日記
MFPCとCDPの比較–自宅での試聴
2020年12月21日
MFPCによるデジタル送り出し性能の正確さに感銘を受けたので自宅試聴をお願いしました。とは言え、自宅で比較するとなればあまりに大きな差が出てしまっては落ち込む可能性もあるので、現用のCDP(エソテリックK-03Xs)でもやれることはやって対決させようというスタンスです。
今回の比較は、MFPCは最新の5台構成+STPファイバー仕様とCDPはヒジスペシャル対策仕様です。
比較にあたっては、自分のCDPをテコ入れして臨んだのですが、MFPCも更にバージョンアップしていました。留まるところを知らいなMFPCですね。
MFさんには午前中にお越しいただき、前回はCDPが不調でしたので、同じソフトでの現状確認です。

①ケルティックウーマン1曲目
・前回は不調と言いますか、CDPが異常を来していましたので伴奏に入る「シャンシャン」という音が下から聞こえると言う指摘を受けました。これが異常であったことを確認してもらいます。
・更に振動対策他のテコ入れの効果も感じてもらいました。さすがに耳がいいですね。異常の排除の部分と改善の部分を聴き分けされていました。
②アヴェ・マリア/幸田浩子
・こちらも歌声にブレがないことを確認してもらいましたが、下記の追加指摘を受けます。
・振動対策で楽器の音がしっかりした反面、歌声の力強さが減ったのでは?原因は振動対策で、ノイズが減ることにより力強さ感が減ったのではないか?と言われていました。
③カノン/オルフェウス室内管弦楽団
・この音源では音にベールが被っているとの指摘でした。
・ただ、この指摘は後のMFPCとの比較のポイントとなってきます。音と音楽の関係も面白いものです。
④ブラームス交響曲第1番/フィッシャー&ブダペスト・フィル
・この曲でも、前回は異常であったことの確認をしてもらいました。
・部屋の壁を超えるサウンドを味わってもらえたようです。
午前中の現状確認を一通り済ませた後で、MFPCのセットアップです。最終段のPCだけはDACの近くに設置して、他のPCは出来るだけ離す形で設置されました。最終段のPCにはUSB SFPに光接続してから変換してUSB接続しています。配線が這い回る実験室の様相ですが、この自由度を活かして数々のデモも行われました。

セットアップの後は、MFPCの暖気も兼ての昼食タイムとしました。
さて本題のMFPCとCDPの比較タイムです。午前中に現状確認をした音源を主体にMFPCでの再生を聴いていきます。今度は自分がリスニングポイントに座って聴かせてもらう番でした。先ずはわかり易いソプラノ音源です。
②アヴェ・マリア/幸田浩子
・MFPCでの再生が始まり、最初に感じたのは情報量の多さです。何度も聴いている音源ですから、少しの違いも手に取るように感じられます。普段より音数は多かったです。ただ鮮度は思いのほか高くなかったのです。
・歌声の安定感はよかったです。ただ、コントラバスの音がセンターから聞こえて違和感がありました。
こんな感想を述べると、すぐにMFさんが動きました。
「今のはレベル6の音です。次にレベル7の音を聴いていただきます。」と言われてPCの設定変更です。ウェルフロートも出動しましたので、MFさんも本気モードに入ったようです。
(最終段のCDPの天板にのせたPCは、ウェルフロート設置は逆効果でしたので外しました)
<<レベル7(PCの機能をルーン操作と再生だけに絞り、他の起動は出来ない状態にした仕様)での試聴>>
・一聴で音の鮮度が上がっていることを感じました。
・歌声の安定感はそのままに、コントラバスも右奥に定位して奥行き感も十分です。
・レベル6の時は、よい面悪い面だと思いましたが、レベル7となるとMFPCが全項目にわたり上と感じました。
・以降、レベル7での試聴です。
③カノン/オルフェウス室内管弦楽団
・先ほどベールが被っていると言われたのがよくわかります。弦楽器群の音が聴いたこともないほどの鮮度と明瞭さで鳴っています。最初はちょっとビックリしたのですが、徐々に見えすぎに感じて来ました。
・カノンは第1ヴァイオリンから第3ヴァイオリンまでの旋律が幾重にも重なりながらハモる音楽です。音が重なり合いながらふわっとした響きを感じるのが心地よい音楽なのですが、そこが感じにくいのです。
そんな感想を述べると、下記のコメントでした。
「音楽によっては明瞭すぎのマイナスが出ることもあります。」「MFPCを導入すると部屋の音響も見直す必要があることがあるのです。」
①ケルティックウーマン1曲目
・この曲はMFPCのメリットが発揮されました。鮮度が高い音がミキサーの意図したであろう通りに飛び回ります。圧巻の再生でした。
④ブラームス交響曲第1番/フィッシャー&ブダペスト・フィル
