日記
MFPCとの対決準備 - CDPの内部対策
2020年12月09日
対決とは物騒なタイトルとしましたが、現用のCDP(エソテリック K-03Xs)で、どこまでMFPC5台仕様の送り出し性能に迫れるかを取り組むものです。
きっかけはMF邸にてCDトランスポートや他のネットワークとの比較で、群を抜いた正確さを感じたMFPCだったことです。音の鮮度が高く、定位にブレがなく、しっかりした骨格の音と思いました。デジタルデータの送り出し機能で、なぜこれほどまでに音が変わるのかは不明ですが、ハードの構成とソフトの工夫はMFさんの解説によります。
このMFPCを自宅で鳴らしたら、どのような音で鳴るのか?そんな興味が湧いたので、MFさんに自宅試聴のお願いをしました。ですが現用のCDPも代替えして1年未満ですし、複雑な構成のMFPCを導入するのは配置的な面も合わせてハードルは高いです。これまでPCやネットワークの活用は棚上げして来たこともあり、使いこなしの面でも格闘するシーンが想像されます。
そこで、現用のCDP(エソテリック K-03Xs)の使いこなしで、MFPCの音にどこまで対抗できるのかの追い込みをしてみることにしました。実施内容は簡単に実施出来て、費用がかさまず、元に戻せることです。実行アイテムを決めるにあたってはMFPCとの特性毎の比較をしました。サウンドの再構築の中でCDPの外から行う対策は実施済でしたので、追加での実施するのは、蓋を開けてCDPの内部に手を入れる対策です。これまで実施してきたことはリストに「済」と記載し、追加で実施したことを「追」、今後の検討項目を「検」としています。

1)ノイズ対策
①CMC(カーボンマイクロコイル)追加
特異なコイル形状の炭素繊維をシリコンゴムシート状にしたもの。光から電気信号に変換時には、GHzレベルのノイズを出すため、このノイズ吸収用として追加設置しました。
⇒DENON SA1に試した時には、驚くほど音が晴れるノイズ除去効果を感じましたが、K-03Xsでは、音量を上げてもうるさく感じなくなるような効き方です。新しい機器では、デジタルノイズ対策は大きく進んでいることを実感しました。

②天板に電磁波吸収シート追加
天板裏に見えているのはメカの作動音を吸収するためのフェルトです。モーター上部には3重のフェルトを設定しています。これにより回転音は低減し気にならないレベルに下げることが出来ました。本題の電磁波吸収シートはその下に隠れています。余りものがあったので貼ってみましたが音の効果は感じられませんでした。
2)時間軸対策
①ポーズからの再生
これはMFさんとやり取りする中での話から発想したものです。
「CDPは強力なエラー訂正機能が備わっているので、ほぼ音は出ますが、同じ音は毎回出ていません。」と言われ、思い当たる節がありました。
このところサウンドの再構築をしていたため、オーディオを聴く前にチェック用のCDで左右のスピーカーの焦点が合っているかの確認をしているのですが、毎回少しずつ定位する位置が変わることが気になっていました。特に聞き始めの変動が顕著です。 この影響を減らせないかと試行錯誤した結果、CDPのポーズから再生すると変動が小さくなるので採用することにしました。 ピントの合い方のバラツキも減るように感じています。
3)電源対策
電源周りも試したいことは多々ありますが、後からでも実施可能なので現時点は棚上げしています。冬の休みのお楽しみに取っておこうと考えています。
4)振動対策
①回転メカ、ピックアップ振動吸収
振動対策は、機器の外から実施できる「フローティング式マウント」や「底板メカニカルアース」等を実施していました。更に進めるためには機器の内部にメスを入れる必要があります。内部の振動源として大きいのは、回転ユニットです。エソテリックのVRDSはディスクをターンテーブルに確実にクランプして回転させる方式ですので、がっしりとしたメカを装備する反面として、振動のエネルギーは大きいのです。ここに目を付けて、モーターが励起する振動を出来るだけ振動源の近くで吸収すると共に、ピックアップに振動伝達するエネルギーを伝達経路上で吸収することを考えました。振動吸収方法はレゾナンスチップです。振動全体を抑えるのではなく、共振のピークを吸収しようという考え方です。
これは効きました。これまでの音に微細なブレがあったことを感じます。音の骨格がはっきりとし、重心が下がる効果は期待以上でした。
②筐体の耐振強化
