいきとしたサウンドは、ディナウディオに負けず劣らずの魅力的なサウンドを奏でていました。
「聴き手がのって来るとスピーカーもよく歌うのだ。だから聴き手にも呼応するのがオーディオだ」と言われていました。実のところ、SONYとディナウディオのサウンド比較はどう感じられるでしょうか。他の方の感想も聞いてみたいと思った試聴でした。
レス一覧
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こんにちは!
SONYのSUP-L11とSUP-T11というのはやや古典的なユニットですが、女性ボーカルなど琴線に触れるような再生をしてくれることがあると思います。現代的な音場感や滑らかさ重視とは少し違う傾向かもしれませんが、音楽や演奏の実体が感じられるような気もしています。
そのアドバンテージを活かしながらリファインされた音に仕上げるのが当方の理想なのですが、まだまだ辿り着けてはいません。
なお、当該試聴室は訪問したことはありませんので、ディナとの聴き較べをしてみたくなりました、、、
byゴンザエモン at2020-07-12 10:23
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ゴンザエモンさん、レスありがとうございます。
SONYのスピーカーの件、別の出水電器での試聴記を読んで感心を持っていました。その日記では、ディナウディオC4はとてもよく鳴るのだがSONYはオーナーの島元さんも「もうだめか・・・」と嘆かれたほどだったと書かれていました。
そんなダメさ加減を聴かせてもらおうとリクエストしたところ、聴いてみるといいじゃないですか。その感想に島元さんも反応されたのか、ケーブルを替えながらのバランス調整です。すると・・・本当にディナウディオとはジャンル分けでのよい勝負でした。自分の感想では、押し並べて言えばSONYの方がよかったとの印象を持ちました。
この結果は、スピーカー位置とリスニングポイントの関係も多分にあると思いますが、SONYもまだまだやれると思いました。
出水電器の西蒲田試聴室は、事前に連絡すれば聴かせてもらえるので是非試聴なさってみて下さい。感想もお聞きしたいです。
byヒジヤン at2020-07-12 11:01
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ヒジヤンさん、こんにちは。
リスナーに感応する装置とは、サイコミュー搭載のモビルスーツみたいですね。(ガンダムです。(._.) ) でもこれは恐らくヒジヤンさんは常に感じていることですよね。私もその感応する力を信じます。
自分もソニーから実体的な音の強さ、圧倒的な凄みを感じました。
byベルイマン at2020-07-12 13:18
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ベルイマンさん、レスありがとうございます。
最近何度も西蒲田には足を運ばれているのですよね。この日も話題に上がっていました。
「聴き手に呼応するオーディオ」の件ですが、
・音は空気の圧力変化を耳でセンシングして、脳で感じること
・場の空気を変える人、場の空気を読む あるいは 読めない・・・などの言葉があること
上記から考えると、あながちあり得なくはないような気がします
「人が感じるサウンドとは、周囲も含めてその場に居合わせる聴き手に呼応するものである」
こんな理屈は、論理的な思考と感性的な思考の結ぼれを重視するベルイマンさんの思考にも合いますでしょうか。
簡単に言えば、
「SONYよかったですよね」・・・同感です。
byヒジヤン at2020-07-12 16:12
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ヒジヤンさん、レスありがとうございます。
かつて、メルロ・ポンティであったか、市川浩であったか忘れましたが、知覚と身体について論じながら、壁を押していると壁を押しているのか、壁に手が押されているのか、アンビギュアスな領域にさしかかることがある、というようなことを言っていました。オーディオが音を出しているのか、リスナーが聴取しているのか曖昧になる、非常に近接した《場》にいるのであれば、スピーカーが感応するということは、あり得るのでしょう。もしこのような場に立つならば、それは非常に集中した対峙になり、たぶん非常に幸福な関係をオーディオとリスナーが切り結んでいるのかもしれませんね。
簡単に言えば、、、楽しそうですね。一本150kgと言っていましたかね、なんとか手を尽くして組み上げたスピーカーですからね、島元代表もソニーを聴く人がやってきて、嬉しかったのではないですかね。
西蒲田には最近はそんなに行ってませんよ。(^ ^) ただ、電話やメールで困らせてはいますが!(爆) 素人質問と、どうしたら安くなるかの話の繰り返しですが、島元代表は笑って話を聴いてくれています。最終的には、「うふふ、もう少し悩んでください。」と言われます。(笑)
byベルイマン at2020-07-12 17:39
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ベルイマンさん、再レスありがとうございます。
>非常に近接した《場》にいるのであれば、・・・それは非常に集中した対峙になり、たぶん非常に幸福な関係をオーディオとリスナーが切り結んでいるのかもしれませんね。
あるかもしれないですね。
この先は、きっとベルイマンさんに幸福と苦悩が訪れるだろうと思います。そんな時は、この関係を思い出すのもよいかもしれないです。
昔話になりますが、自分もベルウッドさんもオーディオの音に苦悩していたときに、「音が悪い原因は耳垢だろう」と独自に思い悩んでいたことがあります。人には言えない悩みでしたが、そんな話題となった際に共感し、どの耳かきがいいかと言う話にまで発展したことを思い出しました。
わからないことだらけの音の世界です。楽しく悩み、幸せになりましょう。
byヒジヤン at2020-07-12 18:21
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はたして SONYのスピーカーと言って良いものなのか?(泣)
今どきの方には SONYのイメージって どんなんでしょうかね? オーディオとSONY・・・ あまり結びつかなくなってる (*_*; DAPやヘッドフォンがオーディオとは・・
スピーカーなんて新しけりゃ いぃってもんじゃない! オーディオが全盛期には 多くのブランドが切磋琢磨を繰り返し 凌ぎ合っていたので 良いモデルが多くあったことは事実ですね。
10年位前までは SONYにも良いモデルが(スピーカーも)あったのにな~~
既に入手出来ないとしても 良い音に出会えることは素晴らしい事ですね。 良いものに出会えることが 自身の向上にも繋がりますからね。
byアコスの住人 at2020-07-13 13:17
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アコスの住人さん、レスありがとうございます。
そうですね。知る人の間のみで通じるローカルな呼び方でした。SONYの往年のプロ用ユニットを箱に入れて、マルチアンプで鳴らしているスピーカーです。ピュア用のAVアンプのようなDEQXを使ったシステムですので、調整次第のようなスピーカーですね。
オーディオはとかく機器やアクセサリーのハードの話になりますが、鳴らし手によりサウンドが大きく変わるのは周知の事実です。ですが、聴き手の存在が音を変えるというのは、考えたことがありませんでした。ですが考えてみれば、場の空気が変われば音が変わるのは当然とも思えます。
よいサウンドを引き出せるような鳴らし手であり、聴き手でありたいと思えた体験でした。
byヒジヤン at2020-07-13 18:46
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