日記
くじを引きたいわけではないのに
2021年07月31日
酷暑とか台風とかオリンピックとか、いろいろありますね。
もちろん、コロナもなのですけれども。
皆さんの日記は覗かせてもらっていましたが、なかなか書き込むことが出来ていませんでした。
大物ハードの導入もなく、ノンビリやっております。
今日はジャズの話です。
個人的な嗜好はクラシックにかなり偏っておりますが、決して他のジャンルを聴かないわけではありません。
むしろ、ジャズも大歓迎…と言いたいのですが、昔から苦手意識がありました。
その原因は、

これです。
おそらく、ジャズ好きじゃなくても名前は知っているでしょうしどこかで聴いたことはあるでしょう、ビル・エヴァンスの『Waltz for Debby』です。
ちなみに、

Ⓟ75とありますから、国内再発盤です。
これはアナログですが、拙宅のどこかにCDも埋もれているはずです(笑)
曲も演奏も良いのは分かるんですが、この盤のピアノの音がどうにも苦手でした。
妙に潰したような音で、どう聴いても歪んで聞こえます。
正直、この音で「エヴァンスの繊細なピアノが…」というような評論を見てもちっとも実感できませんでした。
1961年収録のアルバムでこの音は無いとずっと思っていたのですが、その認識を変えさせたのが、

Analogue ProductionsのSACDです。
これで聴くとピアノもちゃんと鳴りますし、会場内のエアーが感じられます。
米国に保存されていたオリジナルマスターテープからの復刻リマスターです。
ただ、これを聴くとオリジナル初発盤だとおそらくもっと良いのでしょうね。
そのあたりは気になりつつSACDを聴いていたのですが、某雑誌の記事で見かけて購入したのが、

『Complete Village Vanguard Recordings 1961』で、アナログです。

Ⓟ&Ⓒ2014となっていますが、2002年に発売されたCDのアナログ化ですね。
現場でまわされていた未編集のテープからの復刻です。
ピアノの音の純度がさらに上がります。
会場の雰囲気もさらによく出ます。
こんな音で録られていたのかと驚かされました。
ただ、これだと音や演奏には満足できますが、この録音から編集された『Waltz for Debby』と『Sunday at the Village Vanguard』のアルバムとしての魅力を楽しむことができません。
リマスターされたハイレゾを購入しようと思ったのですが、ここでふと思ったことがあります。
ハイレゾの説明文章では、「米国で保存されていたオリジナルテープ使用」とあるのですが、このテープはどの段階のテープなんでしょう?
私の想像ですが、製品化の元になるテープは最低でも三種類あります。
A=録音現場で実際にまわされていたテープ
B=Aを元にイコライジング、レベル合わせ、アルバム収録に合わせて曲順をカット編集したテープ
C=Bを元にコピーして実際にレコードを作製する際に使われたテープ
A、B、Cのどれも「オリジナル」と名乗ってもおかしくはありません。
『Complete Village Vanguard Recordings 1961』はA、Analogue ProductionsはBを使用しているはずです。
じゃあ、いま売られているハイレゾはどれから作られたのか?
どのテープかが明記されてない以上、末端のユーザーはくじ引きするしかないわけですが…
『Complete Village Vanguard Recordings 1961』のCDを買ってリッピングして並べなおせば間違いはないわけですけれども(汗)
で、考えていたところにPALETTE MIVの不定期な定期入院が決まりました。