振動源があれば、周囲の筐体は必ず振動します。そして物体が持つ共振点では共振現象が起こります。この共振はオーディオにとっての絶対悪です。だからと言ってガチガチに強化しても振動のエネルギーはどこかに影響してしまいます。だから、振動は出来るだけ筐体から逃がすと共に、内部での共振を避けるのが得策です。ですので、音に影響のありそうな伝達経路の弱い部分の共振レベルを下げるためのデッドニングを施しました。
①の回転メカ、ピックアップの振動吸収と筐体の耐振強化は同時に実施しましたので、①と②の効果の度合いはわかりませんが、微細な音のブレが減り、骨格がはっきりした効果は①と②の相乗効果であることは間違えないと思います。
上記のCDP内部対策を実施して充分な手応えがあります。まだMFPCと比較して勝るとは思いませんが、現用のCDPはまだまだ使いこなしでサウンド磨きが可能なことだけは確かです。CDPのテコ入れとしてやれることは数々ありますが、機器内への対策は元に戻せることを条件に実施しました。
さて対決日の直前まで弄ってしまうのは禁物です。ここまでの対策でバランスよく鳴っていますので、手を入れるのは一旦休止します。この状態で強敵MFPCにどこまで迫れるのか?他に何か手はあるのか?胸を借りるつもりで挑んでみます。
レス一覧
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ヒジヤンさん
随分と 大変なことを やっておられますね。
内部まで 手を入れるなんて 何処かのお人みたいですね
。
骨の髄まで しゃぶる?? いや 対策をする!!
私は 絶対に 見習いません!!
検討中の ノイズカットトランスは 絶対に 効果 有りだと思います。 拙宅では 絶大な効果が 有りました。 200V-100V 変換で使ってますが。
振動対策は オーディオの永遠の 課題ですかね??
byX1おやじ at2020-12-09 20:36
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ヒジヤンさん、こんばんは。
まさかここまで手を入れるとは・・・!
もうガチ勝負ですね(笑)
これは楽しみになってきました。
楽しみましょう!(笑)
byMF at2020-12-09 21:25
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ヒジヤン さん今晩は。
振動対策、凄技やってますね。振動を熱変換に、
私のホーン鳴き防止にレゾナンスチップでの効果
試す価値ありそうですね。 “オーディオwith 共振”(笑)
by田舎のクラング at2020-12-09 21:25
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ヒジヤンさん、こんばんは。
さすが、さすが。さすがです。対決が楽しみですね。
我が家ではAVアンプを使って、このコミュでもやたらともてはやされているAmazonのストリーミングをしています。最大で192kHz/24bitとなるサービスです。Amazonのリマスターが効いている場合もあれば、許し難いリマスターになっている場合もあります。同じ条件だと、CDをトランスポートモードで再生しても五分五分かAmazonが勝ることが時にある。適当な比較になりますが、SACDやBlu-rayを聴いた後ではAmazonでストリーミングに移行すると、概ね、音質が何か物足りなく感じます。概ねですが、円盤が勝つ。ただAVプリの積んでいる旭化成DACがマックスなので、底はそんなに深くないのが残念です。しかし円盤だからストリーミングやファイル再生に劣るということはないような気がしています。エソテリック・ヒジヤン・スペシャルが勝っても私は驚きません。
byベルイマン at2020-12-09 21:36
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ヒジヤンさん、こんばんは。
めちゃくちゃ楽しみです。
勝手な提案ですが、、、
K-03Xsのオペアンプは「MUSES 8820」を使っていると思いますが、
このオペアンプを「MUSES 03」×2に差し替えたらもう一段上になると思います。
「MUSES 03」はK-01Xsに使われている「MUSES02」よりも上位ですから。
「MUSES 03」は1個 2,000円くらいなので4個で8,000円ちょいです。
宜しければご検討を!
byCENYA at2020-12-09 21:46
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あ!