・交響曲では、MFPCは音数が多く、細かな音の定位までもがピタリと決まります。CDPでは細かい音の若干の揺れを感じました。やや揺れがある方がホール内に各楽器がハモり合うような響きを感じるというよさもあります。ただ、より一層のサウンドアップを図るためのポテンシャルをMFPCに感じました。
聴き比べた曲の全ての対比を書き上げてはいませんが、概ねこのような対比だったと思います。鮮度や定位の良い音を情報量豊に送り出すMFPCでした。ただ、すべての音楽を音楽性豊かに再生するわけでもないようです。簡単に言えばMFPCは見え過ぎてしまう面もあると感じました。
MFPCを採用するのであれば、これに合わせて機器のセッティングをして、部屋の音響もMFPCに合わせてチューニングする必要がありそうです。自分の感想とMFさんの見解を話し合った結果の結論でした。ですが今の自宅のCDPではMFPCに負けているのも事実なので、更なるテコ入れを考えることにします。
それにしてもポテンシャルの高さを感じたMFPCでした。興味津々に次々と質問させてもらうと、様々なデモを披露してくれました。ディレッタを使った伝送は変更なしの条件で、最低2台のPCで再生が可能と言うことで、2台再生から3台、4台、5台にした時の音の変化や、カッパー VS ファイバーの音の違い、その他の比較など、これでもかと言うぐらいデモしてもらいました。後半は、デモの内容を記していこうと思います。
レス一覧
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ヒジヤンさん
先日は長い時間、検証と言う名の遊びにお付き合い頂きありがとうございました。
楽しかったですね!(笑)
前回初めてヒジヤンさんのシステムを聴かせて頂きこれは大変だ・・・と内心冷や汗ものでした。
日記に書かれた通りの順に聴かせて頂きましたが、再生してすぐに前回は本当に調子が悪かったんだと安心しました・・・(笑)
定位も見違えるほど安定していましたし、何より奥行き・左右の広がりも段違いでスケール感のある素晴らしいサウンドでした!
CDPのテコ入れはかなりの効果で正直驚きました!
特に女性ボーカルの質感が色気を感じる変化で良かったです。
しかしプラスだけではなく、CDP再生の曖昧な部分がテコ入れ前は良い感じに適度な解像度に感じさせてた部分もあり全体的に柔らかく感じたのでその辺をもう少し詰めればクラシックでの弦楽器や金管楽器が映えてくるかなと思いました。
それとブラームスのティンパニ!
前回は完全に音が前に出てきてしまっていましたが、しっかり奥で鳴り響いて感動しました(笑)
しかしあれだけ盛り沢山の検証で、しかも聞きなれない専門用語も沢山あったかと思いますがメモ1つ取らずにここまで日記を書ける記憶力に驚きです!(笑)
後半も楽しみにしております。
byMF at2020-12-21 21:40
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MFさん、大変お疲れ様でした。
自宅CDPとの比較も、MFPCデモもとても楽しかったです。
時間を忘れて聴き合い、話し合う様子はまるで子供のようであったと思います。X1おやじさんからは、もっと音楽を聴きなさいと言われてしまうかもしれませんが、これもオーディオの楽しみかと思います。
それにしても前回に聴いてもらった音は、異常であったことを確認してもらえて一安心でした。この過程なしには比較試聴には移れないと思っていました。
MFPCとCDPの違いは、自宅で聴くとよくわかりますね。自分としては中々健闘したと思いましたが、まだ負けていますので、気合の入れ直しです。ですが、続くデモに多くのヒントがありますね。比較表もまとめ直しています。
デモタイムは、MFPCのすごさとMFさんがやって来たことの深さを感じるものでした。おさらいをしつつ、なるべく早めにまとめますね。楽しみにしていてください。
byヒジヤン at2020-12-22 12:43
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ヒジヤンさん こんばんは
とても 濃い一日だったようですね。 前回のMFさんとの オフ会も 含め 同じソフトを いろいろな装置で 確認してるので とても 凄い体験を しているんだと思います。
今後も CDP含め 部屋の調音にも とても 参考に なるんでしょうね。 実は 私も MFさんとのオフ会で ムターと 第9を 繰り返し聞いていた ことが ありますから えらそうなことは言えません。
byX1おやじ at2020-12-22 17:32
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X1おやじさん、レスありがとうございます。
先日の新潟も今回の自宅も、とっても濃い1日でした。