業者にはかなりかかりますと脅されたのですが、予定の半分くらいの期間で戻ってきました。

とりあえずは、手持ちの盤を楽しみましょうか(笑)
レス一覧
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おはようございます~♪
fukuさん、貴重な情報ありがとうございます(^^)
ワルツフォーデビーは60年代の録音としては並以下、「名盤に名録音無し」とはよく言ったものです(笑)
このピアノがダメなら、グールドなんかは聴けないのでは?
わたしの場合グールドの録音は体が受け付けませんが、、、(爆死)
さて、我が家には10種類以上のCD(アナログは聴きません)がありますが、一番良いのが、
「BILL EVANS 12 CLASSIC ALBUMS」の4枚目。
(Enlightenment, 2014, 英国リマスター盤)
です、廉価盤ですがピアノが一番ピアノらしく鳴ります。
一番悪いのが、
「ワルツ・フォー・デビイ+4」
(VICTOR VICJ-5084、'94、20bitK2リマスター国内盤)
音はキレイだけど、全然面白くない。そもそも音に力を感じない。
他にもジャズのヨーロッパリマスター盤には結構良いものがありますよん。
byspcjpnorg at2021-07-31 06:55
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fukuさんこんにちは。すっかりご無沙汰しています。
『Complete Village Vanguard Recordings 1961』のCDですが――――はてさて、どうやら手元に存在しています(笑) 曲の収録はテープそのまま進めているようですが、どういうところから持ってきたものかは何も書かれていません。Victor K2の処理云々はやっているようですが……。
もう一枚はDSDリマスタリングシリーズのものを持っているので、これらを取り敢えず聞き比べてみました。
まず、DSDシリーズの方が3-4dBほど音量が低いようで、これを合わせながら聴き比べました。
全体に音が太いのはcompleteの方。音の広がりに制限が少ないのもcompleteの方。音に張りがあるのもcompleteの方。
ややくぐもって聞こえるのがcompleteの方。背景の声などがたって聴こえるのはDSDシリーズの方。
ピアノの音がヒョロヒョロ揺れるのがDSDシリーズの方。
音が厚いというか、太いというかそういうのはcompleteの方に分がありますが、一聴すると解像度が低いというか、膨らんでいるというか、くぐもっているというか、そういう風にも受け止められます。ものは言いようですが。
というような地震(震度2?)の最中の聴き比べでした。いやー、どれくらいぶりにオーディオを聴いただろう(笑)
by2Hくん at2021-07-31 13:43
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fukuさん こんにちは
私も久しぶりに、このアルバム(CD)を聴いてみました。
我が家で聴く限り、ライブの雰囲気があり、それなりにクリアーで、歪が気になることも無いようです。
(CDは、OJCCD-210-2 P1987 made in USAです。)
ハイレゾ版(192K)も聴いてみましたが、ピアノの音質は、似たようなものですが、なぜかベースが左寄りになり、少し変。ただ、これは、我が家の機器の問題かも。・・
byスイートサウンド at2021-08-01 10:17
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spcjpnorgさん、こんにちは。
ヨーロッパリマスター盤のご紹介、ありがとうございます。
アナログの時代からプレスされた国によって音が違うのはよく言われているところですが、デジタルデータ化する時の考え方も違うんでしょうか?
とりあえずは、購入前にデータ調査からですね(笑)
拙宅の最初のアナログ盤が国内盤というところが気になりますね。
OJCの再発盤だとどのような音なのか、違いはあるのか。
どうも国内盤の問題のような気がします。
byfuku at2021-08-01 18:01
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2Hくんさん、お久しぶりです。
同じ島に住んでいるわけですが、県境が敷居高いですね。
『Complete Village Vanguard Recordings 1961』ですが、2002年に日本でCDとして発売されたのが初出です。
元は日本の独自企画だったみたいですね。
よほど世界中で評判になったのか、2003年にはドイツ、2005年にはアメリカ、2006年にはイタリアと発売されていますが、全てに20bit K2 Super codingの記述がありますから、CDマスターはおそらく日本盤と同じでしょうね。
拙宅のアナログには今回の企画について、日本で最初に企画・発売されたことがライナーに書かれていました。
オリジナルテープからマスタリングしたことも書かれていましたがデジタルリマスターとの記述はありませんでしたから、おそらくアナ→アナプロセスで作られていそうです。
となると、CDとは音が違いそうです。
聴き比べしてみたいところですが、そのためだけにCDを購入するというのもアレですし。
コロナの状況が落ち着いてオフ会ができるようになるまでのお楽しみにしておきましょう(笑)
かつて2Hくんさんのお宅で体験した「同一ロットのSACDのはずなのに音が違う」は衝撃でしたねぇ。
そうなると、結局購入したディスクが当たりか外れか、ということになってしまうわけで…
本当に気に入ったディスクは当たりを引くまで…などということはやりたくありませんね、できれば(大汗)
byfuku at2021-08-01 21:17
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スイートサウンドさん、こんばんは。
先のレスにも書きましたが、マスタリングのプロセスに何かあるのかもしれません。
となると、お持ちのディスクはOJCですから、余分なプロセスを入れずにストレートにデジタル化している可能性があります。
Discogsによると、『Waltz For Debby』には現在119のバージョンがあるそうです。
これにはハイレゾ配信音源は含まれていません。
そのうち、どれが当たりなのか?
聴き比べることは、まあ難しいですね(笑)
byfuku at2021-08-01 21:43
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fukuさんへ
はじめまして、bb7と申します。遅レス失礼します
僕は国内盤ばかり聴いている者です。Ⓟ76で国内盤LP「ポートレイトインジャズ」を所持しています。ピアノの音の立ち上がりと立下りの速さは鋭いですが、歪むまでにはなりません、低インピーダンスカートリッジを使っても、です。歪はプリアンプとフォノイコの出来に左右されます。
それから、オリジナルが皆さんにとって良い録音というのはあり得ないと思います。なぜなら、良い録音を再発で改悪するとは考えられません。改悪したら、訴訟で負けますから。オリジナルはフルフラットで作って歪むならハイ落ちに修正するのが定番です。ハイ落ちとは格好が悪いのでオリジナルとしてすり替えていると思います。
bybb7 at2021-08-03 20:01
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bb7さん、こんばんは。
「ポートレイトインジャズ」のピアノは歪んでいないとの情報ありがとうございます。
今回は『Waltz For Debby』とその元となったセッションをそのままアルバムにした『Complete Village Vanguard Recordings 1961』の比較ですので、録音年・場所・機材・エンジニア等違いますからハッキリとは言えませんね。
ひょっとすると私の所有する国内盤『Waltz For Debby』に限定された問題かもしれませんし。
二段落目の訴訟云々についてはひとまず置いておきますが、オリジナルより音質の悪い再発盤はいくらでもあると思います。
これは「改悪」しているわけではありません。
単に「劣化」しているだけです。
そのあたりを勘案して手当てをした再発盤は問題ないですが。
『Waltz For Debby』のオリジナル盤も安いとは言えませんから、比較のためだけに購入というのも厳しいです(汗)
まあ、名盤ですし、ネットの海に潜れば比較試聴している方もいらっしゃるかもしれません。
byfuku at2021-08-04 23:07
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