日記
MFさんオフ会の振り返り – MFPCとの比較
2021年04月06日
実りのあるオフ会でした。実施テーマは2部構成です。
1、メイン対決:MFPC最新ヴァージョン vs エソテリック K-03Xs(改)のサウンド比較
2、ストリーミング対決:「Spotify+ラズパイ4:HiFiBerry」 vs 「Amazon music HD+ただのPC+HiFace evo」のサウンド比較
当日は、道路混雑のためMF邸から拙宅まで4時間もかかったとのこと。時間的な制約もあって、豊富なメニューをこなしたかったのですが、要点を押さえての実施となりました。

【1、メイン対決:MFPC最新ヴァージョン vs エソテリック K-03Xs(改)のサウンド比較】
一通り比較用として設定している音源をCD/SACDで聴いてもらった後で、同じ音源をMFPCで聴きます。前回と比べて、MFPCは大幅なバージョンアップが図られていました。進化が早いですね。しかしながらモジュール化が図られているとのことですので、単体機器の増設と配線の繋ぎ変えだけでバージョンアップが可能とのことでした。
<PC側のMFPC>・・・こちらは前回:2020年12月

こちらが今回:2021年4月(実質3か月です)

主な変更内容は下記の3点とのことです。
1)PCを5台から6台体制に変更
2)PC Deskminiを第9世代i9ベースから、第10世代i9ベースに変更
3)新世代のLiFePO4 リン酸鉄リチウム電池の採用
<DAC側のMFPC>
・・・DAC側はほとんど変更がない?
スタート時は、
・自宅で使用している廉価で長いUSBケーブル
・5台PC
から試聴を開始したのですが、どうも調子がよくありません。そこで、ケーブルはMFさんのものに交換し、MFPCは最新の6台体制フルバージョンで聴いていきました。
① ケルティックウーマン1曲目
前回の感想は、「鮮度が高い音がミキサーの意図したであろう通りに飛び回ります。圧巻の再生でした。」というものです。今回もMFPCでの再生の方がよかったのですが、前回のような大きな差ではないと思いました。MFPCが優位と感じたのは、・低音がしっかりし、量感も増す ・音数が多い ・やや空間が大きい といった印象でした。
②アヴェ・マリア/幸田浩子
前回の感想は、「・一聴で音の鮮度が上がっていることを感じた。・歌声の安定感がよく、コントラバスも右奥に定位して奥行き感も十分」でした。これに対して、今回のCDP再生は、歌声の安定感やコントラバスの定位や奥行き感も差がないことを確認します。聴き終わってから、「違いがよくわらない」との感想を述べたのですが、直接聴き比べるとMFPCの鮮度の高さを実感しました。
③カノン/オルフェウス室内管弦楽団
この音源はMFPCの鬼門と感じていたものです。前回の感想「弦楽器群の音が聴いたこともないほどの鮮度と明瞭さで鳴っています。最初はちょっとビックリしたのですが、徐々に見えすぎに感じて来ました。カノンは第1ヴァイオリンから第3ヴァイオリンまでの旋律が幾重にも重なりながらハモる音楽です。音が重なり合いながらふわっとした響きを感じるのが心地よい音楽ですが、そこが感じにくいのです。」
それに対して、今回は前回の良さを残したままに、一つ一つの音の周りに天使の輪が広がり、心地よい響きを感じました。これが6台目のPCの効果です。ポップス系を聴くならハッキリクッキリ系の5台PCでよさそうです。ですが、クラシックを聴くなら、間違いなく6台PCがよいと思います。
CDとの比較では、鮮度、低音のしっかり感 でMFPCが勝りました。この音源だけは勝てると高を括っていたのですが、MFPCはウィークポイントを見事に改良していました。
④ヤンセンの四季:冬から
こちらは前回の感想がありませんでした。特徴的な差異がなかったのだと思います。今回も目立った差異は感じなかったのですが、MFPCは低音のしっかり感に長けていて、SACDは質感が高いという印象でした。MFPCの再生音源は、44.1KHz/16bitだったのです。
⑤テオドール・クルレンツィスのモーツアルト/レクイエム
こちらも前回の感想がありませんでした。こちらはCDです。この音源の再生で、MFさんから「眠くなる」と言われたことが印象に残っているのですが、MFPCとの比較では、鮮度、低音のしっかり感 はMFPCが勝ると感じました。
⑥ブラームス交響曲第1番/フィッシャー&ブダペスト・フィル
この音源の前回の感想は、「交響曲では、MFPCは音数が多く、細かな音の定位までもがピタリと決まります。CDPでは細かい音の若干の揺れを感じました。やや揺れがある方がホール内に各楽器がハモり合うような響きを感じるというよさもあります」というものでした。