写真を見たらパラレルで使ってるみたいなので更に2倍必要です。
8個。。。。
贅沢すぎますね。
byCENYA at2020-12-09 21:50
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ヒジヤンさん
やってますね!
レゾナンスチップ...この手のエリアには強さを発揮しますよね〜!
今も愛用しているユニコでも効果大でしたから。
勝負であっても、比較感想は科目別項目別切り口でのお話を伺いたいですね。
ほら、オーディオって総合力になるので一言では語れないし(笑)
いずれにせよ楽しいオーディオもノーチャレンジ・ノーチャンス(大好きなインディ500チャンプのお言葉)ですから嬉しいご報告を楽しみにしています!
では、では
byバズケロ at2020-12-09 21:58
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ヒジヤンさんへ
対決楽しみにしています、エソテリックで勝ってほしいです。
リモコンのアップありがとうございます
やっぱり「プログラム」ないですね。
bybb7 at2020-12-10 14:07
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X1おやじさん、レスありがとうございます。
振動対策は、オーディオの永遠の課題!
まさにそうですね。今回の振動対策は自分でもこんなに効果があるとは思いもよりませんでした。それも、たったあんなチップです。
でも、貼る位置決めは1時間くらいかけました。竹箸を使ってコツコツと叩いてみたり、CDやSACDを回して指で触れてみたりです。最後は指感で決めました。ですが、まだ一発勝負状態なので、貼る位置や大きさなどを吟味すれば、まだまだよくなると思います。
>私は 絶対に 見習いません!!
いえいえ、もううずうずされているでしょ。
たぶんやる...きっとやる...必ずやる...と水晶玉に映りました(笑)
ノイズカットトランスはとてもよかったのですね。拙宅も出水電器の200V環境がありますので、CDP:200V⇒100V AMP:200V⇒200Vで試してみたくなりました。「ノイズ対策の為の接地とグランド」の聴講結果も活かしたいですし。情報ありがとうございます。
byヒジヤン at2020-12-10 19:10
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MFさん、罪なお方です。
MFPCを聴いて、MFさんの話を聞いて、燃えてしまいましたよ。本当はCDPの蓋は開けないつもりでいたのですが、背中を押されてしまいました。
まだまだ、MFPCに勝てるとは思いませんが、今回の勝負は射程距離に収めることが出来るかが目標です。よろしくお願い致します。
おかげさまで、オーディオすることが楽しくて仕方がないです。感謝しています。
byヒジヤン at2020-12-10 19:15
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いなかのクラングさん、レスありがとうございます。
“オーディオwith 共振”・・・まさに!