同じソフトで確認するのは違いがわかり易いですし、MFPCとの比較ではデジタルFILEにする必要がありますから。最初のオフ会の前に、比較用の音源を確かめてくれたMFさんの段取りがよかったのです。
>実は 私も MFさんとのオフ会で ムターと 第9を 繰り返し聞いていた ことが ありますから
やはりそうですよね。当日もMFさんが、ムターの音源の話をされていました。この音源は、X1おやじさんと聴き合ったソフトだったんですね。
ファイバー仕様のMFPCを持って、新潟詣でに行く話しもされていました。
byヒジヤン at2020-12-22 19:30
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ヒジヤンさん、こんばんは。
なんか明るい声で安心しました。まあ、ごしごし手を動かして、天板開けて弄って、その後でX1オヤジさんのシステムで聞き比べて、、、の辺りで、これはもう大丈夫そうだなぁって思っていましたが!(^^) 光学円盤族の重大な砦ですからね〜、ヒジヤンspecial K-03-Xsは。(謎)
でも、PCの本領は最新で最高の録音が更新されていくたびに、割と容易にそれを再生できることなんでしょうね。円盤はどうしても標準規格内でのことになるのでしょうから。ともあれ、後半が楽しみです。
byベルイマン at2020-12-22 23:00
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ベルイマンさん、おはようございます。
明るいです。なぜなら、今回のMFPCとCDP比較をきっかけに、オーディオにおけるデジタルデータの取り扱いの本質に迫れるかもしれないからです。
デジタル再生とは、容易によい音が得られる部分(ここまでの領域が、デジタルで音が変わらないと言われる部分)と、更に向上させるために、非常に大変になる部分(ここからの領域が、デジタルで音が変わる部分)を分けて考える必要があることが見えてきました。
FILE再生がいいか、光学円盤再生がいいかの問題でもなく、もう少し深い部分に本質がありそうです。
ベルイマンさんの好物である知的満足も味わえるようなことです。ヒントは次の日記のデモ内容にあります。紐解いてみてください。
byヒジヤン at2020-12-23 06:03
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おはようございます。
ヒジヤンさん流の、一つ一つ丁寧に紐解くような解説に興味津々です(^^)
音質的な面だけを言えば、双方高レベルでありつつ、音楽リスニングのどこら辺にフォーカスされているか、の違いなのでしょうかね。これまで何軒かのお宅で聴かせて頂きましたが、特にMFPCの鮮度感や滑らかさは秀逸でした。ノイズの影響がかなり少ないのは何となく聴いていて感じますが、その本質や如何に?!
一つだけ教えて頂きたいのですが、プレーヤーの不調?でかなり不本意なスタートだったようですが、普通使いでダメ出しされてしまうようなレベルの機種では無いと思いますし(テコ入れしてレベル向上する事は理解しますが)不思議です。結局何が問題だったのでしょうか?
byにら at2020-12-23 07:56
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にらさん、レスありがとうございます。
MFPCがデジタルデータをより正確に送り出しているのは事実だと思います。ですが、元のデジタルデータは人が作ったものですから、想定した前提条件のもとに作られたデータですね。さらに、CDPの不正確さがオーディオシステムにおける他の不足部分を補う場合もあるようです。そんな背景から、再生する音楽によって適性が分かれているように思えました。
前回の自宅でのCDPが不調だったのは、コンピューターが狂ったことです。上から聞こえるものが下から聞こえたりして異常でした。このような事は、電源を入れたままでのアースを繋ぎ換えや、入力切り替えをした後なども稀に起こる現象です。普通は電源オフからの再起動で治るのですが、オフ会の時は治りませんでした。その他に思い当たる節は、CDを9時間ほど回したままの状況だったことです。適正以上の過熱となっていた可能性が高いです。MFさんは、加熱によるクロックのずれではないかと言われていました。
MFさんの日記のレスに分析内容を書き込んでいます。ご興味ありましたら。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/4423/20201121/66468/
再現できれば原因の特定が出来るのですが、そこまでやる気にはならないです(笑)
byヒジヤン at2020-12-23 12:11
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