今回の感想は、低音のしっかり感はMFPCが優位と感じましたが、全体的にはSACD再生のほうが空間が広がり、厚みもあって、より音楽に浸れる再生と感じました。MFPCの音源はPCMのハイレゾだったとのことです。
その他にもMFさんがお持ちの音源で、前回は拙宅の再生がもう一つと感じた音源を聴かせてもらいましたが、概ね改善されているのを実感しました。
以上、比較結果をまとめると
・CD再生では、鮮度、低音のしっかり感でMFPCが勝る
・SACD再生では(MFPCがPCM音源の場合は)エソK-03改+電研トランスは質感で優位と感じた
・CD/SACD どちらの差異も比較しなければ明確な違いを感じるものではなかった
・以前に比較した時に、大きな差を感じたMFPCと自宅CDPの差は小さくなったと感じた
・比較は、自宅のCDP再生に焦点を当てて追い込んだ条件で実施した。MFPCはそこに加える形で設置したものであり、不利な条件で比べた結果である
MFさんからは何点か気になるとの指摘を受けましたが、自分も同じく感じた課題は、「弦楽器群やオーケストラが総奏する部分でのジャーンという音のインパクトに欠ける」ことであり、この部分の改良を主体に取り組んで行こうと考えています。
レス一覧
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ヒジヤンさん おはようございます 誤字修正再投稿
前回と今回の対比が分かり易くて良いですね(^^
知りませんけどワインのテイスティングノートのようでもあります!!
天井がどうのこうの言っている私、まだヒジヤンさんご提案の硬い台を用意できていませんが、<<ノイズカットトランス TM>>の先達は爆音領域を考えると?5kVAは最低必要そうだと述べています。
少し前に紹介しました↓こちらの「拙宅の場合、Woofer駆動パワーAMPは、最低5kVA程度を」の下りです。
http://retireji.z-sound.biz/contents/009.html
もちろんアンプや使用スピーカーの能率、インピーダンスにもよるとは思いますがアンプ設計エンジニアの意見として一つの参考にはなると思います。ただ、そのような大艦巨砲主義?の方向に進むよりも、だいたいこれで満足点としておき、お金のかからない範囲で調整を愉しむのが良いかなとも思います(^ー^
bynightwish_daisu at2021-04-06 08:08
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nightwish_daisuさん、レスありがとうございます。
音の変化の表現方法がわかり易いと言っていただき嬉しく思います。形のないものを表すのは難しいです。
> <<ノイズカットトランス TM>>の先達は爆音領域を考えると?5kVAは最低必要そうだと述べています。
⇒パワーアンプに使うときにですね。必要な電力を供給する意味合いからは、大きい方が優位ですね。インピーダンス変動に負けずに、瞬時の電流供給が必要なパワーアンプに使うなら、巨大なトランスが好ましいのでしょうね。
MFさんのお知り合いのノイズ博士も、沢山のトランスをお使いで、パワーアンプに使うなら5kVAくらい必要だろうと、同様に言われていたそうです。パワーアンプの大きさや、求める音量も関係しそうですね。
ただ、もうひとつの視点なのですが、電力機器への電源からのノイズ混入ですが、どこかに入り込む経路があると、ノイズ嫌いの上流にも少なからず回り込んでしまいますよね。アンプ側から入り込んだ電源ノイズが、シャシグランドを通じて、ラインケーブルを介してCDP側にも伝わる想定です。
以前に紹介されていたように、左右のラインケーブル間でアースループが生じていたとするなら尚のことです。
別の視点ですが、以前の日記で出川式電源に似ているとの内容がありましたが、自分もそう思います。出川式電源は全ての電力機材に採用することで大きな効果が発揮されます。出川式電源フリークの中では、フル出川と呼んでいます。
<<ノイズカットトランス TM>>も同様であろうという仮説です。
フル電研?(笑)
この仮説を検証したいと思っていて、上手な使いこなし方を模索してみようと思っています。そう言えばと、思い浮かんだことがありますので試して見ます。
追伸
置き方の件も試してみて下さいね。
振動がニゲやすく、伝わりにくく、動かさずが極意だと思っています。・・・ヒジヤン流です(笑)
byヒジヤン at2021-04-06 18:00
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ヒジヤンさん
的確なご感想に読みながら納得させて頂きました!