音響も振動対策も自分の環境でないと見極めしにくいですからね。これがオーディオをやることの醍醐味ですね。
オイロダインのホーンの鳴き止め、使えそうですね。ホーンの裏からなら目立たないですし、音波にも影響が出ないですね。ただ、ホーンの振動だとかなりのエネルギーがありそうですので、大きめのチップを選ばれるのがよいかと思いました。ドタ感ですが、スイングチップのマキシあたりが良さそうな気がします。
https://www.bird-strap.com/swingchip-nanoliquid
自分は回転メカ部は、ビッグを使いましたが、ブツが届いてから、もう少し大きい方がよかったかなと思いました。データも何も公表されていませんので勘に頼るしかないです。
レゾナンスチップ=ダイナミックダンパーはマス(重し)とバネ(厚めの両面テープ)があれば何でも試せますので、まずは10円玉に厚めの両面テープあたりで試してみることをお勧めしたいです。
byヒジヤン at2020-12-10 19:29
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ベルイマンさん、レスありがとうございます。
円盤でも、FILEやストリーミングに劣らないようにしたいですよね。自宅に山ほどあるCDやSACDを活かしたい(笑)それに、中古のCDがとても安いんですよ。リッピングして売ってしまうのでしょうね。だから新品同様です。こんな点にも活路があるのかなと(笑)
好奇心旺盛なベルイマンさんなので、聞かれていないのに書き込みます。ノイズ対策のCMC(カーボンマイクロコイル)ですが、何かに形が似ていると思いませんか。二重らせん構造です。
・・・そうです。金属たわしと同じ形なんです。
CMC(カーボンマイクロコイル)は、らせんの径が1/1000mm程度で、このらせん形状が共振することによりGHzレベルのノイズを吸収します。たわしにも同様な効果の置き換えが出来そうです。相似で考えるとどのくらいの周波数を吸収するのでしょうか。今度計算してみます。
いつもながらに、聞かれてないのに書き込みさせてもらいました。
byヒジヤン at2020-12-10 19:50
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CENYAさん、男の子ですから対決とか決闘とか楽しいですよね。
オペアンプの上級化ですか。回路にまで手をつける気はなかったので考えていませんでした。売れなくなるほどの改造はリスクが大きいですしね。
でも、ボロ負けしたら考えなくてはいけなくなるかもしれないですよね。そうならないようにしたいものですが・・・
どうなることやら、トホホ~
byヒジヤン at2020-12-10 19:56
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バズケロさん、やってますよ!
何せ、年内に「参りました~~~」と言わせるのが、今年の最大の目標ですからね。ガンバル、ガンバル
>勝負であっても、比較感想は科目別項目別切り口でのお話を伺いたいですね。
う~ん、当社比でしたら特性毎の比較や変化も語りやすいのですが、CDPとMFPCの比較で語れるかどうか・・・自信はないですが頑張ってみます。この辺りは、今が変化点の時期ですので役立つ情報が出せれば幸いです。
かわりますが、オーディオは総合力!まさにですね。
よい素材は必要ですが、それらをまとめ上げるのはオーナーでしかないですね。どんな素材を使い、どんなサウンドで鳴らし、どんな音楽を奏でるのか、それはオーナーの手腕にかかっていることです。
>ノーチャレンジ・ノーチャンス
肝に銘じて、アイアイサー!
byヒジヤン at2020-12-10 20:12
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bb7さん、レスありがとうございます。
確か、エソテリックのX-03をお使いだったですね。円盤軍団も頑張らないとですね。デジタルはラフな扱いでいい部分と、微細な環境影響を受ける部分とで、アナログとは扱い方がかなり違いますね。自分もアナログ人間ですから難儀します。
リモコンの「プログラム」の有無が決め手でしたか。そうなると、比較的廉価な機種だとプログラム機能が付いていそうです。それをスペシャル改造して、”羊の皮をかぶった狼”なんてカッコいいです。箱スカGT-Rなんて憧れました。
byヒジヤン at2020-12-10 20:23
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ヒジヤンさん、遅レスで失礼します。
CDプレーヤー改造されましたか。私も以前K-01を改造してもらった(外部クロック入れるために内部の基板を改造)ことがあるのですが、しばらく使用していたらその基板が壊れてしまい、TEAC修理センターに持ち込むのに現状復帰してもらうのに苦労しましたので、現在はオリジナル仕様に戻しました。ご自分でやられているのですから現状復帰は問題ないかと思いますが、改造は悩ましい物がございますね。
対決を楽しみにしています。馳せ参じたいところですが、私が行きますと吸音材にしかなりませんので、結果報告を楽しみにしています。
byHarubaru at2020-12-11 10:07
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Harubaruさん、レスありがとうございます。
今回の蓋を開けてのテコ入れは、回路や基板には手を入れていないです。コンセプトは容易に元に戻せることなので。それでも、源流対策は効果がありすね。外からの対策では踏み込めない領域に達したと思います。
面白く対決とか書きましたが、円盤再生とFILE再生の対比について掘り下げてみたいと思います。その前には、両方をお手本的に鳴らしている方に勉強させてもらおうと思っています。
byヒジヤン at2020-12-11 19:39
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