CDPは特にSACDの良さを感じましたがCD再生は良くなったがうえの粗が出てきたかな・・・?と感じました。
先週の土曜日は春休み最後の土日だったので交通渋滞が激しかったみたいで、豊富に準備をして頂いていたメニューが出来ずに申し訳なかったです。
トランスの有無は聴かせて頂ければ良かったと後悔しています・・。
>・・・DAC側はほとんど変更がない?
はい、ここは前回と変更はありませんでした。
カノンはかなり意識をしていたので改善が出来たようで嬉しかったです!
CDPのチューニングは電研トランスの効果もありピンポイントでの効果は分かりませんがレベルアップは間違いないですね!
とても有益な時間で楽しかったです笑
ラズパイ編も楽しみにしています。
byMF at2021-04-07 00:18
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MFさん、道路混雑の中でお疲れさまでした。
感想に大きな相違はないとのことでよかったです。CD再生は粗が出始めていることにも同意です。
電研トランスの有無なども比較のデモが出来るとよかったのですが、時間がなかったですね。第2ラウンドが楽しみでしたので割愛となりました。
6台目のバッファPCであれほどの音の違いが出ることにも驚きました。デジタルデータに何が起こっているのか不思議です。
つづくストリーミング比較のインパクトは大きかったですね。
byヒジヤン at2021-04-07 19:22
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ヒジヤンさん
こんばんは
詳細な試聴日記はさすがヒジヤンさんならではですね〜
いつも感心させられます。
さて、今回の勝負日記を拝読させてもらって、少し興味が沸いたのがCDPのチューニングベクトルについてです。
ベクトルと表現したのには理由があって、バズケロがDCSをチューニングしてゆく過程でとても悩んだのがPCM音源とDSD音源の違いを如何に両立させるのか?!というのが難関となった経緯があります。
色々と取り組んだ結果としてバズケロは両立を一旦脇においてDSDのアナログに近い鮮度と響きの良さと立体的な解像度を生かす方向へ舵を切ったのですが、PCMの切れ味と図太さとクリーンな音場も捨てきれない魅力として少し尾を引いていました。
根本的な処理方式が違うので両者の表現力も大きく距離が開いているイメージがどうしてもありますが、PCオーディオで豊富な音源はPCM方式が多数を占めていますね。
今回の比較視聴では、変換方式をどのように感じられたかの視点でもお話が伺えればより深い楽しみも得られそうで、興味津々です。
一体型CDプレイヤーのチューニングでは、響、キレ、音色、解像、立体感などなど、さまざまな対象をあれこれ複合的に様子を見つつ調整するので、今回のヒジサウンドで大切にしたところも興味津々です。
最新、渾身のヒジサウンドを体験できる日がますます楽しみになりました!
オーディオは本当に奥が深くて、楽しいですね!
では、では
byバズケロ at2021-04-07 21:35
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バズケロさん、レスありがとうございます。
MFPCとの比較は目標としている事項なので、真剣に実施しました。
ですが、さすがバズケロさんは返信しにくいレスを打ち込んできますね。
>少し興味が沸いたのがCDPのチューニングベクトルについてです。
自分は、PCM再生とDSD再生における、CDPのチューニングベクトルについては特に区分して調整を進めてはいないです。システムの調整は、決めた3枚のCDを主体に実施していますので、PCM音源でセッティングして、PCMとDSD音源で確認するスタイルです。
それでも、音の焦点が増し、解像度や鮮度が上がるにつれて、PCMとDSDの再生レベルの差が広がり、DSDがいいですね。徐々にPCM音源は粗が見えてくることを感じています。
以前はPCM音源はPCMのままでアップサンプリングがよいと感じていましたが、今ではPCMもDSD変換する方が厚みが出るので、CD再生時もDSD変換でセットしています。
MFさんは、SACDの方がDiscの回転速度が速いので、スピーカーから出る低音のDiscに与える影響が出にくいのでは?と言われていました。
話は変わりますが、
今回の課題:「弦楽器群やオーケストラが総奏する部分でのジャーンという音のインパクトに欠ける」
を対策すべく、再調整を実施していたのですが、アンプへの電研トランスの採用は、暴れ馬だなとしみじみ思います。
手を入れたら、トゥティの「ジャーン!」というインパクトは改善したのですが、その他の項目におつりが多すぎて、改悪となってしまいました。そこにまた手を入れたら、次の狙いは達するのですが別のおつりが来てしまって・・・
もうやだ!と投げ出したい気分にもなりますが、根性、根性、ど根性です。バズケロさんがプッチーニで1年悩んだのに比べれば、大したことではないと自分にムチを入れています。最悪は自己ベストに戻すことを視野に入れて、発表会に焦点を合わせて調整を進めていきます(弱気)
byヒジヤン at2021-04-08 18:52
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読み返してみて、訂正します。
PCM再生とDSD再生のCDPのチューニングベクトルの件ですが、CD再生時もDSD変換をしていますので、チューニングベクトルはDSDで一本化していますね。
発表会の時に、CD再生時のPCMでの再生とDSD変換した時の違いをデモしますね。
byヒジヤン at2021-04-08 19:41
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ヒジヤンさん
こんばんは!
レス返ありがとうございます!
DSDベースのチューニングをCDPに施されてきたのですね!
今回の日記を読み返すとウンウンと読み応えが増します。
面白いと思ったのが
>音の焦点が増し、解像度や鮮度が上がるにつれて、PCMとDSDの再生レベルの差が広がり、DSDがいいですね。徐々にPCM音源は粗が見えてくることを感じています。
以前はPCM音源はPCMのままでアップサンプリングがよいと感じていましたが、今ではPCMもDSD変換する方が厚みが出るので、CD再生時もDSD変換でセットしています
のくだりです。
これ、バズケロのdCSチューニングの進化プロセスと面白いほど符合しているのです。
推論ですが、バズケロが使用しているX03当時はPCMベースの音作りのノウハウで成り立っていて、その後のモデルチェンジではDACチップ変更を経て以降、DSDによる音作りに変遷していったのではないかと...
そしてdCSもプッチーニのご時世では間違いなくDSDに力を入れています。
ヒジヤンさんのお使いのK03XsもおそらくDSD寄りの音作りで躯体が出来上がってるのではないか???
我々の施すCDPチューニングはMFPCのようなデジタル処理そのものとは異なり、躯体を取り巻く振動環境や音色を決める素材の介入具合や電源品質をコントロールするところが大だと思いますので、使用機器の成り立ちを思えば、DSDが優位に(容易に)鮮度を求めるお互いの似通ったチューニング手法が共通した反応をしたというのが自然な見立てなのかもしれません。
話は飛びますが...
例えて言えば、MFPCは服の生地、ヒジ流チューンやバズ流チューンは服の仕立てです。
総じて言えば、MFPCもヒジ流チューンも既に同じ土俵での白黒勝負は成り立たないのかもしれないというのがバズケロの感想になります。
それでも...という流れがあれば、PCMとDSDでキチンと土俵の仕分けをした上での比較が楽しいのではないかとも思います。
いずれにせよ色々な理解や妄想が深まりました!
本レスのような短文では思いは語り尽くせねい!
発表会までまだまだ産みの苦しみが続きますが、そのプロセスひっくるめて楽しみましょう!
では、では
byバズケロ at2021-04-08 21:49
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バズケロさん、おはようございます。
何と返信しようかと考えさせられました。
頭を巡らせた上で思ったのは、我々は理屈で語るのは似合わないということです。丹念に磨き上げる職人ですよね。
Aさんは理屈で勝負、Bさんは物量で勝負、Cさんは知識で勝負など、それぞれにカラーがあります。そんな中で、二人が職人気質であることは間違えないですね。
もちろん職人だって考えています。それこそ、擦り切れるほどに回してです。ですが、考える上のよりどころは、経験ですよね。知識で語られても、「それが何か?」といった面があろうかと思います。
職人同士の発表会!楽しみです。
勇気づけられました。自己最高を狙います(強気)
byヒジヤン at2021-04-09 07:09
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